課金二十二万円目。無双のお時間2
ダンジョンタワー攻略はサクサク進む。
モンスターが出る。名無しが倒す。モンスターが出る。名無しが倒す。たまに2回行動&回復。
ほぼアタッカーの名無しだけで頂上まで攻略を完了した。
「よっと。終わりっす。こんなもんですか?」
「いや、まだだ。このダンジョンは初級だから10階までしかない。ここからが攻略の本番だ」
太郎はABCシステムからスキップチケットとスタミナ回復を取り出す。
「ソシャゲの廃課金ユーザーは、ガチャだけに課金していると勘違いされることが多い。けれども、実情は違う。本当の廃課金ユーザーは枠やスタミナ回復まで徹底して課金する」
ソシャゲの醍醐味はガチャ。そして、ハムハムだ。
イベントを周回する時、太郎は大量の諭吉を魔法のカードに変換し、スタミナ回復を行っていた。
太郎のソシャゲ談が始まる。
「いいか。ソシャゲは遊びじゃねえんだ。勉強や仕事よりも大事なんだよ! 廃課金がキャラをポンっと出して終わりでいいはずがない。1日8時間。なんなら20時間を死ぬ気でイベントするんだ!」
某魔法使いと黒い猫のソシャゲではイベントが4日間、開催される。太郎は上位にしか手にできないカードをゲットするため、金、土日、月をほとんど寝る時間以外のすべてを費やしてプレイし続けた。
ファントムなんじゃらキルのソシャゲで太郎はステップアップガチャに10万円を突っこんだ。
某アズレンで赤城と玉藻をゲットするために、ながらゲームしながら延々とオートし続けた。
太郎はゲームに人生を懸けているといって差し支えない。
ゲームこそすべて。勉強や仕事で1番を取って何が楽しい? やはり自分の好きなもので1番を取ってこそ人生に凄みが生まれる。ゲームという娯楽で世界ランカーになるまでやり込んで初めて見えてくる世界がある。その絶景を、太郎は何度も味わった。
「ソシャゲ会社だって営利目的でやってんだ。基本無料ゲームに1万円寄付するのは当たり前。そこから面白ければさらに追い課金して世の中は回っていく。俺の好きなゲーム実況者はとりあえず10万課金してから面白いかどうかを決めていた」
「何が太郎さんをそこまでさせるんっすか?」
「愛だ。愛だよ。愛ですよ! ゲームが大好きでツイッターや動画配信で煽っていくのこそがソシャゲの面白さだ」
「うわっ!? なんか知りませんけど最低っすね、太郎さん」
と冗談はおいといて。太郎は現世で徹底的にゲームをやり込んでいた。
某モンスターなストライク5万。某パズルなドラゴン5万。某バトルガール10万。
残念ながら某FGOや某デレステ、某アイマスには課金しなかったが、様々なゲームを楽しんだ。
そして最終的に得た答えが、
「ソシャゲは廃課金してニートプレイしたやつが1番強いんだぁあああ!!!」
これはこの世界にも言える。ダンジョンタワーを10階まで攻略して終わりではない。本番はここから。
そう。周回だ。
「俺はスキップチケット&スタミナ回復で1日中ダンジョンタワーに籠る。いいな、名無し?」
「っく。眩しいっす、太郎さん。目がキラキラしてますよ」
1日なんて生ぬるい。ソシャゲ界には4日間、寝ないで続ける魔道杯や10日間、寝ないで続けるクランバトルが存在する。
たしかにゲームは無意味かもしれない。でも、それに人生を懸けている男たちがいることを知っておいてほしい。彼ら彼女らにとって、ゲームとは、遊びではないのだ。なんでいうか人生なのだ。
世界ランカー。そこに山があれば登るしかないように、ソシャゲでイベントがあれば1番を目指すものだ。
「無理のない課金は無課金だぁあああ!!!」
こうして太郎はレベルが40になるまでダンジョンタワーを延々と周回し続けた。たぶん100時間はかかったのだけれど、スキップチケットのおかげで24時間くらいで済んだ。
盗賊(太郎) レベル40
HP:D
攻撃:C
速さ:C
守備:D
魔防:D
補助 二回行動
A
B
C
毒耐性◎




