召喚魔法の転移者
僕(戸村比呂)はエルシャで好きな魔法が召喚魔法だった。人とパーティーを組むのが苦手な僕はゴーレム召喚、エレメンタル召喚、デーモン召喚など、様々なモンスターを召喚して使役して戦っていた。ある日ゲームをしていると僕は自分が消えてしまった事に気がついた。ゲームの中に入ってしまった。
家から出るとそこは全くの別世界だった。家の中はゲームの中に入ったんだと思ったけど、外に出たら全く違った。しばらく歩いていると村があった。村人に話してみると話が通じる。これはNPCって奴なの?どうなんだろう。
「ここなんて名前の村ですか?」
「名前は特にまだ無い」
会話が途切れてしまった。何を話せば良いか分からない。
「腹が減りました。食事を取れませんか?」
渋い顔をした。
「旅人か?」
「多分」
「お金持ってるか?」
ゲームのお金を持っていた。すぐに僕はお金を見せた。
「宿屋も無いし料理屋も無い。うちで作る料理で良いなら金を貰えば食わしてやっても良い」
「よろしくお願いします」
良く分からない煮物。あんまり旨くない。ただ空腹だったので食べれた。
「美味しかったです」
「本当にか?」
「ええ」
何を言わせたいんだ?
「町で食べた料理はもっと美味しかったんだよな。餓える事は無いがそれほど豊かな村じゃないので舌の肥えた客人にはお金を取るほどか?と思ったのだが、それなら遠慮なく頂こう」
そういってお金を渡すと。
「こんなにも要らない」
そういって返してくれた。ガメツイわけじゃなくて、食事の貧しさからあまり豊かな村じゃないのかな?から余裕が無くてお金を取ったのかな?とりあえず家に帰った。うろうろしてたから腹が減ったけど、家の中に居たら空腹に成らなかった。
もう少し考えて行動しよう。良く考えるとこの家に戻れて助かった。かなり適当にうろうろしていたから。遠出しなくて良かった。明日はあの村でいろいろ聞こう親しくなったのでもっと話しやすいだろう。
次の日村に向かった。村人の姿が無かった。村の回りには多種多様の作物の畑があり、そこに村人が居た。別の人は嫌だな…。
「すみませんー、昨日こちらで食事をごちそうになった旅人です。この付近の事教えてもらえないでしょうか?」
にらまれてしまった。まあ忙しいそうだ。
「何を聞きたいんだ?」
「食事など気楽に取れる場所がある大きな町などは無いのでしょうか?」
不機嫌そうだったのに青年は親切に教えてくれた。口調はぶっきらぼうだったけど。町まで行って見た。
街には食堂があり入ってみた。洗練された味には程遠いが昨日よりは確かに旨かった。調味料を使って無さ過ぎるんだ。昨日払った分ぐらいですんだ。うん確かにあれで同額って違和感があるのは分かった。飯食ってばかりだなと思うのだが、何をして良いか?さっぱり分からない。
整理してみよう。僕は何をしなくてはいけないのか?やっぱり家はあるので飯を食わなくてはいけない。飯を食うなら農業を遣るのか?土地が無い。他には?そのために何が必要か?金だろう。当分はあるけど、いずれはそこを尽きる。お金を稼がなくてはいけない。
どうやってお金を稼げば良いですか?と言われても相手は困るな。じゃ仕事してる人が何をしてるか?見れば良いんだ。片っ端から様々な仕事をしてる人達を見た。
そこで分かったのは雇ってくれと言うしかない言う事だった。大半断わられた。そりゃそうだろう。僕も雇ってもらえると思ってない。試しにやってるだけだ。やらなきゃ何も始まらないから。そして家に帰った。途中村によって話をした。朝の青年はまだ仕事をしていた。
「雇ってもらえる相手知りませんか?お金が無いんです」
「お前強いか?それなら今すぐ稼げる場所があるぞ」
「強いか?は分かりませんが教えてもらえませんか?」
「少し待ってろ」
そう言って仕事の区切りが付くまで待って青年と出かけた。家のある森の中に入っていった。かなり歩いたら森の中が開けてきて、人が住んでるような村があった。村の中に入ると奇妙な人達が一杯居た。モンスターの様だった。でも話しかけられた。
「誰だそれ?」
「何か旅人とか言ってて変な奴だが誰も雇ってくれないお金が欲しいとか言うからつれてきた」
「ああそういえばそんな話し合ったな。困ってる人間連れて来いって話し合ったな」
え何か怖いのですか…。モンスターが困ってる人間連れて来い?それやばく無いですか?
「武器貸してやるから構えてみろ」
「あ、僕持っています」
金を出し入れしてて気がついたけど、ゲームの時のメニューそのまま使える。アイテムに剣があったから持ち出した。剣が現れた
「おいちょっと待て、お前何した?」
「族長の技と似てないか?」
「そういえば顔も似てるな」
二人で勝手に話し始めた。
「まあ良いお前面白いなとりあえず力量だけ測ってみる」
いきなり剣で攻撃してきた。何故か対応できてる。ゲームの時の慣れなんじゃないか?と思う。もちろん体使った事なんて無い。ただやり取りだけはどこか似た部分がある。
「素人臭いが悪くは無い。まあ俺らも力任せだしな。つかーお前人間か?」
そういわれて次は水の入ったカメを持ち上げさせられた。なんと無理だろ?って思ったカメ楽勝でもてた。
「お前何者だ?魔族か?俺らの同類ってのもあるな。知らない所のやつとか。ただその剣が突然出てくる族長みたいな技がな。魔法は何か使えるのか?」
「魔法は任せてください」
召喚をやって驚かせよう。と思ったら召喚がゴーレムしかない。へ?何かいろいろ違ってる。とりあえず遣ってみるか。
「ゴーレム召喚」
別に言わなくても良いけど、使ってみたら勝手に言わされた…。ちっさー。僕の身長より低いマネキンみたいな貧弱な人形が現れた。いやいやゲームのゴーレムってプレイヤーキャラの2倍はあるやつだった。
「なんじゃこりゃーー」
僕の方があんたにそう思うよ。熊みたいなオッサンにびっくりされた。
「これ魔法なんだろ?どうやって戦うんだ?」
「いけーとか倒せーってモンスターにぶつけて行けますよ」
ってモンスターってゲームジャン…。
「よし行こう」
熊オッサンルンルンで盛り上がっちゃって村の外に出て行くことになった。尻尾ふりふりしてる…。青年もついてきた。農民、熊、僕、変なパーティー…。
長時間歩かなくてもすぐにモンスターが居た。動物じゃないの?いやいや違う。大きなトカゲの口がくちばしで2足歩行の動物なんて地球に居ません。これゲームに要るからすぐ分かった。やっぱこれゲーム?ちなみにあるけでなとなく僕の後ろついてきてつれてきました。
「行けー」
念のため剣を構えた。熊のオッサン守ってくれるよね?いきなり人形タックル喰らってぶっ壊れました。
「よわー」
「いやいや何か装備し無いと武器があれば剣を突き刺してましたよ」
熊のオッサン持ってきた斧でざっくり一撃かました。それでも死なないので僕の方に来た。
「さあやってみろ」
まあざっくり切った。だってフラフラだもん。
「それ弱いけど、お前は悪くない。合格。ただな、お前何かすごいから族長に紹介するよ。ちと連絡するからそれまで誰かと一緒に鍛えておけ。後その使えない魔法もっとなんとかしておけ」




