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第二話

ふう、もうストックがなくなった・・・・(汗)

何もなく、何も感じない不思議な空間の中を、俺は唯々漂っていた。


(一体ここは…どこなんだ…)


不思議なことに意識を失った後も、思考が出来ている事に俺は驚いていた。なぜ未だに考える事出来ているのか不思議に思ったが、もしかしたらあの後救急処置で助かって次目覚めた時は病院のベットの上という事になっていないかと少し不安にもなった。


何せ死ぬと思って、あんな恥ずかしいセリフを言ったのに生きているという事になれば恥ずかしくてすぐにでも死にたくなってしまう。だがふと冷静に考えてみるとそれはそれで良いのかもしれないと思えた。

何せ死にかけて死を覚悟したとはいえ、生きているのなら次は諦めずに精いっぱい生きてやると言う覚悟で仕事も頑張れるというものだと前向きに考えるとこにした。そして改めて今の自分の状況が気になった。


(あれ、なんか最後に誰かの声が聞こえた気がしたが、まあ、今はいいや‥…それにしても‥‥マジでここは一体どこなんだ…?真っ暗で何も見えない、いや、微かに光を感じる…これは今俺は目を閉じているのか?)


とにかく意識があるのなら、そして恐らく意識があるという事は助かったのだろう。

そして今病院の病室で寝かされているんだろうなと思いながら俺はやけに重い瞼を開ける。すると真っ暗だった目に光が入り、俺は眩しさのあまり目を閉じてしまう。


(そろそろ、大丈夫かな)


それから何回か目を開けては閉じるを繰り返し、俺は目が光に馴染んだと思い、今度こそはと目を開ける。

眼を開けると光が差し込むが、何度か目を光に慣らしたお陰で光に眼はすぐに慣れた。

そして俺はいよいよ自分の眼で、今の自分の状況を確認する事にした。まず最初に見えたのは何処かぬくもりを感じさせる木の天井だった。


(あれ?あのあたりで木の天井の病院ってなかったような気が、まあとりあえずは次かな。よし横を向いてみよう)


どこかおかしいと感じながらも、俺は体ごと横を向こうとした。がそこで体にある違和感を感じた。体を起こそうとしても、頭を上に起こすことが出来なかった。


(おかしいな、首もやっちゃったのかな?なら・・・・首を横にってあれ?)


俺は首を横にしようと動かそうとしたが、なぜか動かせなかった。


(おかしいな、なら次は手を動かしてみるか。触覚なんかの感覚もちゃんとあるしこれなら大丈夫だろう)


俺はそう思い、試しに腕と指を動かしてみる。動かしてみるとちゃんと腕と指もちゃんと動いているのは分かった。

そして差し当たって、今の俺が一番気になる事、それは今の自分がどんな状態かという事だった。

誰かいないかと思い、俺は誰かいるのかと言ってみる事にした。


「あうあうううぅあ?」


‥…この瞬間、俺の頭の中にある単語が浮かんでしまった。「転生」と。この時俺はまだ異世界とは認めなかった。

俺は冷静に今まで(現状自分の状態だけ)の少ない情報だが考えてみる事にした。


(さて、まず今の俺の状態は、両手両足が動く感覚もある、それと視界も良好。そして首を動かすこと出来ない。)


ここで俺は気が付いた。(前世と仮定する)瀕死の状態になった俺が自分でも助からないと分かる程重症と言う名の瀕死状態だった。今更ながら良く意識が保ったなとこの時俺は改めて思った。

そしてこれだけの情報が集まれば否応がにも理解してしまった。

これが転生だと。


内心で衝撃と驚きでいっぱいいっぱいになっている時だった。扉の向こうから誰かがこの部屋に近づいて来る足音が聞こえた。


(誰かいるのか?)


