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ふたりは其の妖祓と申し候―永遠の妖狐―  作者: つゆのあめ/梅野歩
【参章】夜の静けさに攫われて
62/84

<二十>この夢も今日限りのうたかた



 大きな足音を立て、廊下を一直線に走っていた朔夜は飛鳥と縋る思いで座敷に向かう。


 赤狐が対となる白狐を迎えに来た。嗚呼、まさか、そんな……いや本当は何処かで来るのではないかと予想していた。何故なら白狐の友人と名乗る雪童子が、必ず同胞を迎えに来ると断言していたからだ。妖の世界に返して欲しいと申し出る比良利の言の葉に恐怖を覚えながら、部屋の前に立つと襖に手を掛ける。


「ショウ!」


 座敷に飛び込むと、


「なんだよ煩いな」


 寝起きであろう上体を起こして翔が目をこすっていた。心の底から安堵する。幼馴染はちゃんと部屋にいた。

 彼が此方に視線を流してくる。二人の持っていた法具に目を削ぎ、「へ?」間の抜けた声を上げていた。


「な、なんだよ。二人して……物騒だな。今から妖でも退治に行くのか?」


 だとしたら、悲しいけれど。翔は持ち前の耳を垂らしてしまう。


「あ、あぁあ……ごめんごめん。ちょっとね。なんでもない。今仕舞うよ」


 静かに襖を閉めると、数珠をスラックスのポケットに捩じり込む。

 興味深げに自分達を観察してくる妖狐は、やや疑心を向けているようだ。それは己を傷付けるかどうかではなく、妖を祓いに行くかどうかを見定めるための疑心。まさか学校の帰路で妖に襲われたのか? 疑心が憂慮に変わる。本当に何でもないのだと綻び、翔の前で両膝をつく。

 今宵も五行星の結界に閉じ込められている幼馴染は、何気なく窓辺に視線を流す。ほぼ暮れている空を見つめ、ゆらゆらと三つの尾を揺らした。


 嗚呼まずい。五感が鋭い狐だ。遅かれ早かれ、赤狐の強大な妖力に気付いてしまう。


(念のために窓の鍵は閉めておこう)


 朔夜は窓に向かい、鍵をしっかりと閉める。

 とにかく翔を部屋から出さないようにしなければ。そして妖達が迎えに来たことを悟られないようにしなければ。同胞が迎えに来たと知れば、きっと彼の心は揺れる。どんなに自分達の傍にいたがる彼でも、妖への仲間意識は既に息づいているのだから。


「夜が来る」


 翔の呟きと共に、彼の体が光り始めた。連動するように狐の耳が、尾が、徐々に薄れていく。妖気が消えていく。

 これは、息を飲む朔夜と飛鳥を見つめ、翔は大丈夫だと眦を和らげる。


「今夜は俺にとって“静の夜”。半妖の俺にとって、今晩はお前達と同じ種族に戻る日なんだ」


 ほら、白狐の象徴である三尾が消えていく。耳が消えていく。鋭い五感は人間並みまで下がり、二人の霊気が分からなくなっていく。

 二人の手を各々取った彼は「人間に戻るよ。今戻るから」そう告げて、瞼を下ろす。明滅する体の光が弾ける。


 同時に完全に耳と尾が消え、あれほど感じていた妖力が姿を消した。


 ただの人間と化した幼馴染は久しぶりに人間に戻ったと二人の手をやんわり握り、「お前達の霊力が全然分かんね」一ミリも感じないことを教えてくれる。二人の匂いも分からないし、音も人並みにしか聞こえない。翔の一笑に、つられて一笑を返す。


 そうか、半妖には人間に戻る日もあるのか。

 これから先も翔が半妖であり続けられるのならば、完全な人間として過ごす一夜が来る。


 些少だが希望が見えた。半妖には人間に戻る日がある。

 それはつまり、人としての心を持つ時間が設けられるということ。どうにか幼馴染を半妖のままでいさせれば、彼は、幼馴染は。

 思いを寄せていると翔が布団から抜け出し、五行星の結界から出る。人となった翔にとって結界は何の意味もなさないのだろう。「痛くねぇや」両手足に貼られた呪符を嬉しそうに触る翔に微笑を向ける。

 白狐の五感が鋭くない今、座敷に彼を置いておくだけで良さそうだ。人間と化した翔に、妖の存在が気付ける筈もない。


 飛鳥が視線を送ってくる。朔夜は頷き、今晩は翔を此処に置こうと目で合図する。

 熾烈な戦いをしているであろう長達のことは心配だが、伊達に妖祓長をしているわけではない。間もなく父達も来ることだろう。自分達は幼馴染を守ればいい。


「尻尾がないって変な感じ。耳も顔の横にある。これが人間の俺なんだよな」


 両手を見下ろす翔は十余年も人間として暮らしてきた筈なのに、人間より妖の方がしっくり来ると肩を竦める。

 「何を言っているのショウくん」飛鳥が諌めると、翔は曖昧に笑ってすくりと立ち上がる。迷わず窓辺に向かう彼を止めるべく声を掛けると、「約束を果たそうか」人間の今なら二人と約束が果たせそうだと翔。

