Double E (ダブルE)
↓現在通信可能人物(女=F、男=M)↓
No.1エデルミラ(F)
:エリア全体の連絡と指示を担当。通信エリアの一人。
No.2ミルドレッド(M)
:エリアDの担当者。
No.4ジュウゾウ(M)
:エリアBの担当者。
No.6リデオ(M)
:医療エリアの担当者。医者。人間に限らず、さまざまな生物を治すことができる。
この世界に悪が現れたのは、いつのことなのか、私は知らない。
悪が本当にいけないものなのかも、未だに分からない。
けれど、今の私には責任がある。
悪から少しでも、正義の存在を守ること。そして正義から少しでも、悪の存在を守ること。
それが正しいのかどうかは分からない。けれど、今日も私達は正義と戦い、悪と戦う。
この悪の組織、Evil Educatorの一員としてーーーー
「エデル、今日の検査はこれで終わりだよ。」
・・・ん?リデオの声・・・?私は・・・あぁそうか、今日は月に一度の定期検査に来ていたんだった。
「・・・あぁ・・・すっかり眠ってしまってた。」
「お疲れ様。後日結果を渡しに行くから、異常があればまたその時に呼ぶね。・・・にしても、この検査ではみんなよく眠るなあ。そんなに検査台は心地よくないだろうに。」
医者のリデオが、固い検査台を指で叩きながら笑うのにつられて、私もつい笑いがこぼれた。
「ふふっ、いつもよりも静かな部屋だからついつい眠ってしまうのよ。最後のこれは他の検査よりも検査時間が長いから余計にね。それに、眠っていた方が、じっとしていて検査もしやすいんじゃない?」
「エデルとか、他の何人かは良いんだけどね。シルヴィアとグラディスが少し問題だよ。シルヴィアは寝相が悪いから、検査中に何度も検査台から落ちるし、グラディスは防音ガラスが機能しないぐらいのいびきをかくしさ。」
「ふふっ」
「笑い事じゃないんだよ?」
「ふふっそうね、じゃあ私は仕事に戻るわ。」
「うん。ああそうだ、レッドにエリアのメンバーを検査に連れてくるように、連絡しておいてくれるかい?」
「分かったわ。」
検査室の扉を開け、廊下に出ると、空調とは別のまとわりつくような寒さが、身体を包み込んだ。息のし辛いその空気を強く感じる方へ目を向けると、廊下の隅に、うっすらと黒い何かが、ゆらゆらと横に揺れていた。
「・・・今回はなに?」
目を凝らすと、徐々にその黒いモノが姿を現す。・・・女性の「ゴースト」だ。一般に言われる「お化け」という者達を、私達はまとめてそう呼ぶ。彼らは「幽霊」ほど怨念が強くなく、意思の疎通も「幽霊」よりはしやすい。ちなみに「幽霊」のことは「スピリット」と呼ぶが、彼らは怨念が強い分、意思の疎通が困難になる。そして、「ゴースト」がこうして自分の姿をはっきりと現す時は、相手に警戒心をあまり抱いていないという意思の表れらしい。
「どうしたの?あなたゴーストよね?どうしてここにいるの?」
なるべく優しく、ゆっくりと話しかける。距離も声が届く範囲で止まり、必要以上には近づかない。
そして答えを静かに待つ。
<・・・ぁ>
「・・・」
<・・・道・・・分カラナクナッタ・・・>
「なんだ、迷ったのね。今ジュウゾウ呼ぶから、待っててくれる?」
<・・・ぁ・・・ジュウゾウ呼バナイデ・・・>
「・・・ん~・・・分かったわ。じゃあ、私についてきてくれる?」
<分カッタ>
「ゴースト」が私の後ろについて、リデオの小さな医療施設から出たところで、私は腰についた通信機器のスイッチを入れた。
ピピッ
「こちらエデルミラ。レッドはいる?」
『こちらミルドレッド。どうしたエデル?』
私達のいる組織、ダブルEの施設には、六つのエリアがある。Aエリア、Bエリア、Cエリア、Dエリア、そして医療エリア、通信エリアの六つだ。今通信している相手の男は、Dエリアの代表ミルドレッド、愛称はレッド。
「レッド、リデオから伝言よ。エリアのメンバーを検査室に連れて来てほしいと言っていたわ。」
『分かった。今から連れて行く。』
「それじゃあ頼んだわね。」
『・・・エデル。』
「なに?」
『・・・後ろにスピリットでもいるのか?』
レッドは勘が鋭い。通信機ごしにも気配を察する程のものだ。
「ええ、今道に迷ったゴーストに会って、これからエリアに送っていくところよ。」
『そうか。気をつけろよ。』
「大丈夫よ。いいから早くリデオの所に行って。」
『ああ。』
「以上。」
レッドが何かもごもごと言っていたが、聞こえないふりをして通信機のスイッチを切る。
「さあ、行きましょう。」
<・・・アリガトウ。>
私達は、「ゴースト」と「スピリット」の過ごしている場所、Bエリアを目指して、また歩き・・・進み始めた。
「ゴースト」は歩かないんだったわ。
ダブルE:
悪の組織。Evil Educator「悪の教育者」の頭文字からできた、通称。「ゴースト」や「スピリット」その他多くの生物を管理している。
エリアB:
「ゴースト」や「スピリット」(幽霊)が管理されているエリア。ジュウゾウが中心となって管理している。
エリアD:
「ヒューマン」を管理しているエリア。ミルドレッド(通称レッド)が中心になって管理している。
以上。
みなさんこんにちわ。祭狐です。
更新が一日遅れてしまいました。
すみません。
まだ設定が分かりにくいし、人物も分からないカンジだと思いますが、徐々に説明をしていきます。(それでも理解できないという場合は・・・作者の文章力のなさの問題ですので、ぜひ遠慮なくご指摘下さい(笑))
次回もよろしくお願いします。
祭狐