9/18
生まれながらの罪
赤い花は《再生》の色。青い花は《別れ》の色。
桃色の花は《嫉妬》の色。
黒い花は《慈しみ》の色。黄色い花は《幸福》の色。
紫色の花は《優しさ》の色。
神さまは咲き誇る花々それぞれに、役割を与えたのです。大切な大切な、生きるための道標。
ですが――――
白い花は【罪過】の色。
なににも染められず、なににも染まらず。
いつだってなにも見えていない。そう――――己の罪すらも。
哀れな白い花は、果たしてどこへ向かえばその存在を認めてもらえるのでしょうか。