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つるはしを持った転移者10

 いろいろと変化があった。戸村君が嫁を貰った。良く趣味が分からないと思ったのは、てっきり武みたいに人間に近い子が好みかと思ったけど、初めて接触した森の村のリザードマンの系列だと思うけど、ちょっとトカゲ鱗が目立つ子を貰った。

 明らかに人間じゃないと分かるだけで、確かに可愛らしい子なので分かるけど、なんというかマニアックだな。子孫が広がりすぎて僕も名前までは覚えてないけど、その時初めてリズって名前だと知った。もう1000人以上居るし僕が名づけたわけじゃないし仕方ないよなー。


 僕は画期的な開拓の手助けになる事をし始めた。半島じゃなくて島を作る事だった。小船を使っていける範囲に島を作っていく。手始めに半島の回りに数個と、この大きさをばらばらにした。無人島もあり。何故使えない島を作ったか?と言うと小船で移動するための中継地点にするため。


 ただこっちは途中でやめてしまった。万が一新しい大陸があって敵と遭遇するのが怖かったから。また敵かよってのはさすがにしんどい。方針転換して、半島と新しい海岸部に島を転々と作る事にした。これらの島にウォーターレッドと土変木をばらまいた。

 土の改変が終ったら、一部に成長の早い木を植えた。もちろん丘や泉湖を造るの忘れずに。後大幅に隆起が楽に成ったのは、なだらかな隆起が出来るようになった。これで何段階も処理していた事をしなくてすんでいた。


 大きな森林にしてしまうと後で開拓が面倒なので、でも木材は何かと便利なので一部切り出すための森林地域を作って。収穫した実を食料と次の島の開拓に使用するという形で連鎖させていく。その3種のもの以外持ち込まないように島を作っていく。後は開拓リーダーであるウルに伝える。


「ちなみにウル狙いは分かる?」

「また思い付きですか?」


 信用されてない…。


「いや違うよ。臨時の食料として島を回って残った実を回収して欲しい。ウォータレッドはもうあまり取れないと思うけど、まばらでも土変木の実はそれなりの量集められると思うから。開拓のときに生じる非効率な部分をこれで補って欲しい。

んまー無計画にやりすぎた尻拭い。多分これで無理があった計画の修正できる。ただ最初また考えなしに新しい敵見つけたらどうしようって?っていろいろ修正したけどね」


 持ち上げて落とすって自虐だけど…。


 次の計画として山脈の利用に移った。以前から低地は利用してたけど、高地の雪原を利用して雪食草が年中収穫できるように進めた。初期の頃入手した植物だけど、あんまり雪が降らないので使い道が無くて困っていた。しかし、雪がそれなりに降る地域の東部の開発で山の上の方なら1年中雪があると地元の人の情報を元に雪食草の年間を通じた収穫を当てにした計画を立てた。


 見事はまったが、実際にすむ住民はもっと下で暮らす事にして、収穫のため雪山を登るという特殊なライフサイクルになった。この中で、寒さに強い種族がやっぱりいるみたいで爬虫類系よりやっぱり哺乳類系の獣族が山岳民になった。土地ごとに種族特性が出るのはやっぱり面白い。海水に合った種族がいたら是非島にすんで欲しいのだが。水に適してても海水となるとなかなか。


 寒さに強い作物があったのにそれに気がつかずに来た点も大きな変化だった。今まで使えたのに山脈を勝手に開発無理と放置して生きたこと。熱い時期には低地と同じ作物。やや涼しい時期にポテト、パッソ。元々この山脈で発見された作物なので相性が良い。

 そして雪が降る時期には雪食草。一年を通じた収穫が可能。もちろんずっと繰り返すと土が貧しくなのでウォーターレッド休閑期向けの植物とを組み合わせる。これに高所での雪食草の実の収穫があるため余剰の作物を作る事が出来た。


 貧弱な場所だと考えていた山脈が実は豊かだった事にはやられた。はっきり行って高所に上って実を収穫する作業は重労働。しかし頑強な亜人の肉体とあくまで中層地域に住む住人の余剰の収穫物と言う点で土地がかなり有効に活用された。当初僕は高所で住む事を想定していたが、山脈に詳しい東部地域の情報からすぐに撤回しこのライフサイクルに落ち着いた。


 島での土変木の実の回収がかなり上手く行っていたので、調子乗って新規海岸部も大量に活用してなかった部分も植え始めた。後で絶対に邪魔になるのだが…。多分開発が凄く遅れると思うので、すべて半島での計算間違いが招いた結果だと反省して修正作業を頑張っていた。


「新大陸かー」


「どうしたんだ?」


 と武は返してきた。


「うん、海岸部の開発してて、別の大陸見つけたらどうしよう?って思っててさ。いずれは開発進める。その先に新大陸あるかもしれないじゃない。僕はそれ亜人だけでやるのきついと思ってる。敵がもしいたら協力して欲しいから。いずれはこの海岸部の存在しらせようと思ってるんだ」

「東部地域の連中知らないのか?」

「あの人達って国内の船を使った運搬と漁業してるだけで、そんなの知らないよ。外の世界あるのかな。この大陸全体を把握すると思ったより小さい。欧州の小国家乱立で争ってる感じの様な場所だよ。んでね、もしも将来的に僕達が人族を圧倒する勢力になったら。

安心してください僕ら外に向かってますからって侵略を否定する根拠にしたいんだよ。だから公表しようと思ってる。もちろん今は弱小を装うけどね」

「基本戦略として祐二ってこそこそだよな…」

「個人からスタートしてるからどうしても仕方ないよ。ジンギスカンだって部族が分かれていて、それをまとめて1つにしただけで、0から新しい僕の部族でスタートするってきつい。人種レベルの違いじゃないからね。って魔族と人間ってその程度なんだけどね」


 将来的には人間の国を無くす力が手に入るかもしれない。その時僕はどうするのか?そう考えた時どうやったらそうならないか?を考えていた。どうしても亜人が力で占領するのは無理がある。生かさず殺さず存続させて、僕らは別にやる事があるんだと言う目的を作れば良いと思っていた。


 すべては僕が計算間違いした結果。人間を上回る戦力を得る可能性がある。これは全く考えた無かった未来だった。自分が作った未来なのに、自分で制御できない。これが集団を統括する怖さなんだな。僕は全知全能の神じゃなくて神はいるんじゃないか?と思えてきた。不完全なら神は居ない。ってまあその前提が宗教なので。


 人を作るほどの叡智があれば全知全能。多分違うと思う。その後どうなるか?予測する事はもっと難しいんじゃないか?と思う。土地を計算間違いで作りすぎて、3国でバランス取るって当初の計画がぶっ壊れてしまった。征服して占領できてしまう?これはこれで不味いと思う。


 僕の理想は3種族がなんとなく混ざって曖昧になっていく事だと思ってる。それは混血って意味じゃない。交流も絡めて分かれて生きてることの意味の無い世界にしてしまえば良い。魔族の方で上手く行って無いけど、僕が進めてる人の世界に亜人を紛れ込ませるのがその流れになる。ただしきっかけは口減らしだったけど。


 魔族は融和地域を広めれば良いかな?と考えてる。魔族は出生率が低いので、おそらく融和地域に押されるから。これは魔族も根本的に抱えてる問題なので僕の意図を分かっていても受け入れざる得ないと思ってる。移民が問題が多いので、その形が良いなと。元々魔族は人口の割りに領土が広すぎる。ひとえに魔王個人の力によるものが大きい。


 さて当面の問題は今は負けてる人にどう効果的なダメージを与えていくか?となる。

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