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様類 -morpha と形類 -formes の和訳

 私は今までの頁で、翼竜のいろいろな分類群に新しい訳語を考えました。その中に「様類ようるい」「形類けいるい」という言葉がお尻にくっついているものがあります。それぞれ「-morpha」「-formes」の日本語訳です。


「-morpha」と「-formes」は、哺乳類や爬虫類の分類によく出てきます。「様類」「形類」「型類」などのいろいろな言葉に直されてきましたが、一部の先生方が訳語を定めようとしています。哺乳類の分類では、2003年に横畑泰志先生のグループが


「-morpha」→「形類」

「-formes」→「型類」


 と訳すことを提案しました (横畑ほか 2003)。恐竜の分類でも、2020年に冨田幸光先生のグループが同じ訳し方をしています (冨田ほか 2020)。反対に、


「-morpha」→「型類」

「-formes」→「形類」


 と訳す先生もいらっしゃいます。2021年に土屋健先生は「Crocodylomorpha」を「ワニ型類」、「Crocodyliformes」を「ワニ形類」と訳しました (土屋 2021)。


 ですが私は、「形類」と「型類」の使い分けを受け入れたくありません。辞書を引けば分るように、「形」と「型」はどちらも音読みが「ケイ」、訓読みは「かた」だからです。「ケイシキ」には「形式」と「型式」がありますし、「かみがた」は「髪形」とも「髪型」とも書きます。このような似通った字を使えば混乱がますます拡がってしまうのではないかと、私は勝手に心配しています。そこで私は


「-morpha」→「様類」

「-formes」→「形類」


 と訳すことにしました。


 翼竜の分類では、この他に「-oidea」という言葉もよく出てきます。「-oidea」は「ティラノサウルス上科 Tyrannosauroidea」のように、「上科」に当る分類群にくっつく言葉ですが、「ヒトデ綱 Asteroidea」や「ウニ綱 Echinoidea」のように、もっと大きな分類群にもくっつきます。冨田先生のグループは「Thyreophora」を「装盾類そうじゆんるい」と訳した上で、「Thyreophoroidea」を「装盾様類そうじゆんようるい」と訳しています (冨田ほか 2020)。


 私は「-oidea」を「状類」と訳しました。言葉の意味を考えれば「状類」でも「態類」でも「似類」でもなんでも良かったのです。ただ、「状類じようるい」の「じよう」は「上科じようか」の「じよう」と同じ音ですから、日本語を話す人にとって一番憶えやすいのではないかと考えました。

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