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つるはしを持った転移者7

 僕は他人から言われて自分の能力の高さを改めて感じていた。僕は何か使い方を間違ってるんじゃないか?と思い始めていた。良く考えてみよう。このつるはしは対象と深くかかわりあう。その観点で試して見たかった事を遣ってみる。


「祐二?」


 キコの所に来た。なんとなくぎこちない。まだまだ親しみがないな。


「やあ」

「ええどうして??」

「ああ別に抜き打ち検査とかじゃないよ。海に来たかったんだよ」


 そういって僕はいろいろと見回って、立ち止まってつるはしを海に向かって振るい始めた。300平方メートルって所だろうか。海の中から土地が隆起し始めた。


「何が起こったの??」


 お、その素の感じのキコ良いじゃん。なんだ本当はこういう子なんだな。


「土地を作ってみた…、海に領土が広がったら嬉しいなと思ったら出来た」

「ええそんな簡単に?」

「うん、多分前から出来た。今やっとこのつるはしの効果的な使い方しったかも」


 何故つるはしだったのか?それが今分かった気がする。多分天地創造こそがこのつるはしの最も効果的な使い方じゃないだろうか?


 調子に乗って2KM四方の土地を作ってしまった。


「魚の影響があったら言ってね。もっと考えて作るから。誰にも言わずに来てしまったから。一度帰る。今度来たら本格的に土地広げるからここで泊まるからいろいろ用意しておいて」


 そう言って家に帰った。実は冷静にしてたけど族長としての威厳のため。内心僕神じゃんーーってハイになってた。ハイに成りすぎて逆に何か落ち着いて言ってしまった。次の日どこへ行くか明確にして誰か来たらこっちに来るようにしっかり皆に伝わるようにしておいた。遠いから朝一で行かないと行けないんだ。


 朝から晩までやってとりあえず10KM四方の土地を作り上げた。まずはここまでにしたのは、徐々に広げていけば良いから。とめておいた、それと言うのも地形を工夫し無いと使い物にならない。まず砂を周りに敷き詰めた。落ちたら上ってこれなくなる。次に水関係。まず少しだけ高い山を作る。上に上って泉を作る。


 水量が足りないけど、取りあえずは下に下りて受け皿となる湖を作る。後はそこに落ちていくように何個が泉を作っていく。それらが合わさって川になって空の穴に水が溜まっていく。細かいことは皆に任せよう。


「リサ」

「はい、手の空いてるものに頼んで暇そうなものから次に名前をあげたものをつれてきてくれ、ライム、ミア、メル、サキ、竜子。んじゃ僕は疲れたので休んでるから」


 夜中近くに竜子だけ来てくれた。


「竜子とりあえず新しい土地見た?」

「はいこれどういう事ですか?」

「僕が作った。竜子が主導して、いろいろ集めてここ開墾して村を作って。僕はこれから数日どんどん土地を広げるから事に専念するから」


 それから数日かけて、僕は5倍の広さにして、大雑把に水と砂浜と山だけ作った。後塩を作って魚を取ってる村のそばだけ複雑な地形にしておいた。魚はそういう所を好むらしいから。こっちは一切広げないので問題が無い。


「じゃ竜子一旦辞める、人員が足りないならいろいろ探して僕が一番重視してる開発だとして手が空いてるものを誘って頑張ってほしい。ただし最初のうちは食料足りないと思うからきちんと協力してもらってそこは無理が無いようにやるようにしてほしい」

「祐二分かった」


 うんやれば出来るじゃないか。と言うかあれ見て緊張してたんだろうな。まあ分かる神と讃えてくれ。なんと言うか慣れたんだろうな…。


 竜子だけじゃ苦しいと思うから、5人ほどモンスターから新しい娘を作って手伝いに生かせた。


「あっちで好みの男がいたら勝手に子供作れば良いから」

「「はいご主人様」」


 まあ奥さんじゃないし、これで良いか。僕の血が薄いモンスター娘の血が濃い子孫欲しかったので、彼女達にそれを担ってもらう。以前から血のコントロールはかなり気を使ってる。サキュバスの魔族人間の男との混血の子供達が人間に潜り込んだ中で多い。

