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つるはしを持った転移者12

 計画性が無いのかあるのか?僕は今やることに詰まると100年の計に逃げる癖があるようだ。モンスターランドなんてものを建設し始めた。将来的に食糧としてモンスターが不足するのはもう分かってる。その時のために増やしておこうと言う考えだ。


 まず半島の西部に大きな島を作る。その間を浅瀬にして、そこから細心の注意を払って山の様なものを作っていく。こぶを何個も重ねたら後は砂で埋めていく。こうして間を繋げる。後は島らしくいろいろと内部を整えていつもの森林を創るがその時島全てを森林で覆ってしまう。


 これをモンスターの生育地にする。後は武に頼んでせっせとモンスターを連れてきてもらう。戻ってきたモンスターはまあ半島の村のおかずにする。いずれは柵を作るつもりだ。本来必要ないが、ここを立ち入り禁止にしてモンスターを増やす場所にするため。

 モンスターは繁殖で増える。ただそれだけじゃ説明つかない部分が多い。ただ繁殖で増えるのは確かなんだ。後食料が謎過ぎる。モンスター同士食べる。人間も食べる当然亜人だって負ければ食べられる。


 でも植物を食べてるモンスターが居るのか?分からない。なら肉食の根幹が良く分からない。だから閉じ込めてしまっても増えるんじゃないか?と思ってる。おそらくモンスターは自然発生してる。0から湧いてくる。何故この地に大量モンスターがいるか?と言えば繁殖だけじゃ説明がつかない。


 魔族が捨てるからだ。あの国で繁殖はありえない。なら魔族の国で自然発生したモンスターをこの森に捨てるからとなる。森は自然発生によって補って、繁殖で増える場所を別に作れば自然発生しなくても増えるんじゃないか?との発想からだ。モンスターはカスミでも食ってるとして食料については考えない。


 ただそれとは別にモンスターは自然発生しなくても増える。これを利用しようとする作戦。これこそモンスター牧場の完成だ。動物愛護、絶滅危惧、そんな発想じゃない。だからモンスターランドとして楽園の様に作ったけど、そりゃ嘘だ。これ僕らの食料庫だから。

 ただこの過程でとんでもないモンスターを武が連れてきた。モンスター牧場の理念に反する。ただモンスターを戦力として考えるとこれは必須だった。


 モンスター牧場を取りやめるかも…。新しい理念が必要になってきた。モンスターを戦力として考えた場合の生育地となる。そいつらは蟻だ。蟻?何故そんなものが?こいつらでかい。元々アリ型モンスターはいた。何をどうやったか?女王蟻ぐらいデカイ兵隊アリが誕生した。女王も連れてきた。もちろん兵隊アリよりデカイ。


 今はまだ数が少ないけど、多分こいつら増える。今放置しておくと僕らの普段の生活の邪魔にもなる。だってこいつら旨くなさそうなんだもん。実は100%モンスターは食えるわけじゃない。

 利用価値はどんなモンスターもあるが、食事としては一部適してないモンスターがある。これもその一つだ。このタイプはそれほど脅威じゃなかったのに、なんて巨大なんだ。ネズミぐらいのアリ。これも脅威だろう。しかしこれ大型犬、人ぐらいあるぞ…。


 以前からちょっと手に余るモンスターはあった。だが食料としてなら許せた。これは…。使い道が無いのでまさに軍隊アリ。これ本来ならすべて殺していたかも…。


 このアリは女王に命令すればかなり複雑な事が可能だ。部隊として女王を通じて独立した動きが出来る。モンスターを操る武の力からするとこれはものすごく大きな戦力になる。僕は考えがあって一匹つるはしで攻撃してアリ娘を作った。


「あ、武、この子その何もしなくてもファミリーに加えてくれない?」


 見てくれがややアリっぽいのでさすがに無理強いできない…。僕なら全然OKだけどね。


「ああ擬似の女王か、どうだろうなそこまで使えるか?分からないけど分かったよ」

「よろしくお願いしますご主人様」


 ふーまあとりあえずこれでまあいろいろ片付いた。今の問題に向き合わないと…。


 以前からこつこつと育ててきた魔族の血を引く亜人が居る。彼らの存在は凄くありがたい。狩りには参加させられない。だけど、村で農業をやる時はかなり助けになってる。村に数人居るとモンスターが村に寄ってこない。まず中央の村では外周の家には彼らの一族が住む事が多い。後は点在する村に大体1,2人魔族の子孫が居る。


