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三十七万円目。VS九③

魔法カード。

・トランプの甘言

・北朝鮮のミサイル

・FRBの介入


 罠カード。

・フェイクニュース

・魔法カード無効

・リーマンショック

 バトルスタート。


 私は私の方法で買ってみせる。


「伏せカードをオープン。罠カード『リーマンショック』を発動する」


 株の大原則。安く買って高く売る。実は私はポートフォリオを作成しただけで、まだ、買っていなかった。株勝負のスタートと同時にリーマンショックで最安値を記録。すかさずアメリカ株を120万円買う。


「太郎さん、すみませんね。これが私の必勝法。安く買う。リーマンショック後一年間は割安株がたくさんあるんですよ」


 罠カードで株価は大暴落。太郎さん、十は高値で株を買ってしまい、割高。けれども私は安値で株を買って大儲けです。あとは五年間でじっくりとリーマンショックから立ち直るのを待てばいい。


「アメリカ株最高! 日本の市場は糞です。失われた20年は戻ってこない。アメリカ株ならば五年でリーマンショックすら立ち直るのです」


 私の手札は、残り、魔法カード『FRBの介入』。これははっきりいってチートカード。株価を急騰することもできれば急落することもできる、まさに魔法のカードです。高値で買った彼らに安値で買って、かつ『FRBの介入』を持っている私は絶対に負けません。勝率120%です。


 沈黙する太郎さんと十。心ここにあらず。敗北が見えて絶望しているのでしょうか?


 あるじ様もなぜこんなやつに肩入れするのか理解できません。まったく。エピックの言う商人になれるのでしょうか?


 モニターに表示されている株価チャートはみるみる下がっていく。あっという間に半年が経過し、底値をうち、V字回復をはかる。私は底値前で買っていたので、120万の資産がどんどん増えていきます。


 一年が経過したとき、十が動く。


「今回、私は麻雀の数合わせとして動きます。差し馬を握っている二人の邪魔はしません。あがらず振らずのオリ気味で試合を進めましょう」


 十が手札から魔法カードを発動する。さらに伏せカードをオープンした。


「魔法カード『トランプの甘言』に米中の貿易戦争を発令。すかさず罠カード『魔法カード無効』を開きましょう。これにて米中貿易戦争は収束に向かいます」


 十は自分で発動した魔法カードを自分の罠カードで無効化する。あくまで私と太郎さんの直接対決を望む形ですね。分かりました。徹底的に太郎さんを潰して差し上げましょう。私はあるじ様や十、エピックほど生易しくはないですよ。株商人、舐めないでいただきたい!


 十がカードを発動したおかげで残りのカードが分かりました。私は『FRBの介入』。太郎さんは『北朝鮮のミサイル』と『フェイクニュース』。フェイクニュースは株価に影響が出た直後に反転するカードです。魔法カード無効ほどの即効性がない分、反転が大きい。困りましたね。私のFRBの介入をフェイクする可能性が高い。ここまで待ちどころか?


 株の確言にこんなものがあります。投資の世界には見送り三振がありません。


 これはかの有名なウォーレン・バフェットの言葉で、野球のように見逃し三振がないのでボールを振らずにど真ん中の直球が来るまでひたすら待てばいい。ストライクを無理に振りにいくのではなく、自分のタイミングに合った直球どストライクを待てばいい。


 バットを振るのはそれからでも遅くはない。私はFRBの介入を最後の最後まで使わないことに決めました。切り札、奥の手は取っておくものです


 石橋を叩いてから渡る、絶対に負けない、損のしない私の投資哲学。勝利はほぼ確実です。


「絶対に損をしてはならない。そのルールを忠実に守ること。私のポートフォリオはS&Pにまさる鉄壁の株たちです」


「ああ」


 太郎さんが初めて言葉を発しました。


 四年が経過して残り一年。彼は秘策中の秘策、ウルトラCを持っているのでしょうか?


 ま、関係ありませんけどね。FRBの力を得た私の株子ちゃんたちは最強の最強です。


 アメリカ株はリーマンショックをはねのけて成長し続けるのでした。にっしっしっし!

魔法カード。

・北朝鮮のミサイル(太郎)

・FRBの介入(九)


 罠カード。

・フェイクニュース(太郎)

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