扉が開く音がして、俺は動かない首を何とか動かそうとしたが結局動かすことが出来なかった。


「--**、#$%&%$。」


女性と思われる声の主が何かを言うと、俺へと近づいてきている事が足音で分かった。

そしてこの時俺はチャンスだと思った。自分で窓や鏡なんかで顔や今の状態を詳しく見る事が出来ないのであれば、声の主の目に映る自分を見ようと考えた。


(めっちゃ美人じゃん…)


そして覗き込んできた女性は‥‥今までまあ二十になる前に死んだから十九年だがそこまでの人生でも見た事がない程の絶世の美女だった。

まず目を引くのは光を浴びて輝く白に少し灰色が混じった銀色に輝く髪、瞳の色は髪と同じ銀で目元は優し気な印象を与えるたれ目、唇は健康的な赤。目鼻立ちも芸術品かの如く整っていた。そしてあまり見えなかったが抜群のプロポーションをしていると何となく分かった。

もし前世で見ていたら絶対玉砕覚悟でも告白していたと俺が思うほどの美人だった。

そしてこの時俺は内心で認めた。ああ、これは「異世界」だと。

何せ地球で、地方でもあったのでそれほど女性との出会いなんかはなかった。まあそれでも一年に一回ほど温泉か、友人と首都の方に旅行兼買い物に行ったりなどをしてそれなりにとは言わないが少しは知っているつもりだ。そして今、目の前の女性が多分俺の母親なんだろう、と思いながらもう半分で地球でこんな美人絶対にいないと俺はこの時確信したのだった。


(そうか、これが異世界転生か…)


何処か呆然としながらも頭の一部で冷静に状況を理解している自分がいるのを感じながらなんだか無性にため息を吐きたくなった。

だがそこで不意におれ心地いい眠気が俺を包んできた。

思い返せばこの世界で赤ん坊と目覚めた後も何かと考えたり警戒をしていたことでこの体に疲労が蓄積していたのだろう。


「―-?、□― ―#$。」


この美人が何かを俺に向かって言っているのが何となく分かったが何を言っているのかが分からなかった俺は若干申し訳ないと思いながらも俺は心地いい感覚に意識を手放した。




この世界にこの赤ん坊の体で目覚めて体感で二か月が経過した。

朝食を食べた後の心地いい眠りから目を覚ました俺は今いる自分の状態を改めて考え、今は自分がどのような状況かを理解していた。

まず、今の俺の状況は六畳ほどの部屋のベットに寝かされていた。

そしてこの部屋にあるのは本棚と机と椅子、小さいテーブルが一つという生活感はあるが殺風景というのがしっくりくる部屋だった。ついでに言えば地球で寝てた布団より少しばかりシーツの材質が悪いというのは良く分かった。


そしてこの二か月で俺自身に関しては少しばかり進歩していた。

まずこの世界で最初に目覚めたときには激しいノイズがかかって何を言っているのかが聞くことが出来なかった言葉を、唇の動きを読む、読唇術で(なぜ読唇術が出来るか、それは俺が実際一年近く声を出す事全く出来なくなってそれ以来声が出るようになると、自分と同じような口は動くけど言葉を話せない人の為にと頑張って習得した)何を言っているのかを理解する事が出来るようになったことだった。

そして耳をすませばこの家には使用人らしき人がいるのか、何かをはたくような音と、そろそろ昼食が近くなった時間に包丁らしき物がまな板を叩くいい音が聞こえてきた。‥‥聞いていると腹が減ってきたな。


そう、この世界に転生して、改めて赤ん坊になって分かったのだが、この体はひどく燃費が悪いという事が良く分かった。何せ体感で二,三時間ほど寝て目覚めただけなのに腹が空いてしまったのだから。