 窓枠に手をかけて空を見上げる幼馴染に違和感を覚えるが、近付こうとすると彼が背中で拒絶を示した。


 約束とは? 飛鳥がおずおず尋ねると、「いつか話すって言ったじゃんか」春休みに入る前に結んだあの約束だと翔は明るい声で伝えた。


「お前達にいつか必ずと話すと言ったよな。俺がお前等に作った最初で最後の隠し事――それは俺が妖になってしまったことだった。あの日、俺はお前達を尾行していた」


 幾度となく揃いも揃ってドタキャンされ、腹を立てた翔は二人を尾行してやろうと思いつく。

 幼少から二人の間柄に何かがあると常々感じていた翔は秘密を暴いてやろうと実行に移したのだ。もしかして付き合っているのでは? 疑心を抱いて二人を尾行した結果、掴んだのは未知なる世界だった。

 化け物に数珠を向け、呪符を放り、念を唱えて調伏する幼馴染達に衝撃を覚えた。

 まずあの化け物はなんだ。数珠や呪符を持っている二人は霊媒師だったのか。恐怖をもろともせず化け物を祓う二人は何者なのだ。混乱、戸惑い、恐れ、そして大きな空虚感が自分を襲った。長い付き合いだったのに、それこそ自分達の間に隠し事はなしと言っていたのに、二人はこんなにも大きな隠し事をしていたなんて。


「抱いたのは疎外感だった。ほら、俺って馬鹿みたいにお前等に執着しているだろ? だから余計に落ち込んで。独り善がりもいいところだな」


 何でも言える関係でありたかった。否、二人とはきっと無二の関係でありたかったのだ。

 勝手に落ち込み、不貞腐れ、機嫌を損ねていたその直後に妖に襲われてしまう。見えない何かに襲われた恐怖は半端なのものではなかった。自分を救ってくれた妖狐がいなければ、今頃黄泉へ旅立っていただろう。


「皮肉だよな。お前等の秘密を知った夜に、今度は俺が秘密を作るなんて……まさかお前達を傷付ける存在になっちまうなんて」


 涙声になる翔に、なんと声を掛けて良いか分からない。

 幼馴染が妖になった原因は自分達にあったのだ。慰めの言葉が見つからなかった。


「今なら分かるよ、どうしてお前等が俺に隠し事をしていたのかが。だって俺もお前等に大きな隠し事をしていたんだから」


 スンと鼻を啜る翔は声音を震わせた。


「なんで俺がお前等に正体を隠していたと思う? 相手が妖祓だから? 信用できないから? 祓われるかもしれないから? ……違う。俺は嫌われることが怖かったんだ。お前等と一緒にいられない未来が怖かったんだ」


 だって二人は妖を祓う仕事をしている。

 その一方で自分は祓われる妖の身。妖と人は相容れぬ存在。正体を明かせば一緒にはいられないのだ。妖になったと告げることで二人に軽蔑されるかもしれない。嫌悪されるかもしれない。距離を置かれるかもしれない。それが怖かった。なにより怖かった。祓われる恐怖以上に。


「嫌われたくない。大好きなお前等にだけは嫌われたくない。もっと傍にいたい。共に過ごしたい。だから言えなかった。妖になった俺を嫌うお前等を目にするのが怖かったんだ!」


 一室を裂くような叫びが座敷に轟く。

 肩で息をする翔の胸の内に今しばらく何も言えなかったが、「だい、じょうぶだよ」相棒がようやく声を振り絞って答える。自分達は翔を嫌ったりなどしていない。確かに正体を知った時は多大なショックを覚えたが、今は平気だ。姿かたちは妖であろうと心は人だと知っている。人を襲う妖とは違う生き物だと知っているのだ。誰が嫌うものか。

 「ショウくんは今も人間だよ」自分達と同じ人間なのだと飛鳥。「そうだよショウ」だから安心していいんだよ、と朔夜。 


 努めて優しく言うと、俯いていた顔を持ち上げる翔がそっと顧みてくる。

 諦めたような、笑っているような、泣いているような、そんなしわくちゃの顔を作り、幼馴染はかぶりを振った。


「もう、俺はお前達の願いを聞いてやれそうにない。ごめん、ごめんな、お前等の気持ちは受け取れないんだ」 


 言うや否や、畳を蹴って二人に飛びついて縋る。

 驚きかえる朔夜と飛鳥に、「ごめん。ごめんな」翔は幾度も謝罪。そう言ってくれるのは嬉しいけれど、でも、もう無理だ。偽ることに限界を感じているのだと幼馴染は項垂れる。


