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奴隷ちゃん5

 僕(吉田健一)達は魔の族国の人と魔族の共存領域に遣ってきた。


「それでレイヤさん何をするつもりですか?」


 つれてきてくれたソルベさんはそう尋ねた。僕もだがソルベさんも気がついていたのだろう。道中彼女が語る魔族への思い。だが具体的な融和の話は何も無かった。うん、まあそれなりに付き合ってるから分かる。彼女は所謂脳筋だ…。長く生きてるけど、あんまり考え無しに生きてきた奴隷時代が長い、さすがに長く生きてる知恵は持ってるが、それでも奴隷前の性質は大きくは変わらず根本的に単純なんだ…。


 熱い思いを語る彼女だが、そもそもまだ奴隷として心が完全には戻ってない。どこか人形っぽい部分のある口調などはそれほど劇的には変わらない。言葉は熱いが本心なのか?疑ってしまうほど淡々としている。


「申し訳ありません、ノープランです…」


 やっと彼女は自分の現状に理解してくれた。長く生きてきた知恵物そんな風に最初見てて、実際そういう部分もある。だが奴隷解放から自由意志を軸とした感情が徐々に復活してくると、元来彼女が持っていた単純馬鹿が表に出てきて、これもまた彼女の魅力だなと思えるくらいに変化に対応していた。


 ただ彼女は身体がついてきてないだけじゃなくて、どことなく心もぎこちない。余分に生きてきた300年は無意味ではなかったという事だろう。おそらく熱血漢だった勇者の彼女にやっぱり300年奴隷として生きてきた人形の様な彼女が混ざっている。一緒に来てよかった。全くまだまだ駄目じゃないか。


「じゃ当面私の下で働いてくれませんか?この場でいろいろ関わってるうちに自分がやらなくちゃ行け無い事が具体的に見えてくる事もあると思うんですよ。私は今モンスター肉の販売をしてします。

おそらく2人ならモンスターを緩衝地帯から狩って来てその補充をする事が出来ると思うんですよ。それを魔族に販売して欲しいんですよ。魔族にはモンスターを狩るの大仕事です。だからあなた達が人間だと理解してくれる分かりやすい事だと思うんですよ」

「了解しました」


 なんとなくレイヤは元気そうだ。良かったと素直に思う、僕もある程度強くなって来た事がである。レイヤの手助けが出来る。全くこれじゃどっちが奴隷だか?分からない。そう思うと本当にレイヤは解放されたんじゃないかな?と思えてきた。

 なんとなく分かってきた。何故彼女が以前の状態をひきづったまま戻らないか?と言うと強くやりタイ事が無かったから僕の指示に従ってしまうからだろうな。彼女が見つけた初めての遣りたい事を応援してあげたい。


「健一そっちはお願いします」


 レイヤのお手伝いで来ただけだったけど、僕も来てよかった。ミドルハンターぐらいの実力は出来たかな?と思ってたけど、実際ミドルハンターとして活動した事は無い。開拓地を回ってるのでモンスターと遭遇するのはしょっちゅう。それで倒してはいたけど、本格的にそれを生業とするような戦闘をしたのはこれが初めてだと思う。


 僕はミドルハンターとしてやっていけると思う。おそらくこの大陸で一番の危険地帯で活動してるんだから。開拓地をめぐってるから分かるのは、僕らが立ち寄った最後の開拓村は経験豊かなツワモノのミドルハンターが揃っていた。少数精鋭って感じだった。それはこの地域が他の開拓地とは違う事を示していた。


 最初は人間と言う事でよそよそしい対応だったが、ソルベさんの下でやってる事で受け入れられた。そもそもこの土地にやってきてる人間でそういう人が一人も居ないから。多少偉い人のソルベさんでもその下で部下のようにやってくれる人間たちは居ないようだ。それに僕もレイヤも気がついた。


 人間側にもちょくちょく行ってるのだが、開墾はきちんとやってる。多分農民なんだろう。でも元?って言葉が付きまとう。兵士だったんじゃないか?と思う所がちょくちょくあるんだ。まず戦場での経験があるレイヤがすぐ気がついて、言われて見るとで見たら僕もそう思えてきた。うーんレイヤが言うトロイの木馬が現実的になってきた。


 ただし工作活動の様なものは全く無かった。おそらく元農家ばかり集めたんだろう。この辺りは意外と遣る事が丁寧だ。


「工作活動じゃなくて、このまま耕作活動を続けてくれると良いなー」


 って日本語でレイヤに言ったら。さむって顔をされた…。なごませようとしたんじゃないかーー。


 ただ武器とか無いし、誰かそういう人が外から遣ってきてとかありうるなと言う事でソルベさんにそれとなく話しておいた。ソルベさんはもう知っていたみたいで、魔王からそういう事もあるかもしれないと示唆されていたらしい。

