ニンゲン様との散歩 ~人外天使とのほのぼのラブコメディ~
天使と暮らすってこの上なく幸せ
構造天使「ニンゲン様……おはようございます。」
起きると、今日もスーツ姿で私を見つめてくる天使がいる。
巨大な目玉が頭の、真っ白な天使。
構造天使「今日もニンゲン様は構造的に美しい…!」
この天使は、私の周りを回って賛美を送ってくれる。
これは、彼がセラフィムが故…?
でも、セラフィムにしては、人間に寄り添いすぎな設計だ。
ニンゲン「おはよ~構造天使。今日はね、遠い場所に行くんだ~!」
山とか海に行くっていうの、ちょっと恥ずかしいな。
構造天使「いいですね!行きましょう!」
そうして、彼と電車に乗ったり、歩いたりしていた。
ニンゲン「それにしても、高速道路って広いね!」
構造天使「高速道路は都市の骨格ですからね。」
構造天使はいつもそうだ。何か都市の上をなぞるような言動が多い。
ニンゲン「方向音痴な友達いて、苦労したことあったな~」
構造天使「この高速道路を基準にすれば大丈夫です。」
構造天使「高速道路は常に一貫しています。」
構造天使「ですので、自分を点とし、線のどの場所に位置するのか。」
構造天使「それさえわかれば、もう迷わないのです!」
GoogleMapよりも、親切な人外天使だなぁ…。
ニンゲン「あれっ?ここの駅で降りたけれど、道がふさがってる。」
ニンゲン「高速道路の果てに来ちゃったのかな…?それに、もう夜だ…。」
山「………。」
海「………。」
構造天使「ニンゲン様っっ!!!!今すぐ観測を遮断して下さい!!!!」
ニンゲン「大丈夫だって!駅はすぐそこにあるし、暫く眺めたら戻るよ。」
ニンゲン「あっ月だ!綺麗だなぁ~」
月「この重力定数が変わる時、地球に波を残すの。」
構造天使「ニンゲン様、その足は何があってもワタクシが止めますからね。」
構造天使「高次元の倫理の存在のワタクシの前にいなさい。」
ニンゲン「えっ…?」
この人外天使、カッコイイ…暗い夜、ドキドキしてしまう。これは恋なのか?
山「標高、木、地帯、崖…。」
海「標高、海抜、水位、距離…。」
ニンゲン「じゃあ、駅戻ろうか!」
こんなに構造天使のカッコイイ所、沢山みれたの初めて…!
構造天使「やれやれ…。」
構造天使「ニンゲン様は、この都市を測る大事な観測者なのですから…」
この冷えた氷は、電車内のシリコンのゴムの生ぬるさで中和された。
ニンゲン「そうなんだ…。」
少しだけ、寂しい。彼、素直じゃないんだから…。
構造天使「電車の中、まるで溶液ですね。人間の変動は、溶媒の変化で…。」
やっぱり、相変わらず人外だった。
そうして家に帰って、布団に潜った。
人間「今日も構造天使と暮らせるの幸せ。おやすみ…。」
構造天使「ニンゲン様、おやすみなさい…。」
構造天使「………。」
山「………」
海「………」
構造天使「………」
山「標高、木、分解者、エネルギー体…」
海「深度、散乱、含有率、濃度率…」
構造天使「680'0''N, 177°0'0''E、26%、…」
構造天使「728Hz,65%,100mol/L、…」
主人公保全協定、締結