「俺は三尾の妖狐、白狐の南条翔。元人の子の妖狐。心まで妖に染まっちまった元人間だ。もう人には戻れない。できることなら二人ともっと一緒にいたかった」


 けれどそれは叶わない夢だと翔は縋る腕を強くする。

 「妖になってごめん」お前等の幼馴染は妖と化した化け物なのだと苦笑し、人間だった幼馴染は消えると声を湿らせる。否、あの夜に人間だった幼馴染は死んだのだと翔は洟を啜った。

 何を言っているのだと朔夜は怒声を張った。気持ち一つで人にも妖にもなれると言ったではないか。妖の血に屈してしまえば、本当に妖になってしまう。ここで希望を捨ててしまったら、何もかも終わりだと朔夜は顔を顰めた。

 飛鳥も思わず背に腕を回し、相手を叱った。どうしてそんなにも寂しいことを言うのだ。自分達は嫌わないと言ったではないか。


 これからも一緒にいるのだ。

 共に学校に通い、受験生として勉学に勤しみ、下校に寄り道をして遊ぶのだ。それこそ花見をするという約束があるではないか。弱気になるとそれがすべて霧散してしまう。それでいいのかと彼女は相手に詰問。暗い一室の中、顔を上げた翔が淡く笑った。


「寂しい。本当に寂しい。俺とお前達は今、おんなじ人間なのに、お前達のことは今もこんなに大好きなのに、時々人の価値観が理解できなくなる。とても寂しいよ」


 でもそれ以上に妖の世界に帰れない、この状況が寂しい。

 どうか仲間に会わせておくれ。どうか自分を妖の世界に帰しておくれ。どうか人の血が薄れ、妖の血が濃くなる自分を忘れておくれ。どうか不肖の身となった自分を恨んでおくれ。嗚呼、妖と人は相容れることのできない存在。自分達も相容れることはできない。なんて寂しいことだろう。寂しい。とても寂しい。


 切々に謳う翔が呆けている朔夜と飛鳥にそっと「ありがとう」と、「さようなら」と、「幸せだった」を笑顔で伝える。稲荷寿司、本当に美味しかった。世話してもらった恩は忘れない。二人と過ごした日々は絶対に忘れない。

 頬を崩す翔がおもむろに窓辺に視線を流した。瞬きをして外の向こうを見つめる幼馴染の心情を察し、朔夜が強く腕を握り締める。


「駄目だよショウ!」


 行ってしまっては取り返しがつかなくなる。行ってしまっては駄目だ。駄目なんだ。

 繰り返す朔夜に、「飛鳥のこと。頼むな」変な男に捕まらないよう見張っとけよ。彼は片目を瞑って一笑を零す。自分がするべき役だとかぶりを横に振り、飛鳥のことが好きなのではないか。彼女が誰かに、それこそ自分に取られていいのかとしゃくり上げる。翔はお前なら許せる、と肩を竦める。

 どちらにせよ元々勝負にはならない初恋だったのだ。朔夜ならきっと受け入れられる。呟く彼はちょっとだけ不機嫌そうだ。


 「勝手すぎるよショウくん!」涙声で抗議する飛鳥に、「お前は朔夜ラブだろうよ」これからも朔夜を追い駆けていろよ。お前にはその姿が一番似合うし輝いている。ふふっ、と翔は笑声を漏らす。



「ごめんな二人とも。俺はやるべきことが見つかったんだ。今までお前等について行くだけだったけど、自分のことで優柔不断になっていた俺だけど、やっと自分に何ができるか分かったんだ――俺は帰る、妖の世界に。そして生きていく、妖の世界で。お前達とは別の世界で」



 次の瞬間、朔夜は翔に腕を振り払われ、反対に掴んでいた手を取られる。

 力の限り引き倒され、飛鳥の方へ体重を崩してしまう。華奢な相棒は非力ゆえ朔夜の体重が支えられず、二人して畳の上に倒れた。

 飛鳥を下敷きにしてしまった朔夜は、「ごめん」大丈夫かと肘を立てる。拍子に眼鏡が落ちた。普段なら近いと悲鳴を上げて焦るところだろうが、彼女は簡単に大丈夫だと返し、倒れたまま脇をすり抜けていく幼馴染の名を呼ぶ。

 急いで眼鏡を拾い窓に目を向ける。翔は腕に貼られた呪符を剥がし、触れることの出来ない襖に手を掛けて躊躇なく廊下を飛び出した。


(しまった。人間に戻ったショウに魔封の呪符は効かないんだ!)