 レイヤじゃないがこのままじゃ駄目だと僕も乗せられていた。折角魔族側が僕らを通じてなごんできてるのに。


「モンスター肉を人間側にも売って良いですか?」


 僕はソルベさんにそう話していた。


「何故?」

「いきなり打ち解けあうと言うのは難しいと思うから。僕らが間に立って商売を通じて交流が出来れば良いんじゃないか?と思ったからです。ただまずは僕らだけで始めたほうが良いかなと。やがて魔族側の商品を人間側に、逆に人間側のものを魔族側にです。そして最終的には僕らがいなくてもやり取りしてくれればと思います」


 今はまだ人間側が持ってきた物資でやりくりしてるけど、いずれは尽きる。頭を下げてどうこうするというのはわだかまりが出来るだろう。おそらく任務としてやってるから頑張ってしまうと思う。そういうのじゃないんだよな。兵士じゃなくて住民になってほしい。


「ありがとう」


 レイヤが話してきた。まあー別にレイヤのためじゃなかった。僕も来てよかった。来てみて接しているとなんとかしたいと思ってくる。やがて人間側にもなれてきた。細々と物資の流通が始まった。


 だがなんと言うか結果良ければそれで良いのか?そう言いたくなる自体が起こった。新しい種族の参入である。青天の霹靂。魔族と人間そんな小さな枠でグダグダやっていたのが馬鹿らしくなるような事態が起きた。元々は人間と争いになった謎の集団が公になって、それがなんと魔族でも人間でもない新しい種族らしい。


 亜人と彼らを呼んだ。この亜人が積極的に両種族に交流を図るから。なんとなく亜人が混じる事で種族で分かれてしまう壁の様なものが破壊されていった。特に魔王が同盟を結んだ亜人と魔族は仲が良かった。敵対関係にあった亜人と人間もそういった因縁が無い人間とのやり取りだったためすぐに打ち解けて行った。


「うーん僕はずっとこっちに居たから知らないけど、戦争になったんだよね?人が憎いとか無いの?」

「ああ族長が前線に立たなかったり、奥地に居た亜人だけを選別してこっちに送ったからだと思います。ただ私の場合親族がと言う思いがあるから全くわだかまりが無いといえば嘘になりますが、その人達は戦った相手じゃないと族長に諭されてここに来たので、それに対して裏切れないって思いの方が強いのがあります。

人間の国には入れないので、ここで3国上手くやっていくんだと言うのを実現して欲しいといわれています。族長に恥をかかせるわけには行きません」


 元々魔族側もいかにも魔族という容貌の人じゃなくて人間に近い人ばかりここには多かった。そして亜人もそうなんじゃないか?と思う。見た目全く変わらない。じゃ何故亜人と呼ばれるのか?多分人間とちょっと遠い人もたくさんいるんだろう。

 元々ソルベさんが一定量供給してて、その追加で僕らも遣っていたけど、亜人がモンスター肉をもってくるので僕らの仕事が減ってしまった。


「レイヤ帰ろうか?」

「はい」


 失意じゃなかった。結果は良かったと思う。ただ僕らの努力が実った結果なのか?はなんとも言えなかった。それでも3種族が徐々に打ち解けていくのを見てると素直にこれで良かったと思いここから人間の国に戻った。次見に来るのが楽しみだ。


 それにしても、明らかに女性の割合が亜人は高かった。男たちはせっせと開墾作業をもくもくとやって、多種族との交流はすべて女性達が請け負ってる。なんとなくこれお嫁さんにもらってくださいって意図があるんじゃないか?と思えてくる。皆綺麗なんだよな。男はそこまで綺麗な顔だけ揃ってない。


 魔族はそうでもないが、人間は男比率がすごく高くて、これ何を考えてるんだろうか?と思っていたけど、亜人女性と接する人間の男の顔を見てるとんまーそういう事になるんじゃないか?と普通に思えた。

 これ上手いなと思う。魔族側を警戒してたから、突然やってきた亜人側には全くの無警戒。男が多いむさくるしい開拓地に友好的な綺麗な女性がわんさか来たらそりゃ…。


 魔族や人間が劣ってるわけじゃない。特に人間は開拓地より農業になれてないか?って人選。それでも亜人側の開墾速度の速さはすごい。これある意味侵略じゃないのか?多分亜人がこの地の多数派になるんじゃないか?と思ってしまう。何か準備が凄くて大規模にこの土地を開拓しようって計画性が他の種族と違いすぎる。


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