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つるはしを持った転移者11

 僕は段々僕自身の心の裏に隠れた本心に気がついてきた。人間を滅ぼしてしまうのは良くないなんて思ってるのは、その裏返しで今人間に対して怯えてる現実逃避のストレス発散だと気がついた。我ながら情けない…。やがて人間を上回るかもしれないと言うのは理性的な未来予測として今でもブレは無い。


 ただその未来に至る前に、散々人間から嫌な思いを味合わされる予測がきちんとあるのを無視していた。今出来る事でちゃんと人間と対抗し無いけといけない。ただ僕まだ20代の若造なんだ。孫いるけど…。なんとなく自分の中で孫ひ孫が居る事で老人と若者が同居したような変な精神状態になってる。


 ふとある時重圧から現実逃避なんてしてる事に対して自覚できない。自分が老人みたいな意識があるから。え僕何か幼稚じゃないか?と思う部分に気が付くとすごく恥ずかしいんだ。一族子供達に対して情けなくなる。だから無自覚に隠す。現実的な今を見よう。


 情報と言うのは些細な事でも本当にありがたい。これは些細な事だった。南部に嫁入りした子供達の雑談から知ったことだが、南部にも手付かずのモンスターの多い大森林があるらしい。じゃ何故ミドルハンターはこれを無視してるのか?城に近い中心地にモンスター多発地帯がある。これを改善するほうを誰でも優先し無いか?


 相手の立場になると良く分かる。僕らには楽園がおちてるように見えても。人間の土地を占領するぞ。僕は秘密裏にならどんだけでも侵略しても構わないと思っていた。魔族にはすごく気を使っていたけど、ばれてもまああいつらが認めないから良いわって開き直っていた。ただ今後の事を考えて獅子身中の虫作戦を決行する。


 秘密裏に森林に潜入して開発する部隊を作る。後は開拓が流れに乗るまで物資を提供する。これらは行商人を装ったメンバーにやらせる。元々開拓地を回る既存の亜人行商人が居るからやりやすい。村が独立して運営できるになったら次の段階に移る。ここもモンスターがいるので軌道に乗るはスグだった。


 人間にも良く知られてるミドルハンターが森の奥地から隠れ民族がいたと公表する。もちろん皆人間にしか見えない亜人。この後森から一部出て森の外を開発しながら生活する。後は堂々と行商人が村を支える。そしてどんどん人似の亜人を森に送り込んで、急激に外の村を大きくする。そこの税を物品金どちらでも良いから国に納めて正式に国民として認知されると。


 堂々と人間として認められる亜人の一族の出来上がり。今までと彼らの戦略の違いは、彼らは僕の血の縛りから逃れる事を許さない。混血を許さないって事。後々村が大きくなって人間と接するようになったら外に向けて子供を出す分には混血を認める。村には絶対に人間を入れない。


 これは特殊な一族と言う事で誤魔化すつもりだ。彼らは軍人を殺すための戦闘要員だ。ただし将来的に人間と接する地域は成長の遅い特殊な亜人を配置したほうが良いと思う。それだけは伝えてあるが、先の事なので。他にも南部にはこういった地域がある。

 そのすべてをこの民族に支配させた。南北で人間を挟み撃ちにしてなおかつ南部は人間の国に属したままなのが都合が良い。やっと人間の土地を秘密裏に亜人が占領した。近いのが北部の村だけど、これは中立戦争には絶対に関与させない。敵も味方も。彼らは情報と流通の軸でそれ以上の期待はしてない。彼らはあくまで亜人よりの人間。


 実は女ばかり外に出したので、人に似た男が余っていた。その解決もあった。ミドルハンターに男が多いのでその嫁狙いなのでどうしても仕方が無い。そういえば成長の早さは母体に影響されるので男から生まれた混血はある程度早いがそれほど早くない。

 うちの一族はすべて亜人なので遅くならないけど。人間と接する場所に男を大量に配置して外に出せば良い。これでコレまで遣ってきた戦略とバランスが取れる。母系民族だとか最もらしい事言えば良いわ。


「今日は種族の良い所悪い所を話し合いと思う」


 いつもの3人にウルが居た。あらかた新天地開拓の大方針を決めたので、それが浸透したら使い勝手の良いウルを戻した。


「魔族って思ったよりアホだ」


 そう言ったのは武。彼らは伝承が正しいなら人間の魔法エリートの子孫になる。何故それが?


