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つるはしを持った転移者3

 僕(田中祐二)は以前から先の事を考えた計画が一つありそのための準備をしていた。サキュバスだけ数多くのモンスター娘を育てて僕と子供を作っていた。サキュバスの集団だけかなり大きかった。決してサキュバスだけ魅力が高いから奥さんや子供が多かったわけじゃない。


「サキ達サキュバスの一族には3勢力を引きこんで欲しい。モンスター、人間、魔族。ただし僕の子供達の第2世代だけがその役割を担って欲しい。今回の騒動はすべて魔王の計画によるもので、その要となるのが魔族の持つモンスターを追い払う力によるものが大きい。

僕らもその力を手に入れたい。僕らは強い。そんな事しなくてもモンスターと戦える。だがこれから勢力を拡大するならいちいち戦って勢力を広げるのは大変だ。それで3勢力のオスを誘惑して種だけ手に入れて戻ってきて欲しい。インキュバス達は今までどおりこの村の他の種族との子供達を作ってくれるだけで良いから」


 一人のインキュバスが意見を言ってきた。子供の数が多くて名前覚えてるのと覚えてないのでこの子は覚えてない…。


「3種族の女を引き入れることも出来ますよ?」

「ああ何か拘りが合ってね。すべて僕の血統で固めたいんだよ」

「はい分かりました父上」


 説明になってない説得を何故か聞き入れてくれた。僕もここに合理的な理由を見出せなかった。僕と関わらない血を入れていくら便利でも集団に混ぜるのがいやだった。実は抜け道が合った。息子が味見した女を僕も一緒に楽しむというのが合った。しかし息子の魅力で思い通りになる女をどうにかするってさすがに出来なかった。と言うか情けなくて言えなかった…。


「さてこれは計画の一部でしか無い。やがてはモンスターは減っていく事になると思う。食料について今までと同様の生活は成り立たなくなる。人と魔族に似た子供達のおかげでモンスターの肉以外の食料とこの先の作物は確保した。モンスターを殺さずに家畜の様に使うというのが僕の将来の計画としてある」


 ウルが意見してきた。先ほどはインキュバスの問題で当事者が意見をしてきたけど、基本は母親達が意見を言う。


「どういう事でしょうか?」


 おそらくウルは分かっている。分かっていて分からない者のために疑問を投げかけてくれる。さすが僕と一番長く居る娘だと嬉しくなる。


「子供達のおかげで情報が集まってる。その中にミドルハンターと言う連中が居るのがわかった。彼らはモンスターを絶滅させて人間の村を作る連中だ。しかし僕らはそのモンスターを敢えて全滅させずに特定の地域に残して定期的に食料にすれば良いと思う。

人間の家畜の様な面倒な事をしたくないし、今後考えられる衝突のために戦闘集団としての技量を高めていきたい狙いもある。僕は僕の血によってモンスターの血が薄まって弱くなると思っていた。

僕の様な存在を転移者というらしい、その能力は子供に受け継がれない。そう思っていたけど、子供達は十分強いと思う。混血だと単純に人間の弱さと混ざってしまうというわけじゃないようだ。僕達は数は少ないが魔族よりおそらく強い集団が出来上がる。十分に魔族や人間と対抗する事が出来る」


 そう言った後間を空けて再び話し始めた。


「僕がやってきた元の世界に3国時代と言う人間の歴史がある。3勢力の存在は互いに牽制しあい安定する事が多いそうだ。僕はその第3勢力で2大種族と新しい人型モンスターとして並び立とうと思う。ただし今は秘密裏に勢力を拡大する必要がある。

モンスターを必要以上に殺さないのもそのためだ。人間と魔族側にモンスターの壁を作る事によってその中をごっそり僕らの土地にしてやるつもりだ。それゆえモンスターは僕らの戦力の一つであるため魔族が持つ追い払う能力がどうしても欲しいんだ」


 一族の歓声が巻き起こった。静かに成るのを待って


「さて当面の計画としてまだある。僕は皆にモンスターの狩りを任せてる間に金銀宝石の類を溜めてきた。かなりの量があるので、これを使って人間魔族の便利な道具をかき集めて欲しい。僕は今後僕らのために必要なものを集めるための発掘作業が多くなる。

そのため皆が先頭に立って領地を拡大して言って欲しい。子供達を危険な目にあわせるのはかわいそうだと思ってる。でもいずれ僕達の存在が明るみに出れば僕達は滅ぼされる可能性がある。その前に無視できない強大な力を手に入れたい。どうか力不足の情けない父親に力を貸して欲しい」


「「おおおおーーー」」


 なんだか良く分からないが皆盛り上がって一致団結ムードが広がった。多分良いまとめかたじゃないのかもしれない。そもそも一つの集団になるように僕の血族ばかりで固めてるのが原因だと思う。

 このつるはしの力なのか?分からないけど、奥さん達はもちろん、子供達にも僕への絶対服従の様な影響がある。インキュバスの息子には言葉につまったけど、実際の所これが大きい。なんとなく不思議な力で子供達を縛ってるようであまり言いたくなかったのもある。


 そういえば些細な事だけど、卵で生む種族もありなんとなくこれがモンスター娘の魅力の一つだなとか人外家族に慣れつつあった。最初はちょっと自分の子供が卵だったのは引いてしまったけど…。


 見てろよ魔王目にもの見せてやる。僕はこんな計画やるつもりは無かった。魔王が僕らの平和な場所を壊してしまったのが大きかった。尤もただの人なら生きていけない危険地帯だけど。自分達を守るため集団の力で対抗するため増えるしかなかった。

 増えたら養わなくてはいけない。この連続でこうなってしまった。野心とか野望で僕はこの計画を建てたわけじゃない。だから魔王がすべて悪いんだって気持ちがあった。なら魔族がにくいのか?と言うと違う。このまま勢力が増えたら人間にも狙われる。だからそっちにも対抗しなくてはいけない。


 計画と言うよりなりゆきでこんな事になってしまった。

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