 人間の彼ならば窓に鍵を掛けていても、襖から出られる。五行星の結界を潜り抜けた時点で気付くべきだった。

 畳を拳で叩き、急いで身を起こす。「ショウ!」幼馴染の足音が玄関先に向かっている。急いで玄関に向かうと、鍵を開けようとしていた翔が二階へ続く階段を上り始めた。


 彼が飛び込んだ部屋は一夜が使っていた自室。


 今は物置小屋として使用されている。閉められた襖を開けようと引けば、何かが突っかかっていて思うように開かない。戸枠に物でも置いているのだろうか。それとも中で押さえているのだろうか。


「朔夜くん退いて!」


 追って来た飛鳥が強行突破だと叫び、襖を容赦なく蹴り倒す。

 「まーじかよ!」窓枠に足を引っ掛けていた翔もこれには瞠目、そりゃないだろうと嘆きを口にしながら雨樋に素足をのせていた。「ショウ!」窓に駆け寄れば、屋根を懸命に伝っている幼馴染の姿。半べそになりながら彼は喝破する。


「てめぇ等絶対来るなよ! 今来たらただじゃ済まなくなるっ、俺が! 二階でも下手すりゃ骨折するぜ!」


 来るなと言って諦める馬鹿が何処にいようか。

 妖の世界を選んだ幼馴染を今ここで捕えなければ、二度と彼に会えなくなる。会えたとしても、今度は別の関係となってしまっている。

 朔夜は雨樋に足を引っ掛けると、高所など見向きもせず翔の後を追う。これくらいの高さは仕事をしていれば慣れるもの。あっという間に距離を詰めると、「ショウ!」手を伸ばして相手の腕を掴む。慌てて翔は振り払おうと腕を振った。


「く、く、来るなって! ここで暴れると俺が落ちる! 俺が! 俺が!」


「なら、おとなしく僕達の下に戻って来るんだ。今なら冗談で済ませてあげるから」


 それも嫌だと幼馴染は声を張り、懸命に腕を振って朔夜の手から逃れようとする。

 暴れる翔に焦れて怒声を張るものの効果はいま一つ。翔は本気で妖の世界に帰ろうとしているようで、無理やり前進しようと足を動かし始めた。

 隣の窓枠に彼がへばりついた時、「ショウくん!」先を見越した飛鳥が窓を開けて手を伸ばす。彼は悲鳴を上げて両手を放しそうになっていた。大慌てで飛鳥が彼の左腕を掴み、朔夜が掴んでいる右腕で支える。世話の焼ける逃亡者である。

 掴んだ腕をしっかり握った飛鳥が持ち前の力で引き上げようと試みる。窓枠にしがみつき、翔が必死にそれを拒んだ。朔夜が背を押すとますます枠にしがみつく。


「ショウくんの分からず屋! 早く上ってきてよっ、落ちて怪我しても知らないよ!」


「今日しかねぇんだ。俺が人間になる今日しか帰れる日が……妖狐になったらまたあの座敷行きだ。それだけは嫌だ!」


 座敷には戻りたくないと翔。

 だったら自分達がそう直談判するから、馬鹿な考えはよして部屋に入るよう説得をする。

 それに対してもかぶりを振る翔は、「もう無理なんだ」人間としてでは生きられないと声音を張り、勢いをつけて二人の手を払う。朔夜と飛鳥が怯んだ隙に目前の屋根に飛び乗った翔は、てっぺんを目指すべく別の雨樋を掴んで素足でよじ登り始めた。

 舌打ちを鳴らし、朔夜も屋根に飛び移る。ぎこちない手つきで雨樋をよじ登る翔に対し、朔夜は難なく後を追った。


「妖祓は忍者かよ。なんなのお前! その身のこなし、マジなんなの! 今までその身体能力を隠してやがったな!」


「無駄口叩く暇はないから」


「……お前のガチな目が怖い。妖祓怖いんだけど」


 泣きべそを連ねる翔は四肢をバタバタさせて真上の屋根によじ登ってしまう。

 すぐさま朔夜も屋根に上ると、翔は座ったまま滑るように屋根を移動。

 端に辿り着くと壁付のアンテナに掴むと震える足腰を直立し、その場で立ち上がる。屋根の上では平衡感覚がつかめないのだろう。アンテナから手が離れることはなかった。夜風が吹くと幼馴染は身を硬くしてしまう。屋根に立つだけでも一苦労しているようだ。朔夜のように場慣れはしていない。


