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ある転移者の話

 僕(羽佐間俊)はある日ゲームをやっていてゲームの家から出ると全くの別世界に来ていた。ただ不思議な事にゲームの家だけはしっかりとその世界に存在して、家に帰るとまたゲームの様な画像に戻ってしまうが、プレイする自分が居ない。幸い家にたっぷりお金と様々な武器防具珍しいアイテム道具、金銀財宝があり生活にはまったく困らなかった。


 ゲームのお金がそのまま使えた。ただしゲームにあった町などと全く違うし、そもそも住む人達もNPCだと思えないし世界自体もゲームと思えない。ゲームをやっていたら異世界に家毎紛れ込んでしまったと言う感じだろうか。生活にほとんど困らない僕はこの世界の事を調べる時間に費やした。


 調べてみると元日本人って前世を持つ転生者という存在が当たり前の世界で、僕の様なものは転生者に対して転移者として過去に存在していた。あくまで通説に過ぎない世間の常識程度で、転移者は外れ転生者の世代に送り込まれる保険だと言う話を見た。転移者が発見される時代は決まってイマイチ弱いとわれる転生者の時代が多い。


 酷い話だが、誰も彼もまるで適わない強者の転生者に面と向かっては言わないけど、外れ転生者の世代は魔物が活況で生活が苦しくなる。だから自分の生活が苦しいのは外れ世代のせいだと思うのが一般化していた。初期の頃は違ったんだろう。救世主としての転生者が繰り返される生活の中に組み込まれると転生者に助けられる事が常識化して、助けてもらってる転生者への感謝が薄れてしまうようだ。


 僕はこの事実を知って転移者だと名乗るのはやめる事にした。お金だけはわんさかあって、転生者と同じく特殊な力もあり、かつ家まである。人とあまり関わらなくても生活していける。幸い家が置かれた場所があまり人が回りに住んでなくて都合が良かった。


 外れ転生者の保険と言う噂は案外事実なのかもしれない。僕はこの世界の常識とされる肉体を使った攻撃とその他の攻撃がどっちも世界最高峰のレベル実現できる力があった。これは転生者でもそうそう居ない。それは肉体的に魔王以上だと意味になる。

 じゃ魔王と一対一で対したら勝てるんじゃないか?なら勝てる可能性がある。ただ魔王の強さはそれだけじゃない。それでも魔王を倒すスペシャリストとしては多分僕がこの世界で一番の適任者なんじゃないか?と思う。


 でも僕は転生者が通常行う魔王討伐に参加するつもりは無い。はっきり言って転生者の扱いがちょっと違っていたら僕も参加していたかもしれない。何故転生者なら魔王討伐をするのが当たり前なんだ?こんなのが常識化してるから救世主への感謝が無くなって当たり外れなんて見方になるんだ。


 ただ僕の存在が外れ年なのは世間がそう評するのは不快だが確かな事だとは見ていた。要するに転生者が魔王を仕留められないなら頑張れ転移者と言うわけだ。誰がやってるのか?分からないけど、この思惑に僕は乗ってやらない。幸い元の生活にあまり未練も無いし、僕は楽しく潤沢な資金で世界最強だけど魔王討伐しない異世界ライフをすごすつもりだ。


 こういう事態を考えるとなるほど転生者は良く考えられたシステムだと思う。この世界に子供の時からどっぷりつかって大きくなるから例え日本人の前世を持ってもやっぱりこの世界の人間にきちんとなれるんだと思う。しかもだ生活の基盤がしっかりあるから、しがらみから転生者として覚醒した人生を送らざる得ない。

 しかも価値観がきちんと形成されるので、おそらく大半の転生者は喜んで勇者になるんだろうな。だからこそ救世主への民衆の感謝が無くなってしまう元になってるんだけど。3願の礼ぐらい持ち上げられて勇者になりたいものだ。


 案外転移者が転生者に較べて極端に少ないのは認められて無いだけで、在野の転移者がごっそりいるのではないだろうか?転生者と転移者は根本的に何か違うような気がする。ただ歴史に残っている以上活躍した転移者も居る事はいるんだろうな。


 ついでに興味本位で今の転生者を調べてみた。何故外れなのか?モンスターをゴールドに変える力を持つらしい。すごいじゃないかと思う。ただこれ中々変わらない。強い敵ほど確率が低い。だから強敵相手には使えない。ああこれ外れだ…。

 もし転生者をやらないならスライム、ゴブリンで大もうけできる。あれなら外れる確率が引くしし、かつ外れてもなんとかなる。間違いない勇者なんてやらなきゃこの能力は価値がある。ああ残念だ…。僕勇者やる気が無いので僕の能力と交換してほしいものだ…。


 さて圧倒的にお得感がある転移者だけど、誰しもがそうじゃないようだ。元の世界に未練がすべての転移者で薄いけど、ばらつきがあるようだ。そこが決定的に違う転移者には特典ボーナスが豊富という事だろう。僕みたいにデメリットがほとんど無い転移者は転生者より転移者の方が得だと素直に思ってしまう。


 そもそも僕らは徐々に覚醒していく転生者と違って、最初から即戦力を求められて強い。こつこつステップアップしていく過程が無い。それがつまらないといえばつまらない部分もあるけど…。それに転生者のステップアップは彼らの世間の認知と大きく関係している。

 じわりじわりとしか広がらないので、いきなり子供が大きな仕事をさせてもらえないとなるためだ。本当は転生者も子供の頃から別格の強さを持つのかもしれない。その辺り明らかにされた情報は見つからなかった。


 ただ全くの一人は多少退屈だ。そのうち僕も地味なモンスター討伐あたりでも参加してみたほうが良いのかもしれない。ただ頼られると面倒だな…。自分が気分が乗った時に困ってる人を助けて良い人気分を味合う。でも自分の気分が乗らない時は誰が死んでも知った事じゃない。こういう風にしておきたい。

 確かにリスクは無い。でもおそらく転生者の扱いを見ているとそれが常識化してヤレとなるのがすごく嫌だった。感謝し無いやつは助けない。感謝されたいから人と関わりたいのだ。義務化するかと思うとぞっとする。だから僕はフットワーク軽く中々モンスター討伐に参加できない。個人的には自分の強さはこっそりモンスター討伐によって良く分かってる。


 寂しいとかと言うよりとにかく退屈なんだ。折角力があるなら使って見たいと思うのは強者の必然なのではないか?と思うのだが。それを感謝無しに利用しようとする連中が寄ってくるのがすごく嫌なんだ。お金に困ってないのが一番大きい。お金は十分にあるのでお金より感謝されたい。


 溜めてて良かったゲームマネー。

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