プラントハンター
僕は野生の動植物の中で農作物や家畜になるものを探すのが今の仕事に成っている。ただ見切り発車で始めたところがありどうやってお金にするのかは?アレックス任せだった。自給自足に近い暮らしと過去のミドルハンター時代の蓄えそしてアレックスの儲けでなんとかだましだましやっていた。
雪食草の儲けではなかった。まだアレックスは思案中だった。別のポピュラーな農作物も栽培しててそれを売って金にしていた。ただまずは近隣を回って農作物狩りで得たモンスター肉などを使って方々を探し回っていた。
そして数日が経ち一つの成果を上げることに成功した。砂漠や礫、岩場などの不毛地帯で生育する特殊な赤い実をつける植物を発見した。特に気候に特殊性が無いため様々な場所で栽培できる期待が高まった。
しかし何故この植物がもっと広まらないか?が不思議だった。意外な弱点を発見する。この植物は逆に水気の少ない厳しい環境を好みそうじゃない保湿性の良い土を苦手とする性質があった。
早速村に持ち帰ってアレックスに見せて詳しい調査をする事にした。
「ああこれ自分で水を創ってるな。これ水魔法だ」
「なんだって?」
豊かな農地に変えてしまったためこの付近じゃ育てにくい。この村でもなんとか栽培できないか?とアレックスが工夫してくれて水はけが良い土にすれば極端に不毛の大地にしなくても生育できるようだ。
「さて目処は立ったな問題はどうやって金にするか?だな。悪いな栽培の方はなんとか分担できてると思うが金の方がまだ上手く行って無い」
「いや仕方ないよ未知の作物だし食べたがる人もいると思えないし」
まずはそこを改善しようとジョナサンはこの実を食べるモンスターが居ないか調べて見る事した。成果はすぐに出た。家畜の鶏のようなモンスターが罠の実を食べていた。それを僕が上手く捕らえた。そんなには大きくないので魔法によって気絶させているうちに持ち帰りアレックスに見せた。
「これを家畜に出来ないかな?」
「食用モンスターの家畜化はいずれ考えて行かないといけないけど。なるほど人が食べるのに躊躇するならまずモンスターに食わせてその肉を食うんだな」
「幸いモンスターの肉はこの開拓村の重要な収入源だし抵抗も無いだろう」
「ただもうここはかなり安全になって来てるので難しいよな」
「だからこそ今のうちに家畜化なんだよ」
既存のモンスター肉の流通がそれなりに発達していたのですぐに上手く行った。
「当面はこれで解決できると思う。もっと家畜向きのモンスターを探して増やしていけば新しい植物を食べてくれると思うから探してきてお金にならないってのはならないと思う」
「モンスターって基本的に人間襲うけど、何故チキンバードはこんな大人しいの?」
後で調べてみたらやっぱり鶏に似てる特長からこんな名前のモンスターだった。
「例外もあるんじゃないかな。それに人間を襲うのは攻撃性だけじゃなくて食欲もあるんじゃないかな?チキンバードはどうみても人間を食べないよな」
「他にも食べられるのか?いろいろ試しておいて欲しい。ただ考えてみると生育圏が全く違うのだから他の食べ物を当然食べられるよな」
何故かこの赤い実だけを食べるモンスターと勘違いしてしまっていた。
「ジョナサンところで名前何にする?」
「ウォーターレッドでどうかな?」
「安直な気もするが確かに特徴は捉えてるよな」
しばらくしてアレックスが話してきた。
「雪食草も含めて大体の方針が決まった。実を売るのはあまりやめよう。それより未知の食べ物の抵抗を減らすほうが早い。まずは先行投資で信用を得る事にしよう。ジョナサン&アレックスブランドを確立しよう。苗や種を売る形にして行こう。
広まってしまったらそれで終わりになる。でもいずれは僕らの作物の有用性の高さがブランド化していくと思う。その時もっと高く売れば良いとおもう。新しい作物を直接売るんじゃなくて広める事を優先した商売の仕方で食べる人向けじゃなくて農家向けの商売をしよう」
「良いよそれで行こう。僕もどんどん見つけなくちゃいけないからモチベーションも上がるよ」
栽培した実自体はモンスター家畜に食べされて肉を売る事にして。作物を農家に売って2つのルートで金を儲けた。すぐに成果は出たが、問題はモンスター家畜はこれからも需要があるが、作物は近隣にゆき渡ってしまったら終わりだ。僕が早く次の飯の種を見つけてこないといけない。幸い近隣の農家はまだまだ大量にあるので随分先の事になるとは思うけど。
「そういえば売れなかったらどうするんだ?」
「大丈夫だどこにでも居る家畜でも食べるか?試してみたら豚鶏なら食べてくれたよ。牛馬は駄目だったけどな。意外と癖が強いのかもな。最大のメリットは農地としては向いてない土地で育ててそれを家畜に与えれば良いので、これは多分飛びつくだろう」
次の作物を探すまで猶予がありそうなので、お金にも余裕が出来たため遠出する事にした。




