閑話。無課金3万円分
歌子の軍が王都に進行する中、停滞しなければならない事態に陥る。
敵将の名はエピック。陣を構える王国軍に歌子を超える猛者はいない。
いないのだ。だけれども。
歌子の軍は補給路を完全に断たれてしまった。
帝国からやってくる支援物資を先に潰され、これ以上の進軍を許さない状況に誘い込まれた。
歌子は今回の策謀を現実世界で見聞きしたことがある。
真珠湾攻撃とかミッドウェーとか呼ばれる戦争に酷似していた。
アメリカと戦争した日本軍の半数が餓死したというものだ。
「王国軍にこれほどまでの頭の良さを持った策略家がいたとは。名無しがいないことが悔やまれます」
歌子の軍は王都攻略において農民をかき集めて戦力を増やしている。戦争において最も大事なのが現場で物資を賄う事。相手を仲間にしたり、食料を現地調達したりすれば歌子は永久に進軍可能だった。
そのはずだったのだが。
敵将のエピックはあえて農村の食料を焼き払い、現場調達できなくなった歌子たちの軍を疲弊させていた。調子よく進軍していたはずが、逆にエピックに誘い込まれていた。補給路を潰され、完全な食糧不足に陥っていた。
まさか戦わずしてこれほどまで進軍を阻止できる策略を用いるとは。歌子は敵軍に内心、天晴を送る。
「このままでは兵が疲労困憊でダメになってしまいます。一時、撤退しましょう」
歌子は物資が残っている始まりの村まで戻ることに決めた。餓死しないための英断だった。
「決着はいずれ、また、ですね。エピック殿。お会いできるのを楽しみにしています」