 実は人間の村に出した人間に似た亜人の中で何人か魔族が居る。村を作るときすごく助かるから。ミドルハンターの奥さんは狩りが基本なのでそこには連れて行けないけど、東部、北部、南部の人間の振りして生きてる亜人の村では数人居る。笑ってしまうのは人間の国に魔族はものすごくありがたい存在だという事。それはすでに境界南部地域で分かってることだけど。


 そもそも人間に似てる亜人を選ぶと高い確率で魔族の子孫が多いってのが理由でもあるけど。後は武のモンスターを誘導する時手伝ったりしてる。嫁にと思うが、狩には全く向いてないのであっちのファミリーに入れない。女の魔族系亜人は大体武に好意を持ってるから残念な事だけど。まあ自他共に認める魔王候補だからな。


「さてウルさん、現在半島の開発ってどうなってるの?」

「順調ですよ。祐二の土変木の実を集める事で食料を補い方法と、水棲族のもたらす魚でうまく行ったんだと思います」

「後さ、モンスター集めた島だけは近づかないでね」

「ええそれはもう話しておきました」

「僕もちょくちょく行ってるけど、全体は知らないけど、どれぐらいの人口になった?」

「大雑把ですが、全人口4000は達成したと思います。ただ、制限をかけないと半島はバイバイで増えるので1年もしないうちに6000達成できると思いますよ」


 しばらく僕は考えた。


「人間と戦えるね?」

「ええまあ」

「ちゃんと鍛えてる?」

「はい、まず子供の頃からあっちでもこっちでも狩りはさせます。半島で本気を出すと絶滅する恐れがあるのでそれは気を使っています。次に素質のある子は仲間同士で対人戦闘も擬似的に行っています。後武器も昔は質が悪かったですが、今はそこそこのものを全体に供給できてますよ」

「増えてるのに?」

「まあまず全員が戦うわけじゃないですし、後は南部も戦力に入れて良いなら100人ぐらい居ると思います。ただここはまだ限界まで行って無いので、500以上は期待できるかと」

「使い方が難しい。使えるかも?で留めておこう」


 少し間が空いてウルが話しだす。


「ええーっと魔族との連合軍じゃなくても祐二は戦えるのを望んでる?」

「それ難しい。本当は魔族との連合が望ましい。でもその場合問題がある。こっちから仕掛けられない。魔族との連合で仕掛けるとさすがに魔王討伐隊出てくる。あいつら100人ぐらいの戦力になるからうっとしいんだよな…、士気とか考えても嫌過ぎるし今の所仲良くやってるから抵抗があるな。

僕はさ侵略する気は無い。意見を聞いてもらうのに脅しに使いたいだけなんだよ。本気で戦う気は無い。1000人ぐらいで城におしかけたら多分反撃してくるよね?」

「そうなりますね」

「でも万人なら様子見るはずなんだよ。対等に付き合えるなら条約とか約束事に意味があるんだよ。大義名分は使えるからね。最初から仲良く遣れると思ってない。少し脅すぐらいでちょうど良いと思ってる。後さ魔王討伐隊以外にもこれ魔族とやると、脅しが効きすぎて反骨心みたいの生まれてしまう」


 魔族と組めば今すぐ人間に圧力をかけられる。ただそれは中々問題が多い。魔族との連合は人間が魔族領土まで侵略の意思ありって人数連れてきて、受ける立場が望ましい。魔王が扱いにくいのもある。自分の計画ではどんどん進めるけど、他人の計画に乗るようなタイプじゃない。本来計画に無い示威行動に参加してくれと言って何様だ?とへそまげられるとかなりその後の同盟関係が不味くなる。


 何か別の方法で戦力さを埋めないと不味い。余裕が出来たことで逆に捨て身じゃなくなったため悩みが大きくなった。


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