「ここまでだよ。ショウくん」


 追って来た飛鳥も屋根に立つ。

 もう逃げ道はないと逃亡者に告げ、自分達はすぐにでも駆け寄って捕まえることができると脅す。

 ぶるっと身震いをする翔は捕まえられるものなら捕まえればいいと返事をし、ぎこちない動きで顧みてくる。表情は限りなく寂しそうだった。


「俺達はそうして捕縛する者、捕縛される者として互いに別の道を生きていく。お前達は妖祓として、俺は妖として、その道を生きていく。これは運命だ」


「ショウ。君が妖の世界に行くのなら、ご家族はどうなるんだい? 君のお母さんは毎日のように泣いているんだよ。最愛の息子が目覚めない現実に嘆いているんだ。君はご両親さえ捨てるのかい?」


 翔は静かに瞼を伏せ、「人間の俺は死んだよ」南条夫妻が愛する息子は死んでしまった。如月の月夜に。人間から妖に種族転換してしまったのだと声音を震わせる。

 家族を思うと心揺らぐのだろう。更に心を揺らがせようと、飛鳥が友人達も目覚めを待っている旨を伝える。翔とつるんでいた悪友も頻繁に見舞いに来ている。彼さえ捨てるのか? それこそ幼馴染の自分達でさえ、非情に捨ててしまうのか? 詰問すると翔は淡い笑みを浮かべた。

 「そりゃつらいよ」捨てることに未練がないと言えば嘘になる。これまで培ったすべての宝を捨てる勇気は計り知れない。正直者は正直に気持ちを教えてくれる。


「でも、俺には俺の生きるべき世界がある。妖祓のお前達なら分かってくれるだろう?」


 妖は人の世界ではしごく生き難い存在、宝珠の御魂を宿す妖狐なら尚更。自分が此処にいては争いの火種にしからならないのだと翔は腹部に手を当てある。

 自分は白狐、宝珠の御魂を授かった妖狐、そして天命を賜った白い狐。瘴気の一件を聞き、自分のすべきことを見つけてしまった。成すべきことが自分にはあるのだと彼は明言する。


 彼の生きる道がどのような道なのか、嫌でも気付いてしまった朔夜は妖祓と対峙するのかと問う。

 それこそ命を狙われる立場に自ら立とうと言うのか? 焦燥感を交えながら、翔に喝破すると彼は柔和に目じりを下げた。笑顔が答えを教えてくれる。嗚呼、彼は進もうとしているのだ。宝珠の御魂を宿した身上を理由に、妖達を統べる神職の道を。

 だから彼は自分達に「ありがとう」なのだ。「さようなら」なのだ。「幸せだった」と告げるのだ。


 居ても立ってもいられなくなった朔夜は握り拳を作ると、屋根の傾斜を諸共せずに駆け出す。

 先ほど述べた相手の挑発通り、半ば無理やり相手を捕縛するために手加減はしない。

 アンテナを握る右手の小手を払うと胸倉を掴み、屋根の上に引き倒す。突然のことに眼を見開く翔の鳩尾に肘鉄を入れ、急所を鋭く突く。

 所詮、幼馴染は戦闘の素人。敵である相手に油断を見せ、簡単に隙を作ってしまうド素人。幾年も妖を祓ってきた自分達の敵ではない。言葉にならない声を漏らし、顔を歪める幼馴染が呼吸を詰める。肩で息をする朔夜は「お前は馬鹿だよ」本当に馬鹿だと吐き捨てる。




「どうして僕達がここまでお前を引き留めるのか、無い頭で少しでも考えろよ。お前だけじゃないんだ。ショウ、お前だけじゃ……」




 幼馴染の関係を大切にしていたのは、お前だけじゃない。

 失いたくないのだ。自分も、飛鳥も。心身妖狐になる幼馴染を見ていたくない。

 奥歯を噛みしめる朔夜の隣に飛鳥が膝をつき、


「帰ろうショウくん」


 四肢を放る彼の右手を握る。あの頃のように三人で過ごせるよう、自分達は努力する。だから安心して人の世界にいて良いのだ。彼女が言葉を投げかけると、焦点の合っていない瞳が揺れ、空いた手がゆるりと天に向けられる。


「夜は妖の時間……妖の社に……俺もそっちに……」


 嗚呼。

 目前の半妖は自分達の手を、どうしても取ってくれない。どうしても妖を求めてしまう。

 飛鳥が一緒にいよう。これからも一緒にいよう。妖の世界に飛び込んでしまえば、今以上に妖祓に狙われる可能性だってある。自分の家だって例外じゃない。妖祓に祓われる幼馴染を目の当たりにしたくないのだと説得しても、翔はただただうわ言のように繰り返す。妖の世界に帰りたい、と。