 成長は遅かったが、まだまだ人間的じゃない。だが次人間との混血ではちょっと早すぎるんじゃない?ぐらいになると思う。それぐらいなら誤魔化しが効かないかななんて期待していた。


 最初から亜人だと分かってる相手にはガンガンハイスピードの成長の子供達を送っている。まあ許容してくれるだろう。どんどん人間側に送った子供達の成長スピードが落ちていき、やがて人口問題が解決すると思ってる。今はガンガン成長させられる。以前と違って回転の速い作物が豊富にある。当時の苦労を思えば食料の余剰も多いし多分大雑把な竜子にやらせてもなんとかなるだろう。


 竜子から人員が欲しいとの話が合ったので、さらに10人娘を送って子作りに励めと伝えておいた。半月ほどして、竜子に見に来て欲しいと言われて見に行く。まだすかすかだけど、1つ1つはかなりしっかり作られている。さらに土地を広げて今度は土変木を植えて枯れた後に早く生える木を植えて大森林を作った。


 武と連絡を取って来てもらった。


「おいおいなんだこれ」

「驚くよね。何かつるはしで出来ちゃった。悪いんだけど、向こう森があるからモンスターを連れてきて放してくれないかな?ちょくちょくとって食料にするから」

「おお分かった」


 さてとこれで食糧不足を補えた。さらに土地を広げる。竜子が作った家があるのでイチイチ戻らなくて良いのが助かる。1月かけて50KM×50KMぐらいの大陸が出来た。さすがにうんざりした。これで500~1000程度の住人を養えるんじゃないかと思う。

 森と違ってかなり効率よく土地が使えるのでその辺りは楽だ。ただモンスター様に大森林を創ってしまったのでその分は多分何も使わないと思う。


 モンスター畑のために作った森林が大きくて、その分大きくしただけで、まだまだ土地ががら空きで先行して作りすぎた。収穫量を低く見積もってだから結果で手から再計算かと。半島状に突き出しているので、能登半島ぐらいあると思う。同時に進めておいた森の拡張も随分進んだようだ。


 改めて考えてみるとモンスターの討伐による狩りがものすごく亜人国の食料に貢献してるんだな。一応森も作ってみたけどどうなんだろうな。こっちの方がどう考えても大きい。面積自体は南部まで含めてもこっちの方が小さい。ただ大半が森なのでそこまで農地使えてない。現代に較べてものすごく効率悪いな…。


 もう一月経過した。倍に増やすようなことはしなかった。地面をどうするか?と出来る限り森を作って、その分陸地を作るって形で作っていった。後形は枝分かれするように広げていった。量より質の一ヶ月だった。森もかなり大きく拡張したので、広げたのを利用して村を作る事にした。全体的に薄っすら広げたため一部しっかり厚みをつけた地域を利用した。


 北部の森はもう大きくするのをやめた。開拓村と近づきすぎてる。さすがにモンスターが危険だ。やがてウルが帰ってきた。


「どうだった?」

「さすがに何も無かったですね。数ヶ月月でポンポン新作物発見できたらジョナサンさんに悪いですよ」

「僕もちょっと報告があるけど、海に土地を作っちゃった…。竜子が開拓しきってるから、かなり広いからウルも手伝ってあげて」

「どういう事ですか?」

「つるはしで海底が隆起したんだよね」

「そんなとんでもない事が起きてたのですか、見に行って手伝ってきます」


 遣りすぎたなと思ったので、とりあえず開墾がうまく進むまで拡張は休憩する事にした。半島でも鉱脈をいろいろ作っておいた。山脈や森に人工的に作った様々な鉱物の鉱脈と、元々あった自然の鉱脈の発見で産出量が飛躍的に伸びて鉱石は自給できるようになっていた。後は魔族との融和地帯に住む魔族から教えてもらった技術で国として鍛冶の技術が向上した。


 順風満帆になってきたけど、これじゃまだ何となくとは思わない。勝てるかも?ぐらいには思えるようになってきた。


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