召喚魔法の転移者3
僕(戸村比呂)は3人で話し合っていた。
「ええーーっと、僕は戸村君にこっちについてもらって満足な対価が支払えてない。だから戸村君が稼ぐために協力をしたいと思ってる」
「つかー実行犯は戸村だろ?」
土田武は事前田中祐二から相談を受けていた。
「んまーそうなんだけど、サポートする。町の悪徳商人を成敗して溜め込んだものを拝借しようかと…。
確かに実行するのは戸村君だけど、やっぱ悪い奴を懲らしめるって勧善懲悪みたいのは楽しいじゃない?善人踏み潰してなけなしのお金奪うって戸村君やりたい?」
「極端だな。それは確かにいやだ」
「俺らの力って基本強奪が一番得をするからな。ただ良心とか人間味ってのがあるからな。得だと思え無いんだよな」
いやまー悪人面で言っても説得量無いですけど、土田君…。
「さてそこですっきりした気持ちも手に入れて、戸村君に金も儲けてもらってああ亜人国について良かったと思わせたい。夢も希望も無いけど、人間の国で勤めるって手堅いのは認めるからね。勇者達にリーマンどもめ!って馬鹿にしてやるぐらい頑張ろう」
さて、第一弾は、高利貸し。ああもう定番だな。もちろん金貸し自体は否定しちゃ駄目だ。借りる奴が悪いとは言わない。だが物事には程度ってのがある。それを調査してサポートしてくれるのが亜人ネットワークと言う事だ。
「んじゃ戸村君よろしく」
そんな感じでミッションスタート。基本目立たないようになるべく近くで召喚して現場から逃走。後は目的の家に来たら家を破壊して。金目のもの探して強奪して逃げる。うわーこれ悪人ジャン…。隠れれる場所に戻って
「やっほーーい」
関わった亜人達とGJで盛り上がって締めだ。屋根とかひっぺがして壁に穴あけてもうむちゃくちゃやってるからな。そもそもある程度店に現金が置いてある。その辺り亜人さん達調査済み。
明確にスパイ的に強く情報収集するメンバーだけでごろごろ居る。身分のはっかりしたミドルハンター。後は商売を通じて町にやってくる連中。これら意外に外で人間に溶け込んで人間として暮らしてる人達の噂話、雑談程度がわんさか上がってくる。スパイ的な連中がこれらの情報を世間話みたいにさらっと訪ねて集めてくる。
今回の場合噂話から始まって、店に直接調べに行ったんだろうな。あの店の内部の詳しさは人づてじゃ無理だと思う。
次、奴隷商人。当然奴隷も特に否定的じゃない。だが虐待扱いをするのは禁じられてる。これはうん罰が必要です。建物ぶっ壊して、逃げれるようにして
「行くあての無いやつはそこに入れ」
と、おいてあった檻みたいの利用して数人奴隷をさらって逃げてくる。あんまり揺さぶると目が回るので気をつけて。この後奴隷ちゃんは、奥地に連れて行かれた。
「うーん、今回はちょっと引っかかるな」
「でもさ行くあて無い奴隷ってろくな事にならない。そして扱いの悪いところが良い主人探したりするわけが無い。助けるって言っても僕の出来る範囲でしか無理だよ。お金渡して人間の世界で頑張って生きてくださいねって調子良すぎない?」
「その金あったらこんな事してないか…」
「うーんそれ言われると反論できない」
さて、次は買占めして値を吊り上げている悪徳商人から買い占めてる食料を奪う。ぐふふ、食料強奪なら慣れてるぞ。今回のポイントはやっぱサポート要因だな。つかーやたらと至れり尽くせりだな。この人達も暇じゃないと思うが…。情報自体はついでで集めてるので、本格的に狙うぞとしてから活動したものとは分かれているらしい。
つかー亜人国がブラックじゃない?僕にだけならないように気を使ってるけど、何か部下みたいな人達かなり貧乏そう。亜人国に仕送りしてるんだろうな。
さて場所さえ分かればガンガン建物ぶっ壊して、食料の袋どんどん皮にぶち込んで、遁走だ。後は魔族の国に流すそうだ。僕は大体こんなものだろ?って一部を貰って終了。まあ悪くないと思う。基本難しいところは調査する部分だからな。暴れるのにまともな障害なんて居ないし。
後は、似たようなのをループしてしこたま稼いで終了。長く遣ったら駄目とはいわれてて、僕もそう思う。警戒されるから。これ唯一の欠点が、近くに行って召喚するから警戒されると不味い。もちろんかなり離れてやる。店の前で召喚だけはした事が無い。さすがに目撃者いたら良くないし。何が起きてるか?謎だから良いんだ。
「結構しつこくやったの意味はあるんですよ。欲張っただけじゃないです」
田中君はそういった。もう何か仲間に巻き込まれたのを認めるようになってきた。もう今更引き下がれないよね?これは…。
「ようはあれだろ?この先の事考えてるからだろ?」
「ええこれは戸村君には続きがあるの?とがっかりされるかな?って部分も合っても話します。その以前からずっとやってる金銭で動くゴーレム強盗。このイメージを利用して、何かしら軍にダメージを与えます。
それを決行するのは犯人が見つからなくても亜人達だと決め付けられる恐れがあるからです。でも考えてみれば分かると思います。軍を狙うってその線しか無いからです。昔の武器強奪を金目当てだと誤魔化す延長にもあります。あっちが本命です」
「まあ良いさのりかかった船だ」
田中君はニコニコしながら
「いやーそれにしても本当によかった。これで誘った事に僕も納得できました。かなり稼げたと思います。最初は国の関係のロクデナシを襲って私服を肥やした金をと考えていました。それやめたんですよ。人間の国の上層部が私利私欲の方が僕には都合がいいからです。
真面目に亜人国と戦うの頑張る人とか邪魔ですからね。今回誘ってよかったと思ってるのは、金持ちが多い人間の国を襲って逃げるには僕の国が良いでしょ?」
「まあそうだね」
もやもやした部分はあるけど、貧乏臭い気持ちが微妙にあった部分が払拭された。この組織が貧乏なの僕が良く知ってる。その中で僕は破格の待遇だと知ってる。金煩そうな土田君も意外と人間関係で付き合ってしまってるっぽい。
なんつかー農業はくそ真面目な国だけど、それ以外はこの国って犯罪組織っぽい臭いがするんだよな。真っ当じゃ無いんだよな…。




