迷い込んだ転移者4ー2
「武さ僕はさ人間と魔族に対する第3勢力になるつもりだ。それには君の力が是非欲しい」
我慢してきたんだろうな多分。前のあいつの村じゃ笑って分かれていたと思う。まだまだこの村は大きくなるし、俺が手を貸せばもっと大きくなる。第3勢力決して夢物語じゃない。
「どっちかにつけば楽なんじゃないか?」
「じゃあさ何故武は人間につかないの?」
核心に迫ってきたな。ただすぐには返答をしなかった。田中も俺がどういう気持ちか大体分かってる。だから距離をとってきたんだ。
「僕はね魔王が憎いんだよ。だから人間に付くのが感情としては理に適ってる。でも僕の家族が人間に受け入れられると思う?」
「思わない」
「ああ君でさえそうなんだからね」
まあ知ってるよな。
「敢えて話しかえるぞ。何故魔王が憎いんだ?」
「ああ武なら分かると思う。僕はさ楽しく気楽に生きれればよかったんだよ。何故日本とは違う状況、強い力を得て日本みたいに誰かの下について給料貰う生活しなくちゃいけないんだって思ってたんだよ」
ああ俺もそう思ってんたんだよ。
「その生活が僕は過去あったんだよ。それを壊したのが魔王のモンスターの緩衝地帯なんだよ。急に増えたモンスターに僕は対応しなくちゃいけなくなってしまった。僕がモンスター娘好きの変態だと武は思ってるだろ?まあ否定はし無い。
でもこんなにも奥さん欲しいとは思って無かったよ。人間と魔王に対抗するため鉄の結束の集団を作りたかったんだよ。愛情はあるよ。だから生む機械だと思ってるわけじゃない。ただどっちの気持が強いか?なら皆で対抗できる集団にならなくちゃが大きかった」
唖然として返答できなかった。
「あのさ今でもそう思ってるのか?俺は魔王と同盟したほうが良いと思うぞ?」
「なんで?」
「話さないといけないな。俺は魔族と同じ力を持つんだよ。俺はその力を自由に切り替えて人間にも魔族にもなれる。なんとなくテイムから想像付くか?と思って言わなかった。俺魔族の領域で主に暮らしてる。どっちかと言えば魔族より」
田中はパニックになってるようだった。だがすぐに冷静になった。それを待って俺は話し始めた
「動機は分かる。だが今お前がやりたいのは第3勢力になるだろ?そのためにお前の敵は明らかに人間だ。魔族をモンスターは避けるし、強制的に国から追い出す事もできる。そうなると田中の村は魔族にとってモンスターを間においておけば脅威にならない。
大して人間は田中の村がモンスターを人間側に追いやった時に攻撃されるから存在が絶対に許せない。しかも人間はまだ魔族への進行を諦めてない。今は準備してるだけだ。多分田中はそれだけの情報をもう持ってる。だが感情的になってその判断が俺より出来ない」
かなり考え込んでいた。
「確かにそうだ。大幅に方針転換をしようと思う。魔王との同盟考えておく。だがそのパイプ役を武に頼めるの?」
「いやいや俺そんな大物じゃない。でも田中の村がもっと大きくなったらそんなに交渉するの難しくない。まだまだこんなものじゃ駄目だ。もっと大きくなるまで我慢したほうが良い。隠せないほど大きくなったら俺が魔族側で誰か居ないか?探ってみるよ。完全に魔族と見なされる俺ならそういうツテを探りやすい」
「ありがとう」
「方針が決まったついでに、実はなお前の生活壊したの俺なんだよ」
「え???」
しばらく間が空いた。
「怒らずに聞いてほしいけど、俺は魔族側に居るわけで、魔族に隠れて協力しようと思ってモンスターを前線に送ってたんだ。その過程で多分田中達にもモンスターの圧力が高くなったんじゃないかと」
「武なんか口上手いな…、その話の流れじゃもうどうでも良くなってるよ」
「悪い途中で俺が悪いんじゃない?って気がついて説得しようと誤魔化した」
何か田中は切り替えたように話してきた。
「あのさ部下になれとかそういうのは言わない。でもさもうちょっと強固な関係にするためモンスターの女の子貰ってくれない?別に子供作れとか言わないから」
「おいおいお前の中古か?」
「人の奥さんに酷い言い方だな。もちろん処女の子だけ用意するから。もう大体武の好みは分かってる。3人ぐらい候補絞るから武が選んでよ。たまに僕の奥さんちらちら見てるよね?」
「ウルとか可愛いよ…、でもウルは嫌だからな」
「僕が嫌だよ。彼女は特に特別だから。それ以外なら良いね?」
「ああ分かった。ただしマジで好みならな」
「人間に近い子でしょ。OKOK任せておいて」
嫌じゃないのだが、話を切り替えよう。
「実はさ俺の話しで分かると思うが、俺はモンスターを自由に動かせる。細かい指令は無理だモンスター自体が馬鹿だから。テイマーっていうならそうなんだろう。それで俺はモンスターを連れてこれる。んで田中前モンスターが将来的に減る話をしていただろ?」
「うん」
「当時は不可侵でいちいち言わなかったが、今ならそれ俺が解消するからそれに対して何かしら対価もらえないか?」
「将来的には調整しなくちゃいけないけど、その時期をぎりぎりまで遅らせられるね。良いよ。そうかそれがあったから打ち明けたのもあるんだな」
「俺は田中の部下にはならないが、対等な協力者にはなる。もし戦いがあるならモンスターの軍団で戦っても良い。あくまで同盟者だ。俺はやっぱ大きな組織に振り回されるのはいやだ。お前の言うように家族だとしてもだ。少数精鋭で協力してやるよ。嫁は飛び切り可愛いの選んで置けよ」
熊、虎、狼、そういったタイプの人型のモンスターから生まれたモンスター娘を田中は取り揃えてきた。俺は狼を選んでしまった。
「あのさーウルも何か言ってやってよ。顔がウルに似てるじゃん。名前はベルね。全く血のつながりは無いけどウルの妹みたいなので3神のベルダンディーから」
「思ったんだけどさ、お前の奥さんってお前の娘みたいじゃないか…」
「ああまあ、そういうさ日本って国に適した変な価値観を持ち込まない。郷に入っては郷に従えだよ。うちの娘可愛いの?可愛くないの?」
「ああ可愛いよ」
ベルは俺の方に向かって話し始めた。
「始めましてご主人様。今日からよろしくお願いします」
「うんよろしく」
あかん、あーだこーだ言ったが可愛いわベル。娘を同盟の道具にするとは戦国時代か田中ー。でもまあ根底に田中とは上手くやっていきたいのがあるので、田中の性癖を共有するのも悪くないのかも。まあ見た目尻尾と犬耳があるだけで、ほとんど人間だからケモナー上級者じゃないけど。
俺の協力もあって人口調整していたのが、それを外したのであっという間に200人ほどの集団になった。俺の方はまだ子供は生まれてなかった。敢えて突っ込んでないけど、全部田中の子孫なんだよな。天皇家や種馬のセントサイモンみたいだな。俺はあんなハーレム作らないから…。
それにしてもゴブリン並に増える一族だな…。




