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つるはしを持った転移者17

 様々な文献の調査、無料情報有料情報を総合的に判断して一つの答えが出てきた。王国の軍隊は各個撃破可能。この国の歴史が重要に成る。この国は領地を持った貴族とそれらを纏める王によって成立していた。しかし魔王の侵略によりそれが一変する。互いに牽制しあう存在の貴族とそれらの上になんとなく載ってる王。この関係が変わっていく。王の元にトップダウンの軍隊に生まれ変わる。


 だが、ここに穴が出来てしまう。魔王との戦いは段々イベント的になっていく。領地を取った取られたの繰り返し。境界線付近に開拓された村が中途半端にしか存在しないのは、どーせ取られるから発達しなかったことが大きい。それどころかおそらく最初の魔王侵略後衰退してると見ている。


 その根拠は決して耕作に向かないやせた土地じゃないから。長い間魔族と人間の戦場としてとった取られたを繰り返すうちに捨てられてしまったんだろうなと推測できる。危機感の薄さは今でも感じる。それなのに戦争を止めるという流れには一切ならない。中途半端に王様のトップダウンが固定化される。


 穴と言うのは、過去の地方領主の勢力図がそのまま今の軍隊に残ってる。伝統的なその地方の貴族。または何があったか?分からないが、断絶した場合でもその地方の人間が軍隊のトップとしてすえられるようになっている。悪い意味で軍隊は地方分権。地方領主の私兵の形が残ってしまっている。


 それでも結局1つの軍隊としてまとまっている。つけいる隙が無いか?違う命令系統の時間的なロスが多い。ここを付く。全くのバラバラの場合、なんとなく王様が号令してだらだらと1つの軍隊としてまとまっていく。こんな感じ。遅くて仕方ない。

 これに近い部分をおそらく持つだろうと。後は地方で起きた事が王様に伝わって、王様が全域に号令を出す。王様に伝わる部分も多分完全な中央集権による軍隊組織の様な素早さは無いと見てる。


 ここをつけば、小数に分割された軍隊を潰してちょっとずつ減らすことが可能。ただどれぐらい軍全体として動くまでににロスが生じるか?はやってみないと分からない。ここだけ怖い。


 次の問題。大事にせずに処理する事。目的は侵略戦争じゃないって点を後から訴えるため。目的は相手の武力を削る事にあり、それが侵略とは繋がらない。出来る限り一般市民への被害は減らす。最終的には相手の戦力を削った後に侵略の意思はない事を伝え、和平条約、国として正式に認めさせる。そして交易などのための国交の樹立。これを亜人国最大戦力を見せ付けて脅しに近い形で認めさせる。


「具体的にはどのように?」


 ウルとやがてくる人間との戦いについて話していた。


「おおまかな説明は今した通りで、今どうなってるか?は4つの元領地に分かれていて、そのうち4つのうち2つはさらに半分に分かれている。全部で6地域ととらえてはならない。4つのうち2つは半分に分かれてるだけだ。

まずはその話からする。今出来た南部の融和地域に近い領地が2つに分かれている。これは魔族との前線に近い地域が独立して大きな勢力になったからだ。それでもトップは変わらない。間に中間のまとめ役が出来たそんな感じ。

後は北東部は例の王国の支配をあまり良しとし無い地域に近い部分が、やはり独立した地域として逆に兵隊が少ない地域になってる。大してそれ以外は兵隊が多い地域になってる。

そして肝心の僕らの森に近い北西部は1つだ」

「理解しました。ただちょっと重要な部分に行くまでが細かいですね」

「それはそれぞれの地域の特性を知っておいたほうがいいからだよ。要するに魔族との戦争に対する関心の表れといえる。じゃ何故この北西部は分かれてないのか?それはこの森のせいだよ。南西部よりは魔族と直接戦っている地域じゃないからね。

もう一つ重要なポイントがある。この地域にもあるんだよ。魔族との戦いを意識して地域を2分したような地域がね。ただ独立して動けるほど明確な区分になってないだけで、さて前置きはここまでだ。僕らの森に近いこの2分してる1つをまず叩くのが当たり前じゃないかい?」


 ウルははっとしたようだ


「繋がりましたね」

「うん、さてこの程度なら有料の情報を得ようとしなくても得られる。ここから具体的な場所と規模だ。この確認こそが我が諜報部隊の役目だ。もう分かってる。北西部は約2000」

「なんとそれじゃ以前私達が破った兵力ぐらいはあるんですね」

「まあ以前全力できたわけじゃない。緩衝地帯に穴を開けるだけの目的なので、その後同盟破棄して全軍で攻め込むつもりだったんだろう」

「しかしそのまま攻めてしまったほうが合理的じゃ無いですか?」

「それなら同盟なんて面倒な事してないよ。さすがに正義を歌ってる側なんだからそんな無茶できないって」

「ああこれが何か魔族と人間の戦いはイベントみたいになってると言う部分ですね」

「魔族嫌いで本気なんだけど、なんだろうね独特の生ぬるさがあるんだよね。これは紐解けないよ。それが分かったらもっと上手く王国に突っ込んでやる話も出来るんだが。腹が立つよ。

何故僕らがそのイベントにおける敵の代わりを、務めなくちゃいけないの?って馬鹿馬鹿しさ。すぐ分かるのは、この戦争の根底にあるのは、領地を守るため軍隊があるんじゃなくて、軍隊があるから戦争しなくちゃいけないってなってきてる点。

そしてそれに人間が気がついてない。魔族が嫌いって感情があるからね。じゃ何故僕らが攻撃されないといけないのか?そして僕らは侵略の意思が無いと再三訴えているのに和平条約の様なものが結ばれないか?

関係者の誰もが良く分からないけど、軍隊全体としては戦争をしたがってるんだ。王様は従ってる一人だね。ただ問題は王様を利用して他にも従ってる連中が居る。ここが王様が頑固な理由だろうね。

誰も魔族との戦争のための軍隊を亜人に向けるのは、筋違いだと進言し無いから。僕らに侵略の意思が明白ならそりゃ分かるけど、逆にこっちから何度も和平交渉しようと呼びかけてるんだけどね…。

話しずれたね。んでさ、この2000すべて一箇所に集まってるわけじゃない。当然分かれた2地域に分散されてる。それが魔族領に近い大きな町ウルドになる。大体1200だよ。北西部を纏める地域と半数以上の兵隊がそこにいるんだ。特殊性が分かるよね?」

「はい。ただもっと細かく分散してないんですか?」

「あごめん。その町の近くに砦があってここに100程いるね」


 ウルはしばらく考えていた。

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