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奴隷ちゃん2

 僕(吉田健一)はレイヤから情報を引き出していた。


「転生者と違ってさ転移者ってとにかくどうやって生きていけば良いか?が分からない。これから僕どうすれば良いと思う?」

「奴隷にそれを聞くって本末転倒の気がします」

「ならご主人様生かすために頑張って考えて」

「悔しいって感情薄いんですけど、それで動いてしまう私がいるのも確かです。そもそも何故私を買おうと思ったのですか?」

「それねとりあえず強ければなんとかなるんじゃない?って思ったから…」

「その程度でそこそこ高いお金だったでしょ」

「いや奴隷にいろいろ聞こうってのも計画の一つだったんだよ」


 ちっぽけばプライドを守るための出鱈目じゃなかった。


「何を知ってるのか?ある程度聞かないとスムーズに話せないですね」

「なら適当に言って、それ知ってると言うからそれは長々話さなくて良いから」


 そうして知ってる知らないで選別して根掘り葉掘り聞いた。


「自給自足の部分を省くとどうやってお金を稼ぐか?になりますね」

「うんこの辺りモンスター多いから食えるモンスターである程度しのげるからね。これってお金になるの?」

「町で聞かなかったのですか?」

「レイヤと出会うまではあんまり強く無いから、自分が食べる分には良いけど、これでお金儲けは考えなかったな。大体は家畜肉より上手くは無いよね」

「モンスター肉は基本的にはお金になら無いです。味がイマイチなのが多いのと、通常の地域だとモンスター自体店に売るような量の肉を確保できないからです。ちなみに300年前の話ですが、こっちに来てちらほら聞いた話であんまり変わって無いです」


 モンスターを狩って生活するかと思っていたので当てが外れたと思った。


「あれだってハンターって仕事があるのを聞いたから」

「ああ私も養成所出身なのでそれは詳しいですよ。通常の地域は突発的なモンスター被害の自衛組織のスペシャリストってだけです。日本で話しますか。泥棒を殺して肉を食べる生業って成り立つと思いますか?」

「カニバリズムか、まあそれは置いていて確かに。転生者なら知らないと思うけど、今みたいなゲーム家なんて持ってないでしょ?」

「それはもちろん、それに私こういうの知りませんでした」

「転生者に較べて謎に包まれてるかもね」

「そういえばハンターについて知らないのに転生者についてすぐ分かりましたね?」

「最初は苦労したよ。知らないだろ?って思って探りいれていたら、誰でも知っててあれれ?となったよ。転生者転移者は仕事じゃないから確かにハンター重視は分かる。でもさまずは知りたいからつい自分と関係深い事聞いてしまうじゃない。

それでも転移者のゲーム家の話はあんまり知らないよね。そもそも3Dモデリングのキャラクターなんて発想が分からんから。そのまま現実だと思うだろうからね」


 どの転移者もゲーム家が与えられるのか?は分からない。でも転生者には無いのはレイヤの反応で分かった事だ。


「モンスターを狩って仕事にする事が出来ない事も無いですよ。モンスター討伐のスペシャリストが国に雇われます。ご主人様の能力次第では可能かもしれません。本来転生転移者がつくべき魔王討伐隊もあるのですが、ご主人様の今が弱すぎるのと私自身薦めたくないのがあります」

「弱いのは置いておいて薦めたくないのは?」

「魔王や魔族って人間が思ってるより悪い存在じゃないですよ。そりゃ客観的に見て嫌な魔族もいましたよ。私自身感情的には薄いですから不快にふれる事がほとんどありません。ただ人間と魔族の違いって意味では個人差のレベルです」

「じゃレイヤがやってた魔王討伐って無意味なの?」

「私個人なら無意味です。でも魔王討伐って広い意味なら意味があります」

「難しい事を言うね」

「魔王にも人間にとって限度を超えた迷惑なのがいるからです。私に勝った魔王はどう考えても殺されるべき人じゃないです。彼が語っていたのですが、表向きは魔族に対するけじめとして私は奴隷として刑罰の様に300年と言う時間を与えられました。しかし、その過程が問題なんですよ。私苦痛じゃないんですよ。

それは魔王が意図的に私の心に配慮した魔法をかけたからです。本来解放されてもおかしくないです、だけど周りの魔族の感情を考える必要があった。それゆえ300年なんです。魔族は人間よりは長生きですが、300年は特殊なものじゃないと無いです。

私に対して恨みつらみのある魔族が死んでしまうまで待って解放するようにしたみたいです。人間の私に同情しただけじゃなくて、魔族の心情にも配慮した魔王を討伐する意味なんて多分無いです」


