死が特別で、綺麗なら
死という選択肢が綺麗なものだと感じてしまったとき、僕は死ぬしかないんじゃないかと思った。
私立高校2年。高校生活も中盤なところで気づいた。
何を目標に生きていこう
簡単な話だ、3年も付き合っていた人と別れたからだ
別れようって切り出したのは僕。なのになんでダメージを受けているのか。
最初はただ他の人と話しているのが気に食わなかっただけ。
そのうちそれが目立って見えるようになって、Twitterで電話楽しかったよって、見かけたときにもうだめだと思った。
LINEも全てブロックして。
ただのメンヘラじゃないかって、思ったけど。
それでも引き留めてもらいたかった、電話とか、出かけたりだとかをやめてほしかっただけだった。
だけどブロックしたらもう終わり。
そんなもんだ。
高校も違うし。
そうすると僕に何が残るか。
なんにも残ってなかった。
何か趣味を始めてしまえば好きな人といる時間も短くなるし、彼女がいるなら何もいらないと思ってた。
もともと人と話すのも苦手だったし。高校でも友達なんて作ってなかった。
それでもよかった、付き合ってた頃は。
平日にLINEして、休日に会う。その繰り返しが好きだったから。
そうやって相手に依存しすぎるのも重いだろうけど、彼女はそれがいいって言ってくれてたから。
僕には何もない、でも向こうはコミュニケーション能力が高いから平気だろうな。
出会ったころから彼女は友達も趣味も多かったしな。
僕がいなくても穴はすぐに埋まるんだろうな。
依存する以外に方法がないなんて、それをすべて彼女のせいにするなんてできないな
僕が楽なほうに逃げてたんだ。
尊敬する相手が自分の事を好きだって言ってくれて。
受け取ってるだけだもんな。
僕は努力してなかった。
努力はしません、でも好きでいてくださいなんて身勝手だよな。
こんな状況になっても僕は、ただ部屋にこもるしかしてないんだから。
多分、きっと、僕は、この先そうやって生きていくんだろうな。
こんな僕はこの先何も得ないだろうな。
うん、それなら一つ、他の人が経験してみないことをしてみよう。
そこまで考えた時から、ぼーっと歩いてきた。
さあ、この屋上から飛んでみようか。