 見ていられなかった。


「ごめん」


 くしゃくしゃの顔を作ったまま朔夜は腹部に手を沿え、再び鳩尾を突き、今度こそトドメをさす。

 挙がっていた手が力なく放られた。意識を失う翔の手を折り畳んでやり、泣きそうな顔を作っている飛鳥に戻ろうと声を掛ける。今度は自室に彼を置く、その旨を伝え、翔が目覚めたらもう一度冷静に話し合おうと案を出す。今の自分達は感情的になり過ぎている。


「北の神主が傍にいる。じいさま達が相手にしてくれているとはいえ、見つかったら危ない。飛鳥、手を貸してくれないかい?」


 首を縦に振る飛鳥は答えられる状態ではないようだ。

 おかげで朔夜はかろうじて冷静にいられるのだが、辛酸な現実に本当ならば匙を投げたい気分だ。どうしてこんなことになってしまった。どうしてこんなことに。



 刹那のこと。

 子の方角の空から妖気を感じた。弾かれたように顔を上げると、巨体な銀色の狐が朔夜と飛鳥に猪突してきた。あれはいつぞかの公園で見た銀狐。その上に跨っているのは巫女装束を身に纏った黒髪の少女。姿かたちは人だが、まぎれもない狐の化け物だと持ち前の尾と耳で分かる。両者とも妖狐だ。


 少女が指に挟んだ癇癪玉を放って此方の視界を奪う。

 舌打ちを鳴らし、朔夜は数珠を翳して煙幕を祓うために術を発動させる。霊気で吹き荒れる風により、視界はすぐに晴れた。

 目と鼻の先にいる妖狐達が確認できる。朔夜に突進する巨体な銀狐に対し、少女が手を伸ばして翔の腕を取ろうとしていたため、飛鳥が急いで呪符で対応。あちらも狐火で反撃した結果、妖力と霊力がぶつかり、凄まじい突風が生まれた。


 結果、失神している少年の体が滑っていく。落ちる前に失速し難を逃れたものの、うつ伏せとなっている彼の片腕は屋根からはみ出して地に垂れ下がっていた。

 早く引き上げなければ目覚めた彼が誤って落ちてしまう可能性もある。そうは思えど、屋根に下り立つ少女と銀狐が向かわせてくれそうにない。


「お前達は」


 朔夜は眉根を寄せる。

 能面を作る巫女は凛と澄ました顔で妖祓と対峙した。


「名は一尾の妖狐、キタキツネの青葉。またの名を七代目南の巫女と申しまする。こちらは南宝珠の神使、銀狐のオツネ。我等は“月輪の社”を守護する者」


 彼女、妖狐の青葉は簡単な自己紹介を済ますと脇目も振らず、気を失っている翔へ疾走する。

 急いで朔夜が彼女の前に回る。青葉の縦長の瞳が膨張する。警戒心を向けているのだろう。持ち前の体毛を逆立った。「無用な戦はしたくないのですが」目を細める巫女に、「同じく」朔夜は数珠を握り締める。


「宝珠の御魂を返して欲しいなら、ショウの体内からさっさと抜き取ってしまうといい。その過程は見逃してやる」


 妖祓長に顰蹙を買うだろうが、朔夜と飛鳥にとって優先順位は幼馴染だった。

 すると彼女。「妖祓はあろうことか同胞を幽閉しました」これは見過ごせない事態だと物申し、尾の周りに妖気を溜め始める。


「此の地に彼の生きる場所などありませぬ。おざなりで解放しようと、何かあれば必ず彼は妖祓に捕縛される。比良利さまはそれを懸念しております。だから翔殿は我々が連れて帰ります。彼は既に我々と同じ血を持つ妖なのですから。オツネ!」


 巨体な体躯を持つ銀狐が駆け出した。

 飛鳥が獣の後を追うが、銀の妖狐は見る見る体躯を小さくしていき、ただの狐と変わらぬ大きさに縮む。

 妖には三種類、型があると言われている。一つは人間そっくりの容を保つ人型。一つは獣そのもの容を保つ獣型。そして最後に本来の姿と呼べる妖型。銀狐は獣型に変化したようだ。人よりも速い足で翔の下に辿り着くと、すぐさま妖型に変化し、彼の腕を甘く銜えた。

 「させない!」飛鳥が数枚の呪符を放つと、銀狐は獣型に変化して器用にそれらを避けてしまう。グルル、姿勢を低くして唸る銀狐は邪魔をするなと言わんばかりに牙を剥き出しにした。


