生意気生徒会長 St. Valentine's day 4
「にしても、改めて見るとすごい量だよねー」
どすん、と、
会長は僕の前に紙袋を置いた。
「こっからこっちが隼人宛て。こっちが俺宛て」
「あーなんかわかる。こっちのチョコはスタイリッシュだもんね」
「武山さんの方は、その、可愛らしいというか・・・」
「飛島、正直に言えよ。ガキっぽいって」
「そ、そんな失礼なこと言えません!」
「・・・でも、思ってはいたんだね、桜ちゃん」
「あ・・・」
会長たちが談笑しているのをよそに、
僕の目は紙袋に釘付けになる。
この紙袋はどういう意味だろう。
なぜここに置いたのだろう。
ふと、僕がいただいたチョコたちと比べる。
明らかに、大きくて高そうだった。
「・・・会長」
「ん?」
「これは・・・・・・自慢ですか?」
「自慢?」
首を傾げている会長に、紙袋を投げつける。
「どうせ僕はそんな大きなチョコ、もらってませんよ!
だからって見せ付けることないじゃないですか!」
「見せつけって・・・そんなつもりじゃないよ、臣ちゃん」
「じゃあ何なんですか!花沢先生からのチョコを僕の目の前に置いて」
「んー」
怒鳴りつけると、困ったようにしょげる会長。
そんな顔をしても、僕の怒りはおさまらない。
たとえ、武山さんがニヤニヤしながら見ていても、
飛島さんがハラハラしながら見ていても、だ。
会長がこんな意地悪するなんて、思ってなかった。
やっぱりこんな人、会長にふさわしく――
「ねえ、臣ちゃん」
「・・・なんですか?」
「その紙袋開けて、チョコインスピレーションしてみて」
「は?」
「だから、そのチョコの送り主がどんな人なのか、想像してみてって」
「想像も何も、花沢先生ってわかってるのにする必要ありません」
「いいから、ね」
会長が一歩も引く様子を見せないので、
仕方なく紙袋から取出す。
あれ、
大人っぽい紙袋のわりに、包装は可愛らしい。
ピンクとブルーのリボンを解くと、
丸いチョコレートが綺麗に並んでいた。
「・・・なるほど」
「わかった?臣ちゃん」
「外見は大人っぽいのに、性格は子供っぽい女性・・・だと思います」
ほら、とリボンを見せると、
武山さんと飛島さんが頷いた。
「花沢先生らしいですね。大人でもあり少女でもある」
そう、これは花沢先生らしい素敵なチョコ。
会長に対して、きっと本気のチョコ。