「連中は優れた身体能力と魔法に頼りきりで己の体を重視しすぎる。それに対して貧弱な人間は知性と道具で対抗する。魔族が情けないのは、頭の出来は人間と変わりないのに恵まれてるからそれ以外を磨き上げるのに怠惰なんだ。そのせいで直情的な魔王みたいな間違いなく一番魔族らしい単純馬鹿が生まれるといえる。今回の魔王違うけど」

「なるほど優れると思っていた魔族にそんな欠点があるとは」

「先天的なものじゃ無いんだよな。むしろそれは優れてる。それにあぐらをかいて種族全体の文化知識が貧しいんだ。どっちかと言えば魔族と深く関わって心情的に魔族よりの俺が人間も良い面があると思う視点だからあてにはなると思うぞ」


 個人で見ていたので、種族全体として劣っているという発想は無かった。


「魔族より人間の武器が良いのはそういう事なのか、ただ魔族亜人は境界南部の人間の文化が入り込んでる鍛冶の技術を取り入れてかなり向上できたぞ」

「だがあれ亜人国だけが吸収して、魔族はまだだろ。魔族ってその辺り貪欲さが無いのが閉鎖的になってる部分だと思う。人間だと偏見があっても良いものは平気で奪っていく所あるからな…」

「良い意味で意地汚いよな…」


 僕はこの欠点分かっていたので、魔族の混血を生き物として広げていくのを考えていた。魔族は異文化の吸収が遅い。微妙に人間見下してる。


「僕は人間を高く買ってる。当然憎しみはある。でも憎しみは大体相手の事を良く見なくて戦う時敵を軽んじて負ける。魔族に対して増えやすいのは亜人には全くアドバンテージにならない。ここはたいしたメリットじゃない。

武の指摘どおり僕も技術力が高いと思う。その起因が弱いからだと言う視点はなかったけど。補う力が発達したんだと思う」


 武が口を入れてきた


「魔族も一つだけ発達してるからな?魔力の使い方が総じて優れてる魔族は魔法文化だけは発達してるから。この点は優秀な魔法使いは魔族に劣等感があって当然だと思う。魔法文化って意味では亜人は駄目だと思う。個の力に頼りすぎてる」

「なるほど魔族からも学ぶべきものがあるんだな」


 戸村君が話した。


「僕は少し距離置いた視点で亜人について話すよ。言葉にならないアホさがあるね」


 ちょっとウルがむっとする。


「まてまてウルをここに読んだのはそういう亜人らしさから外れつつあるから亜人代表として読んでるんだ。僕は亜人の権力的な代表だけど、特性は異世界人だから。一番近いのがやっぱ人間だと思うよ」

「俺は魔族だとこっちの人間から言われるけどな」

「まあ武は超例外だよな…、異世界人はその能力から人間である転生人も含めて能力の特異性こそがその特徴だよな。それ以外は魔族でも人間でもどっちでも似てくるよ。

微妙なアホさだけど、はっきりアホだと言えないんだよ。創造性とかそういうのに欠けるよな」

「そうそう。逆に言えばそういうのってあまり生活に必要が無いんだってのと全く無いわけじゃないって事かな」

「そこなんだよな。どれぐらい重要か?が説明しにくいし、大半の人間魔族も亜人より優れてるか?と言うとなんとも言えないのがな」

「なんとなく悪口じゃないのは理解しました」


 ウルの機嫌が直った。


「個としては全然価値が無いと思う人間だけど、集団になると亜人を上回る部分がある。これがどこに起因するか?と言うと空っぽで生まれてくる白紙の幼児にあるんだよ。亜人は僕がある程度レールを決めてしまってるからね。

もう一つあって、これを生かすには成長の遅い幼年期が必要なんだよ。空っぽが絶対素晴らしいと僕は言いたいわけじゃない亜人の早い成長速度に先天的にある程度きまってる知性は間違って無いんだよ。

今は小規模な集団である亜人だけど、僕は亜人こそが最大勢力になるべきだと思ってる。多数を占めるのは亜人こそが適してると思ってる。でも少数派の集団として最弱の人間はものすごく重要だ思ってる。亜人に高い知識技術をもたらすのは間違いなく人間だと思ってる。

亜人はこの先人間と並ぶには集団の中で、弱く、成長の遅い、空っぽの集団が生まれる必要がある。亜人の中でこれが生まれるのは人間との混血なので、結局亜人が人間化するってことになる。

僕が最終的には人間と仲良くすべきだと思ってるのはここにある」


 上手くまとまったと思う。亜人は時間さえかければ人間を滅ぼす未来がある。でもそれは良くないって事の根拠を示すことが出来た。


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