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つるはしを持った転移者13

 相変わらずお金をどう得るか?で悩んでいる。出るほうはどんどん発達してるんだけど。まず服が大きく変わった。今は自国でも作ってる。服に必要な作物も今は作ってる。じゃ以前より楽になってるんじゃないか?そう単純じゃない。

 すべてのは僕の無計画な人口増計画が原因。需給のバランスをとる前に人口を増やしすぎたから飯だけは頑張ってそろえたけど、他が足りなくて人間の国から仕方なく買っている。


 んでバランスが取れてきたまた増えてとチグハグになってる。抑えてはいる。だが一旦広い土地を与えられて余裕が出来てしまった中で今更昔みたいな人口調整が出来なくなってる。つねに供給が足りない時期が出来てしまう。ここで金が出て行く。こういう時のために金を集めていたわけじゃないので手痛い出費になってる。


 ただ無駄とは一切思ってない。人口増はやっていく計画だから。それが様々な準備が出きてやってるわけじゃないから。その歪を生めるため金ってのはすごく便利なんだ。ただ服を作るようになったのは大きい。今でも絶対に人間の服は買っている。それは町に出て行く子孫達のために必要だから。


 それを今はコピーみたいにして模倣して作ってる。機織とか裁縫とか数え切れないほど人の技術を模倣した。と行ってもデザイン以外は、魔族からも得ている。ただ国交があるので技術を導入しやすいけど、総じて技術レベルが遅れてる。

 服が?それが技術ってのは多岐に渡るため何か一つでも遅れてるといろんな事に影響が出る。水準効率何をとっても人こそが間違いなく製品などの技術はNO1。ただそれを取り入れるのが困難なので魔族に頼ってる。


 服は発達したが、輸出できるほどじゃない。それは魔族も多分人間の国にそういったものは輸出できないと思う。国内だけならすべて買っていたものがかなり自給できるようになった。だがその反面自国の製品との差が分かるようになって、人口が増えた分輸入品が完全にはなくならないため金は出て行くという感じだ。


 秘密を守るのが本当に苦労したが、それでもこういった技術後進国をなんとかするため作った人間の居住区はかなり上手く行ってる。当初嫌だったのは、交わらない地域を作る事で距離感が生まれるんじゃないか?と思ってたけど、まあ逆に良かった。いきなりきて亜人の中で暮らすのはつらいだろう。最終的に仲良くなるので、取り越し苦労だった。


 魔族は入ってなかった。魔族は使いにくい。モンスターが忌避するので村のモンスター除けとしては素晴らしい一族だけど、その分それ以外ではモンスターに対して邪魔になるのでやっかいなんだ。後は魔族が優れてる魔法は、融和地域で吸収できるため特に問題が無かった。と言うか魔族側が融和地域を発展させる事に熱心なため、高いレベルの魔法に関する知識人材技術がきちんと融和地域に集まってくる。


 ただ魔族は中々警戒もしてて、人間も含んだ3種族融和地域には亜人との融和地域ほど魔法の様々な流出に関して積極的じゃない。逆に数が少ないくせに人間はいろいろ積極的だ。

 亜人との融和地域は魔王、種族全体で発展に積極的だが。南部は種族全体としては弱いのと、後は魔王が魔法だけは北部ほどは自由にして無いようだ。ただいずれは変わってくると思う。南部は3種族の混血が進んでるので、魔王主導が崩れつつある。


 出て行く量が多いと言っても、過去に較べればしっかりとしたお金が入ってきて順調だけど、本当に必要なものが中々無い。何が重要か?分からないけど、今は個人個人で溜めたお金で輸入品を勝手に買ってくれれば良い。


 他に外貨獲得として木材の販売を始めた。船の購入が良かった。重いし量がが多いが、船のおかげで簡単に運べる。順調そのもの、でも棒は不満だった。まず一次生産物が多すぎた。例えば木材なら家具を作って売りたかった。でも自国で使うもの以外デザイン、質、何をとっても人の国の家具が上だった。自国で使うため小さな船だけは生産を開始した。ただ大きな船や高い技術の船は話しにならなかった。


