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龍皇龍生は異世界で  作者: 溝野彩歌
第一章
3/8

勇者召喚

転移した蓮の視界に写ったのは困惑するクラスメイトとドレスを着た女だった。

「ようこそいらっしゃいました、勇者様!」

ありがちな台詞を言ったのはドレスを着た女である。格好からして、この国の王女だろう。

許可なく無抵抗な人間を異世界にさらっといてよくそんなこと言えるな、と思ったが無言でいた。余計なことを言って機嫌を損ねても意味がないからである。龍皇は里の外へは行ったことが無いようで、人間の国のことはさっぱり分からなかったし。

「此方へどうぞ、国王の元へご案内致します!」

ニコニコ笑いながらそう言うが、頬の筋肉が引き攣っている。普段は敬語なんて使わないんだろう。ただの我儘な王女様に違いない。

無駄に広い部屋に通される。王座があるだけの部屋だった。壁には騎士と思われる屈強な男たちが並んでいた。近くにいた女子生徒が、ヒッと短く悲鳴をあげた。

「ようこそ、勇者よ。歓迎するぞ、我がウィルド王国へ!」

王女が王女なら王も王だった。所詮、蛙の子は蛙。謝罪は無いし、寧ろ喜ばれていると勘違いしている。隣にいた充は不機嫌そうに眉をひそめていた。

「ちょっと待てよ!勝手に連れてきといて何なんだ、テメェ!」

「そうよ!私たちを元の世界へ帰しなさいよ!」

案の定、怒りは爆発した。動こうとした騎士を制したのは杖を持った一人の男だった。手には水晶を持っている。文官だろうか。

「勇者様、魔王を倒していただければ元の世界へ帰れます。ご安心ください」

いかにも怪しそうな男だが、突っかかった生徒は渋々といった様子で黙った。藁にも縋りたい思いとはこのことである。

「ステータス、と言ってください。勇者様方の強さが数値で現れます」

その言葉を聞き、一斉にステータスを開き始める。

「ステータス」



*********************************

天草蓮[Lv.999] 15800歳


種族:龍皇

体力:99999/99999

魔力:99999/99999

攻撃:99999

耐久:99999

精神:99999

魅力:9999

幸運:999


取得魔法:初級魔法・中級魔法・上級魔法・神級魔法・龍魔法

適性属性:火属性・水属性・風属性・土属性・闇属性・光属性・龍属性

スキル:鑑定の魔眼Lv.MAX・魔力操作Lv.MAX・眷族化Lv.MAX・威圧Lv.MAX・隠蔽Lv.MAX…

加護:龍神の加護・太陽神の加護

称号:龍皇・龍を統べし者・超越者・異世界人・勇者

*********************************



周りから歓声が聞こえてくる。多分、それより百倍は強いであろうステータスだ。チートかよ。っていうか、15800歳って凄いな。これが普通なのか?…とりあえず、隠蔽でステータスを変えとくか。



*********************************

天草蓮[Lv.1]17歳


種族:人族

体力:2000/2000

魔力:2000/2000

攻撃:1500

耐久:1500

精神:1000

魅力:150

幸運:100


所得魔法:初級魔法・中級魔法

適性属性:火属性・水属性・光属性

スキル:鑑定の魔眼Lv.1・魔力操作Lv.1

加護:太陽神の加護

称号:異世界人・勇者

*********************************



隠蔽を済ませると同時に充が話しかけてきた。

「蓮、お前のステータス見せてくれよ。俺のはこれ」



*********************************

斎藤充[Lv.1]17歳


種族:人族

体力:2000/2000

魔力:1000/1000

攻撃:2000

耐久:2000

精神:1000

魅力:200

幸運:100


取得魔法:初級魔法

適性属性:火属性

スキル:剣術Lv.1・魔力操作Lv.1

加護:太陽神の加護

称号:異世界人・勇者

*********************************



そう言いつつ充は自分のステータスを見せてきた。他人には見えない筈だが、どうやっているのだろう。因みに、隠蔽には近くにいた充のステータスを参考にしたので対して違いはない。

「任意で見せられるらしいぞ」

そう言いつつニカッと笑う。人の良い笑顔だった。

溜息をつきながらステータスを開く。任意ということは許可すればいいのだろうか。…斎藤充へのステータスの開示を一時的に許可する、とか?

そんなことを考えた瞬間、

「うわっ!?急に出すなよ!あー、吃驚した…」

と充が言った。少し後ろに仰け反った充だが、すぐに元の体制に戻った。

「へぇ…蓮は魔法特化なタイプなんだな!おれは戦士系なんだ」

「そんなこと、もう見たんだから分かってるよ」

ステータスを閉じ、見えないようにする。すると、さっきの文官が胡散臭い笑みを浮かべつつ水晶を持ってきた。

「貴方たちで最後です。水晶に手をかざしてください、身分証が発行されます」

一応、鑑定の魔眼で調べる。嘘ではなく、本当に身分証を発行するための水晶らしかった。

手をかざすと銀色のプレートのようなものが出てきた。これが身分証だという。本人の魔力にしか反応しない優れものなんだとか。

「今日はもうお休みください。お部屋にご案内致します」

侍女と思われる女が話しかけてきた。既に他の勇者は部屋に案内されたらしい。蓮は充と顔を合わせ、先導する侍女について行った。

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