Sequel.
ワン トゥー スリー
彼はそう言って楽し気に雪原に踏み出した。
マネしなと言わんばかりに「ほら」と手を出している。
わん とぅー すりー
ぎこちないながらも真似してステップを踏んでみる。
心から楽しいと思える。
心から嬉しいと思える。
たまーに、君に会うこの時間が私の幸せのひと時になっている。
何も特別はいらない。
君と一緒に居る今、この瞬間が特別だから。
君が居てくれる、
その事実だけで胸が温かくなる。
私はこの長い、永い日々でずいぶんと人間臭くなってしまったみたいだ。
べつに、いやな気分じゃない。
それに、この白い姿も嫌いじゃなくなった。
彼が、褒めてくれたから。
よろこんでくれたから。
彼が私のこと、ちゃんと覚えていてくれたから。
ずーっと遠くに居ても、
おなじ月の下、そこには居るから。
私がおもい続ける限り、彼もおもっていてくれるから。
だからこそこのひと時に、特別を見出せる。
「ね、」
「...?」
「大好き。」
「ん、だいすきだよ。」
────会えてよかった。
......久しぶり
と言うにはあまりにぎこちない。
「...何度か会ってはいたけど...」
私には見えている
彼が私を突き放そうとしている。
ただ、
やさしかった。
「...どうして、私を遠ざけたんだい。」
「...そうするしかなかったんだ。」
......わかってるよ
「だったら何で...私の前に姿を現したの...」
「...待ってくれていたから...。」
......ちがう、そうじゃない。
「......」
「ぼく...ね、君と一緒に居られないんだ。」
......しってるよ
「......」
「だからわざと...君がぼくに失望してくれないかって...」
......私をなんだと思ってるんだ
「......」
「こうすれば君から離れてくれるんじゃないかって...」
......わかってるよ君の噓は...いつも優しかった
...でも、いま聞きたいのはそれじゃない...。
「ねえ、もういちど聞いてもいいかな」
そう、さいごでもいい
それでもいいから、これだけは聞いておかなきゃならない。
本当に言いたかったこと、聞きたかったこと。
「どうして私のところに、来てくれたの。」
「...うれしかったから。
この膨大な時間を、果てしない未来を信じていてくれたことが嬉しかったこと。もう一つは
......好きだから。
ずるいのは分かってる、本当はあの時きれいにお別れするべきだった...。」
────ありがと。
「そんなことない。
うれしいよ、やっときけたから。」
充分だ。
その一言だけで、かなわない恋も永遠の背中もなんだって許せる。
「それが聞きたかったの...ありがとう、だいすきだよ。」
「......っ! 大好き。」
これでいい
いや、これがいいんだ。
待っててよかった。
「...ほんとうにいいの?」
「もちろん、私はいつまでだって。」
「...ありがと。それなら、これからよろしくね。」
「うん、...また。」
そう、また。
でも、こんどは。
───ぅ...まぶし......
もう朝か...気分は悪くない。
彼は元気だろうか
忙しいだろうか
楽しんでいるだろうか
また会いたいな。
白い、穏やかな極彩色はただ
しずかに色を揺らす。
「......手紙、届いたかな。」