普段は主に母親と思しき美女が来てくれるのだ。だが忙しいのか、何かしらの場合はこの屋敷の使用人らしきメイド服を着た女性がそろそろ来る時間なんだけど…


そう思っている時だった。部屋の扉が開き、そこからいい香りがする。どうやら俺の昼ご飯を持ってきて

くれたようだった。もう少し遅いようであればやりたくはないが泣くという最終手段をとるべきかと俺は思案した時だったんで、タイミング的にはベストのタイミングだった。

おかげで社会人としての儚いが矜持を守ることが出来た。


さて今日俺の昼食を持ってきてくれたのは茶色の髪に黄色の眼で頭にはリスの様な耳とお尻辺りに尻尾がある獣人の女性メイドだった。

実はこのメイドの女性は見た感じ前世の俺とそう年が変わらないんじゃないかと思うほどに若かった。

見た感じでは元気いっぱいの女の子という感じだ。時に少女特有の無鉄砲さが出てそこをメイド長らしき人に(その人は俺には優しい)耳を引っ張られて涙目で退出させられるという、もはや芸人かと思うようなことを何度もしているが凝りもせずに何度もやるのだからもう俺は諦めた。

何となく年の離れた妹を見ているかのような温かい気持ちになった。


そして今日はその件の女性メイド、リリアーヌ(名前はメイド長の唇の動き読み取って理解した)が笑顔で俺の昼ご飯を持ってきた。そしてついでに言えば、言葉は分からなくても読唇術は使えるようだという事だった。


「□~*、―----!」


何やら元気いっぱいに言っているが、読唇術を使ってまで聞く必要はないだろうと俺は考え、唇の動きをあえて追わなかった。どうせやる事と言えば、今の時間が昼食の時間になるであろうという事、それはただ一つの事しかない。


「*■、―--」


俺はリリアーヌが差し出す昼食をパクパク食べていく。その様子をリリアーヌは楽しそうに見ていた。しかし俺は今はトマトの様な酸味によって味が絞められてさっぱり風味の昼食に夢中だった。だがそれがいけなかった。


「--ッ!」


突然リリアーヌが何か驚いたような、しまったッという表情を浮かべた、それと同時に俺に向かって何やら食器の様な物陰が迫っているのが見えた。


(マジかっ!この体じゃ…避けれない!)


俺は自分の体に痛みが走るのを覚悟した。覚悟してないで受ける痛みよりも、覚悟した後の方が痛みが少ない(持論)それと小学生の時に足の親指の爪の付け根から爪下にできた膿を出す為に生爪を麻酔なしで剥がされ、処置されるという痛みという次元を超える痛み体感したことがある俺にとっては大した事は無いだろうとも思ったが、念のため痛みに対する覚悟を決めた。


だが、結果的にはそれは不要だった。

俺にぶつかると思われた器は突然生まれた火に包まれ、ぶつかる前に綺麗に塵も残さずに燃え去った。


(…今のは…マジックやトリックじゃない。じゃあ、もしかして、今のが…魔法?)


俺は目の前で起きた地球での常識外の事態に思わず呆然としていると先ほどの声が聞こえたのか、怖い顔をしたメイド長が(名前はまだ知らない)リリアーヌのリス耳を引っ張ってと行った。だがまあ千切れない程度の手加減はしてくれているようにリリアーヌは涙目で引っ張って行かれていた。だが流石に大変なことをしてしまったのではという理解はしていたのか大人しく(尻尾も下がっていた)連行されていった。

だがその間も俺の頭の中では、つい先ほど見た魔法が焼き付いて、しばらくの間なかなか寝付けなかった。

それでも流石は寝るのが仕事の様なこの赤ん坊の体は腹が膨れたのですぐに眠気が襲ってきた。


(いつか…俺も‥‥魔法を‥‥)


その思いを胸に秘めながら俺は再び心地が言い眠気に身を任せた。

どうも、そんなに間が空かないうちに投稿できたことに自分で驚いている焼き魚です。

さてまだ二話ですので主人公はまだまだ赤ん坊です。三話も前半はまだ赤ん坊で、後半は3、4歳ほど状態を書き出していけたらいいかなと思っています。

次の投稿ですが、メインをそろそろ仕上げたいので少し間が明くかと思います。それでも楽しみに待っていただけますと幸いです。


最後にですがブックマーク、評価、感想または誤字脱字などのご意見を頂けますととても嬉しいです。

どうかよろしくお願いいたします。ではまた次話で会えることを願います。

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