 一方、朔夜は巫女と同着で術を発動する。

 燃え盛る青い狐火を放つ青葉に対し、連なる珠の輪を右手に巻いて炎を霧散させる。

 この巫女はただの妖ではない。狐火だけでなく、様々な術を会得しているようで、炎が掻き消されると両手を突き出して詞を紡ぎ始める。


「我が巫女に従え。命宿す木の葉よ、自由に舞うがいい。木の葉の演舞!」


 空間を歪曲にさせた巫女は、周辺の民家から葉を呼び、四方八方にそれらを散らす。

 見る見る青葉の姿が木の葉に隠され見えなくなっていく。これは幻影の術か。良い腕前だと鼻を鳴らし、朔夜は数珠を鳴らして霊気を珠に集約させていく。


「天地陽明、四海常闇、満天下陽炎の如く成りけれ。さすれど一点翳成り。即ち祓除の刃を下さんとする。祓除の刃、即ち業火の制裁。雲散霧消!」


 暗紫に発光する数珠から光が放出され、目の眩むような紅の光と生まれ変わる。

 矢の如く、鋭い紅い筋を引いて無数の木の葉を貫くそれは幻影の術を容易く破り、巫女に猛威を振るう。

 しかし、彼女はこうなる未来を見越していたらしい。宙を返って紙一重に霊気の矢を避けると、静かに屋根に着地する。「なるほど」青葉は実力のある人間のようだと朔夜をまじまじ観察した。


「見た術は幾度目で物にしてしまう。貴方にはそのような才があり、私と似た洞察力を持っている。だからこそ厄介な存在だと言えます。時期、妖祓長と言ったところでしょうか?」


「勝手に人の未来を決めないでくれるかい? 僕はその道を目指す予定はないよ」


 背後で霊気と妖気がぶつかっているようだ。気の波紋が此方にまで伝わってくる。

 「何故。翔殿を守るのです?」青葉が疑問を投げかけてきた。彼を渡してしまえば、万事丸く収まる。北の神主も自分達も争いに来たのではなく、白狐を迎えに来ただけ。彼さえ渡してもらえれば、自分達は身を引く。無用な戦は避けられる。なのに何故彼を守るのか、巫女は能面を崩さずに朔夜を見つめる。

 「お前達こそどうしてだい?」宝珠の御魂が彼を選んだから、だから彼に固執しているのでは? 青葉を睨む。彼女は少し間を置き、「どうしてでしょうね」自問自答した。


「私にも何故、宝珠の御魂が翔殿を選んだのか、理由が見当たりません。彼に固執しているといえば、否とは言い難い……ただ翔殿は不思議な方です」


 相手の能面が微かに崩れる。少女らしい微苦笑が剥がれ落ちた。


「あの持ち前な明るさと、人を気遣える好さは思わず傍にいて欲しいと思ってしまうほど。彼の傍にいるだけで、今観る世界が広がる。そんな気がします」


 だから“躊躇い”も出てしまうのだと青葉は意味深なことを呟き、「彼は我々に必要な存在です」疑問を唱えた朔夜に答える。

 意表を突かれてしまう朔夜だったが、すぐに表情を戻し、ますます幼馴染を引き渡せなくなったと相手を見据えた。理由が似ているからこそ、引き渡せない。

 中庭から火柱が立つ。思わずそちらに目を向けると、玄人達が北の神主の放った狐火を防ごうと結界を張っている。人数では人間が優っているが、威力は妖達が優っている。伊達に長生きをしているわけじゃなさそうだ。苦戦を強いられている妖祓長を初めて見た。

 青葉も中庭を一瞥すると、「目的はあくまで戦ではありませぬゆえ」袂から癇癪玉を幾数粒取り出して、一粒を真上の空に天高く、残りを地上に投げ放つ。


 音を合図に巫女は再び朔夜に駆ける。

 懐に踏み込んで来る巫女の裏拳を手の平で受け止め、相手の目論見を見極める。

 思考がついて行く前に背後に感じる悪寒によって朔夜は固唾を呑んでしまう。ぎこちなく首を動かせば、和傘を差した赤狐が屋根の縁で喪心している幼馴染の前に下り立つ。


「しまった。今のは狼煙(のろし)だったのか」


 地上は白い煙幕によって視界を遮られている。妖祓長達ならばすぐに、視界を晴らすだろうが、その前に。

 巫女を相手にしている朔夜は飛鳥に救済を求めるが、彼女は彼女で銀狐の相手をしている。すばしっこい妖狐に苦戦しているようだ。余裕が見受けられない。

 「くそっ」顔を顰める朔夜の背後では比良利が片膝をつき、そっと翔を脇に抱える。未だに気を失っている幼馴染は微動だにしない。北の神主は慈愛溢れた笑みを浮かべる。


「白狐。やはり主は己の意志で部屋から出てきたか。自ら妖の道を選んだ今、主は真の妖となろう」


 さあ帰ろう、我等が生きるべき世界に。白狐の意志はこの赤狐が汲み取った。

 比良利が天高く和傘を掲げる。彼を軸に赤き風が吹きすさび、屋根にいる者達の動きを鈍らせた。

 一瞬の隙を見極め、朔夜は青葉の突き飛ばすと数珠の連なる珠を増やして二回りも三回りも大きくする。「妖縄妖縛!」伸びた数珠が和傘の柄に巻き付くと迸る霊力を注いだ。ダメージを与えられるとは思わないが、少しでも相手の動きを制することができると思ったのだ。