 感情的にならないレイヤでもこの発言だけは感情的に聞こえたように感じてしまった。


「後悔してる?」

「今となってはなんとも言えません。考える事はしましたが後悔と言うのは感情だと思います。そういうのは薄いです。十分に調べれば人間でも分かります。ただそもそも今の魔王が討伐すべきなのか?を考える事自体無いですからね。だからあんなものはご主人様のやる事じゃないです。

転移者は余程強くないと選ばれる事は無いのでまあ私の愚痴みたいなものです。ただそれならスペシャルハンターにもなれるか?疑わしいのですけど、転生転移者は変わった能力の人が多いので、使いどころが難しくて絶対の強者ばかりじゃないですよね。今の所ハンターとしては見込みがあるが、スペシャルハンターならどうか?でご主人様のSハンターへの道のりは疑わしすぎる」

「じゃ農業?」

「土地も無いのに?農家のお手伝いぐらいで生き延びていくしか無いです。それなら普通のハンターやった方が良いですよ」

「しゃーない金が途切れたら、とりあえずその自警団としてどこかの村で雇ってもらうか…」


 うーんモンスター倒していたらいろいろと金になったゲームと違いすぎる…。


「あのさ思うけど、何故そんなちょっとしか発生しないモンスターがいつまでも都合よく出てきてハンターに仕事くれるの?」

「不安ですか?」

「不安と言えば不安だね。これまで尽く僕の考えが潰されてきたからね。ゲームの話はしたよね。ゲームだと肉は売れるし、様々な部位も売れる。なおかつたまに金目もものも所持してるサービスまである。モンスターを倒す=金になるが狂ってしまって」

「金にはなると思いますよ。問題は数居ないから仕事にならないだけです。臨時収入やたまのご馳走ぐらいにはなってるでしょ」

「さて不安だけど、モンスターって子供が居て増えるの?」

「そうですが、そうじゃないです」

「どういう事?」

「子供で増えます。だがそれだけじゃないです。モンスターを全て狩り切った地域ぐらい歴史上いくらでもあります。生物的に考えると絶滅したとなります。これがならない」

「こっそり他所からやってくる?」

「確定は出来ませんが、自然発生してるのではないか?と言う話があります」

「まさにゲームだね」


 僕はこの世界の常識を知らないけど逆にびっくりしてた。地球の常識と違いすぎる。自然発生する生物など居ない。


「確定は出来ませんよ。生物の様に増える事実があるのでそれ以外を確認するのが難しいんですよ。歴史上の誰かは自然発生した場面を見たのかもしれませんけど」

「ハンターは恒久的な仕事になりうるんだね」

「はいモンスターが絶滅するというのは杞憂だと思います。元々この話を考えたのは勇者だった頃の知識が奴隷時代に魔族と暮らしていていろいろ分かったので整理したからです。当時言われていた魔族が追い払うので延々とモンスターが供給されるって考えが違ってると証明したかったからです」

「魔族の濡れ衣を晴らしたかったという事かい?」

「うーん魔族に対しての同情より人間にとって、世迷言に振り回されるのがメリットにならないと思ってるからです。考えればすぐ分かりますが、魔族と人間の国の国境線からまるで離れたところでも一切モンスターの絶滅は確認されていません。

魔族がモンスターを持ってくるってものすごく無理があるんですよね。変な形で今役に立ったなとなんとも言えない気持ちです」

「あのさレイヤってものすごく感情が分かりにくい。今聞いてると感情的な心持ってると思う」

「何度も言いますが普通に感情はあります。とにかく薄いです。いやだと思う事が薄い分、代わりに私は自分でこうしたいああしたいと言う気持ちがすごく薄い」

「君は幸せだと言ったけど、何か聞いてるとそうなのか?分からなくなってしまう」

「そうですね、私も誰かに命令される部分が無いとそれがどうなるのか?分からないですね。私何かしらの命令仕事をずっと与えられてきましたから。私も無気力だと思います。でも途切れる事の無い命令仕事で私そんな状態になった事無いんですよ」

「でもさ後で解放されて実はいやな事だったとかで僕を嫌ったりしない?」

「まあご主人様も私に何か期待してお金を払ったのですから、その分ぐらいは例え嫌な気持が後からあっても無視します。それぐらいは一応分別があります」

「とにかく強くなるまで付き合ってもらうか」


 ハンター資格を取って最悪どこかの村で自警団のお手伝いをして村の一員にしてらもうって目標が出来た。それで一年後に得たスキル次第でSハンターを目指すつもりだ。目的が決まったのとレイヤの事がちょっと分かったので話したかいがあった。

 奴隷に何すれば良い?って聞かないと右も左も分からないって転移者ってほんとうに転生者に較べて不利だな。ただ魔王討伐についていろいろ聞けたので、そこから距離をとりやすい転移者は都合が良かったけど。


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