 あらゆる生活に必要な道具は魔族から吸収したが、その魔族の水準が人間より低い。逆に言えば人間レベルの物を作れれば魔族に売れる。まあ境界南部地域ですでに始まってるから美味しさは弱いけど。人間が魔族より以外にも積極的なのは魔族の技術水準の低さによるものだろう。人間の国の製品が良く売れるから。


 境界南部地域の問題は、人間は外から持ってきて帰っていく。その中の一部が家族を持って混血していく。ゆえに活動の豊富さに較べて人間の血の割合は高くない。それでも当初小さなコミュニュティでしかなかった人間の混血の割合は信じられないほど高くなっている。

 最初30、40人ほどの小さな村で固まってだけの状態からすれば、良く人間がこんなに増えたと感心する。割合は小さいが3種族が混ざった独特の土地ってのは偽りの無い事実。こういうのはどうしても魔王が上手く行ったのを強調するため大げさに発表するが、実際上手く行ってるんだ。


 加工品も自国で作って辛うじて需要は満たしてるため問題はないけど。それが輸出品にならないのは悔しい。木材、モンスター肉素材、農産物。魚介類は微妙。他の物に比べて少ない。自分の国で一切無いもの。それはほとんど無いかな。食料以外すべて輸入に頼っていた過去と較べると大きな変化。


 税金は取ってないが、一部僕の所に集まってくるのと、個人的につるはしの力で溜めたお金で僕は諜報部門に手をつけた。無料のネットワークはそのまま。直属の人間国で北部東部南部の亜人村の積極的な情報網。人間の国に不利な情報も流させる。後は自国に不利な情報は聞き出さない人間になった亜人からの、直属亜人を介した雑談ネットワーク。


 ここにもう一つ亜人村出身の積極的な情報網を町などの職人、店員などに広げる事にする。出自がハッキリしてるので動きやすい。これは悪いが無料で働いてもらう。お金は労働で勝手に稼いでもらう。だから当然仕事に支障を来たさない形で。最後に僕のポケットマネーが出す専属の諜報員。


「君達はこれから特に軍関係の情報を積極的に集めてもらう」

「「はい」」


 僕は彼らを人間の国に放った。今までは雑多に集めてきた情報を少数精鋭専属で軍に絞ってやってもらう。これまでも軍関係の情報は掴んできた。でもあくまで仕事の合間。後は例えば、どこそこに兵隊が勤めてる場所があるとする。情報はそこで手に入った。しかし実際いるのか?そこまで確認した亜人は居ないんだ。こういうのを一切無くす。


 軍関係は事実であるか?こういうのをしっかり集める。それを元に戦争に対する計画を立てないといけないので、今までの様な雑な情報じゃ困るんだ。


 人間の服もこういった部隊にはしっかり買わせる。何が不自然になるか?分からないからだ。


「今日のお前なんだ?あれじゃおかしいだろ?」

「そうかどこがおかしかったか教えてくれ」


 など諜報活動自体時折互いに見張りあって下手な情報の集め方をする人間を互いに向上させていく。専属で雇ってるんだかなり質の高さを求める。上の人間の個人情報ぐらいは探って欲しい。服装のチェックもこういった相互チェックでいろいろと修正していく。

 素人集団が僕は問題ないと思ってる。この国そういった害にさらされた事が無いから。多分多少低レベルでも問題が無いし、これから鍛え上げていくから。


 戦争のためだけなら僕は必要だと思ってない。ただ戦争回避のために何か裏技が無いか?と探ってるんだ。戦争において出し抜くなら僕は多分こんなお金使ってない。武器でも買った方がましだ。もっと上の目的のために使ってる。当然多くの兵同士の戦いも想定して手は打ってある。それとは別に今でも避ける方法が無いか?考え続けていた。そこで敵を知って考えなくは始まらないと気がついたから。


 タダでやってる皆の情報が役に立ちすぎるんだ。それがすべての問題。金使ってるんだからそれを上回らないと。


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