 風はそのままに比良利が和傘を引く。力負けしそうだ。朔夜は下唇を噛みしめた。姿勢を崩さない彼は朔夜の鋭い眼光を一瞥し、小さな笑声を漏らす。


「引かぬことを知らぬのう。敵わぬと分かっておろうに」


「お前の調伏なんて、どうでもいいんだよ。ただ僕は」


 脳裏に蘇る幾千の時間、半生以上朔夜は飛鳥や翔と過ごしてきた。

 これからも、そうであると願いたい。それだけなのだ。本当にそれだけなのだ。


「朔夜くん!」


 呪符を飛ばして銀狐と距離を取った飛鳥が助太刀にやって来る。

 数珠をしっかり握り、彼女もそれを引く。やはり北の神主は姿勢を崩さない。二人がかりでも駄目なのか。どれだけ相手の力が強大なのか、嫌でも察してしまう。

 次の瞬間、朔夜は瞠目する。傘の柄に巻き付いている数珠に第三者の手が伸びた。気を失っていた筈の幼馴染の手だ。ただの人である今の彼ならば、容易に霊気を帯びた数珠に触れられるのだろう。赤狐の脇に抱えられたまま彼は二人を流し見すると、力なく頬を崩して柄に絡まる数珠を解く。

 これが翔の答え、彼の選んだ道。大きな衝撃を受ける。土器で後頭部を殴られたような痛みが走った。


 柄から数珠が離れた瞬間、比良利は生み出した風に乗り、蛇の目模様の和傘を回して空へと舞う。腕に抱えた翔を連れて。

 それによって屋根にいた妖狐達も妖型に変化。各々狐の姿となり、北の神主の後を追った。地上にいた彼の連れである紀緒も空に昇り、上空から人間である自分達を見下ろす。


「ショウ!」「ショウくん!」


 幼馴染を呼んで少しでも気を引こうとするが翔は腹部をさするばかりで、顔を顰めている。どうやら鳩尾に相当のダメージを負っているようだ。加減をしなかったせいだろう。いや、あれは演じているのかもしれない。未練がましい気持ちを隠すための誤魔化しなのかもしれない。


「わし等の勝ちじゃのう妖祓」


 北の神主はご機嫌に笑声を漏らす。

 抱えた白狐を一瞥すると、玄人達に、そして朔夜達に意気揚々と声音を張る。


「三尾の妖狐、白狐の南条翔は確かに返してもらった。同胞は我等の手中にあり。白狐は妖の世界を望み、自ら人の世界に包まれたあの部屋から出た。これはなんびとも変えられない事実。この少年はもはや我等と同じ妖よ。立派な妖に成熟している」


 目的を果たした今、人の世界にいる理由は何もない。約束通り、おとなしく引き下がるとしよう。比良利が上空から妖祓達に向かって頭を下げる。


「縁があればまた会おう妖祓。我等は支配する暗夜に身を委ね、己の世界に帰るとする。人の世界は我等には眩しすぎる。突然の訪問失礼致した」


 北の神主が一声鳴く、それによって他の妖狐達も一斉に鳴声を上げた。

 人間の翔には人の容をしている比良利は視えても、他の妖狐達が視えていないようでギョッと驚き、挙動不審に周囲を見渡している。

 「待って、よ」空を翔け始めた妖狐達を見つめていた飛鳥が待って欲しいと叫び声を上げ、屋根の上にも関わらず駆けた。朔夜に相棒を止める考えはない。自分もまた激情に駆られ、妖狐達の後を追い駆けているのだから。


「馬鹿野郎。ショウの馬鹿野郎! お前は家族も、友人も、生きてきた世界も捨てて妖になるのかよ!」


 屋根の末端で足を止め、暗夜の空に喝破する。それはまるで咆哮のよう。


「だったら馬鹿だよ。お前はっ、本当に馬鹿だよ。ショウ――!」


 比良利が和傘を妖祓に向かって一振りすることにより、妖祓からより遠ざかるような大きな突風が生まれる。

 気流に乗った妖狐達は翔ける足を加速させ、人の世界を顧みることなく暗夜に身を投じる。


 嗚呼、妖が帰っていく。

 人とは違う世界に、自分達の生きるべき世界に帰っていく。

 そして消えていく。幼馴染だった彼が、自分達の前から静かに消えていく。夜風に乗り、妖狐達と共に消えていく。


 三人の関係は今ここに夢となり、まぼろしとなり、うたかたと散っていく。



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