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新しい開拓地4

 エリック・ガウン達は苦境に立たされた。モンスターの勢いが突然上がり始めた。そんな時だった。村にソルベさんと以前来た転移者だと言う人物の他に女性が数人同行していた。


「やあ田中さん皆さんが苦しいと聞いて助けに来ました。この子達を使ってください」


 そういってソルベさんから田中さんは女の子4人を紹介された。


「は??この子達が?」

「田中さんは知りませんか?亜人と人間の戦いで圧倒的な強さを見せた亜人達の事です」

「ええこの子達そうなの?普通の女の子じゃないか」

「そう思うなら誰か模擬線でも付き合ってくれないか?」


 180CMはあるだろうか、人相の悪い転移者だと名乗る男がそう言ってきた。


「じゃ俺がやるよ」


 俺が名乗りをあげた。


 正直馬鹿にしていた。しかし見た目に騙されるなとすぐに考えを変えた。強力なモンスターが知性を持ったような相手だ。人間離れした身体能力。早く強い攻撃で、びくともしない頑丈な体。


「もう良い」

「なんだエリックもう女の子相手にへばったかー」


 田中さん多分分かって言ってる。つかー微妙におっさん臭い発言の様な。


「こちらこそよろしくと言いたいけど、お金ないよ?」

「それについては問題ないです」


 そうやって一人の子が返してきた。ソルベさんが亜人達から頼まれて運んでくるそうだ。後討伐したモンスターを食うから良いそうだ。そして是非開墾も手伝わして欲しいそうだ。食料はそこからも補うからと。お金は一切要らないといわれた。


「なんだそれこっちに都合が良すぎないか?」


 田中さんがそう返した。


「当然こっちの話を聞いてもらいます」


 そういかつい転移者が話してきた。


「俺はまあ亜人じゃないです。親族の人間でもありません。ただ橋渡しの様な事をちょくちょくしています。戦争があったら一緒に戦ってくれじゃないです。手を出さないでくれるとありがたい」

「そもそも手なんて出して無いから」

「そこから一歩進んで密につながりを持ちたいんですよ。亜人とこの村で国を無視した交流をしてもらえないか?と思っています。でも軍事協力じゃない」

「例えば」

「人の交流と単純に物品などの交易です。それ以上は何もとめません」

「十分こっちに都合が良いとおもうが」

「しかし国の補助を受けてる村で亜人と交流してると分かるとあまりよろしくないのではないですか?」

「大丈夫大丈夫任せておけってあかんなジャック呼んできてくれ。俺が決めたら不味いわ」


 ジャックさんが来て正式にまとまった。あくまで秘密裏の亜人との交流。


 彼女達は真面目だった。多分俺らの平均より強いと思う。でも皆から何かを学ぼうと低姿勢だった。おそらく彼女達は選ばれてここに来てる。とてもモンスター討伐初心者だと思えないから。知らないふりをしてくれているけど、戦っていればすぐ分かる数多くのモンスターを知ってて戦ってる。


 ただ連携とか俺ら独自の事は、きちんと学ぼうとしてるのが分かるからそれについては何も言わない。あれは知ってるこれは知ってるだと話しがスムーズじゃないので、教えてもらいますって姿勢を一貫してるんだと思う。


「エリックさんお願いします」


 しとめ切れなかったモンスターを俺がしとめた。なんだかんだで彼女達を入れたチームとしてまとまってきた。交流や交易も頻繁に行われたある日真実を告げられる。


「騙していたわけじゃないけど、実はモンスターの勢いが激しくなったのは亜人のせいなんだ」


 久々に遣ってきて、人相の悪いごつい転移者はそう話してきた。俺達はまだましだが、この世界では平均的に栄養状態が悪くて、180CMとかごろごろしてない。だから余計に目立つ。特に転移者は比較的元の世界が栄養状態が良かったらしくて、体格が立派だけど、それでもこの男は飛びぬけてる。


「亜人のせいと言ってもけしかけたわけじゃない。実は緩衝地帯に亜人の村がある。魔族の融和地帯から来ていたわけじゃない。そこから直接来ていた」


 亜人は強いからあまり気にしてなかった。しかし、その発想は無かった。住んでるだと?


「以前から計画はあったけど、開拓メンバーは当初モンスターを討伐して魔族の境界線に向かうのが任務だったと思う。今見て分かるけど、人員が不足してると思う。人間の国の内情は知らないけど、方針転換があったんだと思う。

だから緩衝地帯に入り込まないなら俺達は逆に協力し合えると思う。最初は迷惑かけたけど、今は中と外から挟み撃ちで人間の国にモンスターを出さないようにしてる君達に協力したいと思ってる。

ただしここからが以前話した軍人には協力するなって話しの続きになる。俺達が協力するのはあくまで開拓村のメンバーだけだ。それ以外の所で軍隊へモンスターを消しかけてもそれは君達への裏切りじゃないと理解して欲しい」

「戦争が起こったらという事なら2つ返事で了解したといおう。俺達は戦争に協力し無い」

「田中さんが返答して良いのか?」

「これは俺が答えて良いはずだ」


 ジャックさんは何も言わなかった。俺も田中さんが答える意味があると思う。この村の最強は間違いなく田中さんなんだから。


「出来たら元魔王討伐隊の連中にも話しておいて欲しい」

「ああ任せておけ。それと特別Sハンターって扱いだから。あんまりそう呼んでやらないでやってくれ。今は軍隊と何の関係も無い」

「分かった」


 確か土田武だったか。奴は帰って行った。俺が思うのはあいつって人選ミスじゃないか?と思う。どうも脅迫してるように見えるんだよな。悪人面だから。


「田中さん国への裏切り行為なんですかね?」

「知らなかったで押し通せば良いさ。彼女達も見えなかったで片付くし。なんだったら結婚デモするか?俺はちょっと良いなと思ってるんだけど…」

「ええそれ何か」

「いやいやこれ亜人のためにもなるんだよ。配偶者ってそんなにとやかく言われん。買った女をそのまま嫁にしたとかもいくらでもある。そんなの元娼婦だとか問い詰められて明らかにするとか国がしたらハンターから不満が出るよ」

「なんだかんだいって結婚に焦ってるでしょー」

「ちょっとね。あのさこっちで英雄みたいに俺なってるけど、元の世界の俺からすればあんな可愛い子と結婚って、キャホーイーって叫んで、逆立ちして足で拍手するぐらいだぞ」

「俺そんな田中さんみたくなったっす…」

「まあまあ、やらねーーから」


 田中さんが変な事言うから俺も意識してしまった。この後微妙な気持になる事が起きた。突然この話の後やってくる亜人が亜人らしい人が混じるようになった。いやいやそれは噂に聞いていた亜人で俺が知ってるのは可愛い女の子ばかりだったのが。俺達籠絡されてないか?って疑ってしまった。


 器量が悪いとかそういうものじゃない。根本的に人間じゃない…。ただちょっとその中でも可愛いなと思う子が居たけど…。それでも女ばかり来るんだよな。ちなみに亜人と仲良くするなとは一切言われて無い。


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