つるはしを持った転移者9
ウルが帰ってこない。計算間違いをした。電卓なんてない時代だざっと計算してすごい間違いして馬鹿みたいな土地作ってしまった…。それと言うのも人間魔族は農民が居て兵隊を支えている。だから同じように見て国力を測ってしまったのだけど、あの2国が強いのはその分離にある。
亜人国は兵隊として死ぬと農業が壊滅的打撃を受ける。兵隊の何倍も農民が生きてる。前実は思った。ゆっくり作って徐々に増やせば良いと。それをしなかった罰だ。早く計画の変更を告げないと皆過労死してしまう…。うわー恥ずかしい。族長も間違えるんですね。とかなんか冷たい目で見られそう。
それでなくても無計画な土地の増築でウルに冷たい目で見られてるのに、平身低頭謝って許してもらおう。ただあって損は無いけどさ。ウル達おーせーーなって思ったら僕のミスだとは。アールとか、ヘクタールとかKMの計算を思い切り間違えた。多く見積もって5万いけると思う。水回りも森よりかなりしっかりしたし。ただ森って土が結構肥えてる。
この辺り計算できない部分がある。いやだから後から作ればよかったんだよって思うよ本当。はっきり言って焦りと恐れだと思う。あって損は無いから良いけど、問題は広さにあわせて皆に全力でやらせてしまってる点。この点は全面的にミス。他にやる事いくらでもあるのに何国民総開墾だ。やべー急がないと。後折角やってるのはそのまま上手くやってほしい。
一切辞めさせるのは簡単だけど、それはあかん。いずれはやるから。ウルに調整させよう…。ただ5万って大雑把な計算ってもうどう計算して良いか?分からないからすべてコムギ食うならってかなり強引な計算。んなわけないから滅茶苦茶な計算になってる。そもそも撒く小麦、収穫できるコムギで引く計算が面倒。
ものすごく大雑把に2~3倍って見立てて計算。後正方形の土地に正方形の畑で全部埋め尽くす計算。思い切り大森林作った。絶対こんなの計算無理。だからまあ目安として、5万と1000間違えたらアカンだろ?ってだけで。とりあえずすぐ出発した。
「あのーウルさん…」
「祐二なんですか?」
「実は計算間違いして、1000人養えるって5万ぐらいはいけるかも?って試算が変わりました。あんまり急いで開拓しないで欲しい…」
「でも人口は多いほど良いでしょ?」
「そうでもない。開墾は収穫が遅くなる。それは分かるよね?」
「はい」
「その分しっかり収穫できる土地に人を回したほうが良い。開墾って効率悪いから僕らみたいな人口少ない連中が大規模にやっちゃ駄目なんだよ」
「祐二のミスですか?」
「いやウルもこれ不味くないか?って終らない開墾について何か突っ込んでよ…。見てすっかすかだよね?」
「ん、まあそうですね」
「僕のミスは全面的に認める。ただそれを修正できる組織ってのもある程度は意識しておいて。ミスはミス…、素直にご免。んでさ今やってるのはキチンとやらないと効率悪いので、そこは片付けて、開墾のペースは落としてしっかりした土地に労働力回してほしい。後開墾は全部止めなくて良いからね?人口増加に対応しなくちゃいけないのは間違いないから」
「私もおかしいと実は思ってました…」
「僕もこんなに広い土地居るのか?って疑問ではあった。1、2KMの時はなんとなく大雑把にこれぐらいいけるとか分かってたけど。そこからもう何やってるか?分からなくなったんよね。後は数字上の話でそっちが大間違いしてたから。電卓知ってるよね?」
「はいはい」
「あれに慣れててね、大きな数字の計算思い切り間違えた。シンプルな計算ミス。そもそもコムギばっかり食うわけじゃないし、すべて大雑把な机上の空論なんだよな…、森の村さ全部足しても、この半島の10分の1も無いよ…、綺麗に土地使えてないのはなんとなく分かってたけど、ここまで差があるか。早く気がついてよかった…。1年たっても全く終らないぞ。参ったなあっちの海岸沿いとかやれそうにないな」
「だから無計画にポンポンと…」
「そうだね…、ただ防衛上の問題は多分無いから良いさ。5,6KMの半島でスタートしても良かった。三浦半島ぐらいで」
まあ良いやと思ってる。魚だけ何か問題あるかもしれないけど。塩は変わらず取れるし。ゆっくり開拓すれば亜人国他の国と国力的に張り合える。嫌だなと思ってるのはゆっくり土地を弄りたかったからそこだけ残念かな。
転移者3人で集まった。
「さて戦争のための会議しようかな。それでさ戸村君から指摘のあった火計については対応した。でも根本的に森から離れて打って出るのもありだと思う」
「前みたいな作戦使えないのか?」
「うーん、それさ火計されると逆にデメリットになる。それより森の前に出て後ろの森からかき集めたモンスターぶつけるほうが効果的だと思う。悪いけどさすがに1万クラスでこられたら武にも出てきて欲しい」
「それは仕方ないだろうな。後ろからモンスターぶつけるわけにいけないからな」
「んで、前に出るのに必須なのが魔族軍がどれぐらい来てくれるかになる。あっちが1万出せる頃にはこっちは3000、4000余裕になる。この点時間は問題じゃない。あっちも余程ひどい徴収でもしない限りこの程度のペースだと見てる。早い時期なら1万以下なので対応できる。
で、魔族に3000、4000は来てもらわないと森の外で戦うのは苦しい。火計に対して森の外で戦うか?中か?は魔族しだいとなる。だからその辺りの約束を武に取り付けてもらえないか?と」
「ある程度どれぐらい来てくれるか?全く分からないのは戦い方が全く違うわな。よし分かったいろいろつめておく」
戸村君に振った。
「戸村君はさ、あのゴーレムマジで家から操作して良いから。亜人の前面戦争に付き合う必要ないから。僕としてはあれと武のモンスター部隊で出鼻くじいて欲しいと思ってるだけだから」
「うん良いよ。本当に僕リスク無さすぎだね」
「あれ敵に回るほうが怖いよ。対した報酬出せないかもしれないけど、誠意と言うか頑張らしてもらうよ」
一旦区切って
「森の中で燃やされた時だけど、海側の戦力を鎮火したら来るだろうから、こっちからしかけて出鼻くじく。多分思っても無いだろうから負けないと思ってる。ただ出来たら魔族の軍に十分な数来て貰って森の前が良い。焼かれても僕らに何の得も無いからな。
火計恐れていたけど、魔族が来てくれたらある程度対応で切る事が分かったので、今回必要以上に恐れる必要が無いというため、その話し合いをしたつもり」
森を諦めていたけど、助けられる可能性がまだ十分にある。そもそも魔族無しだと全滅させられるから。それを半島が出来たから単独でもどうにかできないか?で考え直して、さらに火計の事が出て考え直した。なんとか方針がまとまった。




