1. 翼竜様類 Pterosauromorpha
翼竜類 Pterosauria は、爬虫類 Reptilia の中でも主竜類 Archosauria、主竜類の中でも禽頸類 Ornithodira に分類されています。禽頸類はさらに二つの仲間に分けられます。一つが恐竜類 Dinosauria を含む恐竜様類 Dinosauromorpha、もう一つが翼竜類を含む翼竜様類 Pterosauromorpha です。
┏鰐類
①┫ Crocodilia
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┃ ┏マンバキトン
┗②┫ Mambachiton
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┃┏匿竜類
┗┫ Aphanosauria
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┃ ┏ラゴスクス
┃ ┏④┫ Lagosuchus
┗③┫ ┃
┃ ┃ ┏シレサウルス科
┃ ┗⑤┫ Silesauridae
┃ ┃
┃ ┗恐竜類
┃ Dinosauria
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┃ ┏マエハリ
┗⑥┫ Maehary
┃
┃┏ラゲルペトン科
┗┫ Lagerpetidae
┃
┗翼竜類
Pterosauria
図1: 禽頸類の分岐図 (Nesbitt ほか [2017]; Ezcurra ほか [2020]; Kellner ほか [2022]; Nesbitt ほか [2023] に基づき作成)
①主竜類 Archosauria
②鳥中足骨類 Avemetatarsalia
③禽頸類 Ornithodira
④恐竜様類 Dinosauromorpha
⑤竜団類 Dracohors
⑥翼竜様類 Pterosauromorpha
翼竜様類に含まれるかもしれない動物として、今までラゲルペトン科 Lagerpetidae、スクレロモクルス Scleromochlus、マエハリ Maehary などの名前が挙げられてきました。
ラゲルペトン科は、三畳紀新世に生きていた小型の爬虫類です。北米、南米、マダガスカルから化石が見つかっています。ドロモメロン Dromomeron、ファシナリプテルス Faxinalipterus、イクサレルペトン Ixalerpeton、コンゴナフォン Kongonaphon、ラゲルペトン Lagerpeton などの属が知られています。今までは恐竜様類だと考えられてきましたが、2020年に翼竜様類だとする論文が発表されました (Ezcurra ほか 2020)。
スクレロモクルス・テイラーイ Scleromochlus taylori は、三畳紀新世に生きていた小型の爬虫類です。イギリスのスコットランドから化石が見つかっています。原始的な翼竜様類だとする考え (Ezcurra ほか 2020) や、そうでないとする考え (Bennett 2020) がありましたが、2022年にラゲルペトン科に含まれるとする論文が発表されました (Foffa ほか 2022)。
マエハリ・ボナパルテイ Maehary bonapartei は、三畳紀新世に生きていた小型の爬虫類です。ブラジルから化石が見つかっています。2022年に、ラゲルペトン科より原始的な翼竜様類だとする論文が発表されました (Kellner ほか 2022)。