つるはしを持った転移者19
かなり長い時間が経過したと思う。人口9000人に達していた。最初からこれを狙っていた。より多くの兵力。それにしても遅いやっと亜人の仕業だとまとまってきたようだ。ここからは早いかもしれない。出鼻をくじく。国中から徴兵の準備をする。戦闘力の高いものから、勝手に僕は徴兵していく。それに対して特に話し合う必要は無い。
食料と兵以外の亜人がどう農地を管理していくか詰められる。準備が終るまでに武にはモンスター牧場、半島、境界の森すべてからモンスターを出来る限り引き連れてきてもらう。総勢3000匹。特に大切にしてきた蟻部隊が500匹に増えていたのが大きい。連中は、女王を中心に勝手に動ける。武は女王に命令するだけで良い。ただ今回は安全のためアリ娘にそれを担ってもらう。
女王さえ居ればまた0から部隊を作れるから。
「武アリ娘って名前何?」
「アンコ」
「プッ」
「笑うなよ」
アントと掛けてるんだろうな。緊張してたがちょっとほぐれた。全部で6500人集めた。もちろん永続的にはこれじゃ農業は維持できない。だが1ヶ月以上は余裕で維持できる。そもそも労働力が必要な麦などの収穫はまだまだ先。後ある程度この日のためにセーブしていろいろと休耕地にしてある。
僕を中心に、巨大ゴーレム、亜人兵6500人、武とモンスターが3000匹。
「さあ王様の城に向けて出発だ」
まあ見ればどういう集団か分かるだろうな。さて巨大ゴーレムには大きな役割があった。看板見たいのを作らせてそれを持って先頭に立つ役だ。
僕達に侵略の意図はありません。僕達が望むのは和平条約と人間国の軍隊の縮小です。要求のため王様の居る城に向かいます。それを阻止するものは誰でも殺して排除します。
後は、これに先頭の集団にこれらを叫ばせた。
だがこれだけで終らない。僕はある程度森を離れたら。周囲に村や町内場所でつるはしを使った。
「じゃあ行くよーーー」
そう行ってつるはしを使って。皆をスグにそこから移動させた。土地が隆起して、ある程度高くなったら噴火をした。
「「うおーーーーー族長万歳ー」」
本当は条約が目的じゃない。コレをやるために僕は来た。まず人間の国を火山による荒地を増やす事と、亜人国の力の誇示だ。
「祐二!」
ウルが怒ってきた。うん知らせてなかったから。多分危ないとか怒ると思ったから。
「ご免」
平謝りで謝り倒した。なんとか許してもらったが、後2,3回やるつもりといったらちょっとプンプンしてた。でも辞めない、このために島で練習してきたんだよな。
まずは、森に近い地域と戦闘。だがまるでイナゴの群れに襲われる作物のようだ。蹂躙と言うのが相応しい。折角増えていた兵隊を大量に失った。もうまともな軍事行動はこの国無理だろう。次に北東地域に入った。城は南東地域との境目にある。
結構な敵と遭遇する。僕は火山を仕掛ける。そして隊を引かせる。相手は攻めてくる。すべてが綺麗には当たらないけど、敵の軍隊のど真ん中に火山が炸裂する。軍隊は壊滅混乱で敗走。後1回ぐらい脅しを掛けるだけで良いだろう。さすがに次は上手く行くと思えない。
僕らの行軍は止まらない。かなり遠いので何泊も野営をするが、夜に強い部隊が昼間眠いの我慢して交代で見張ってくれてる。夜襲を何度もされるが、すべて撃退する。もちろん被害はあるが、決定的な死者の数にはなってない。
そろそろ人口密度が増えてくるので、さすがにそこは可愛そうと最後の火山を仕掛ける。さすがに敵の軍隊が居たが罠と分かってるので寄ってこなかった。火山が噴火する。迂回して前に居た軍隊を蹴散らす。誰も僕らの行軍は止められない。それは死を意味する。
人口密度が増える前に1000人ほどの大部隊が集結していた。かなり時間があったからなんとかかき集めたのだろう。だがそれを待っていた。
「武頼むよ」
「おう」
彼の率いるモンスター部隊の突撃を開始する。彼自身もグリフォンにのって敵の真っ只中に入って殺していく。本来なら魔王になっていた人物だ。大軍相手に戦局をひっくり返す事ができる実力を持つ。それに突撃したモンスターが居るので囲まれる事は無い。全滅とは行かないが、一瞬で半分以下になった。この日のためにずっと育ててきたモンスターなんだ。今境界の森はスカスカだろう。
彼の率いるモンスター部隊の突撃を開始する。彼自身もグリフォンにのって敵の真っ只中に入って殺していく。本来なら魔王になっていた人物だ。大軍相手に戦局をひっくり返す事ができる実力を持つ。それに突撃したモンスターが居るので囲まれる事は無い。全滅とは行かないが、一瞬で半分以下になった。この日のためにずっと育ててきたモンスターなんだ。今境界の森はスカスカだろう。
城に来てやっぱりなと言う感じだが。かなりの数の兵が居る。ここからは慎重に戦った。侵略と見なされると困るからだ。もう軍縮の必要はなくなっている。ついに魔王討伐隊が出てきた。
「おかしいなお前ら緩衝地帯にいるはずじゃないか?」
武が応答した。
「君に魔王の疑いが掛かっている。今の魔王の不可解な行動は、影武者じゃないのか?と王様の見方だ。モンスターを使った攻撃方法どうやって弁解するのか?僕らは魔王への疑いを判別する手段を持っている」
「良いだろう潔白を証明してやる」
武と彼らは知り合いだった。ただ武の能力は知られてなかった。勇者じゃなくて、魔王討伐隊から一人が一騎打ちに出てきた。
「なんだそいつと一騎打ちか?」
「おう、ただ出来たら手加減はして欲しいな。試したい事があるだけだからな」
その男は武に攻撃してきたが、グリフォンが邪魔で上手く攻撃できない。
「よわ…、可愛そうだから降りてやるよ」
そういって武は降りて戦った。確かにグリフォンとまともに対応できなくてどうやって武と戦うのだろうか。何を考えてるか分からない。数回打ち合って、武がゴンという感じで豪快な攻撃で相手の剣ごとなぎ払ってしまった。
「何がしたいんだお前?殺すぞ?」
武はこの男だけ知らないようだ。
「いや待ってくれ、マインこいつは魔王じゃない」
「ああそうらしいな。王様への義理は果たした。俺たちは引く」
そう言って魔王討伐隊は去っていった。そこから独特の空気になった。誰もが期待した勇者が引いて消えてしまったんだ。うん僕にとってこれを待っていたんだ。




