転生者の不思議
転生者とそうじゃないハンター達とはどう違うのだろうか?転生者転移者両方とも普通にハンターの資格が取れる。だから転生者の力とは何か?となる。まず魔法だが、これはシンプル魔法使いにとって既知であるのか?これが転生者の力の特異性になる。後は系統的には似てるが、規格外すぎて例外としたい既知の魔法などになる。
僕の力は間違いなくユニークで複雑な事を考える事も無くて転生者だと分かる。僕の力は戦闘に適した武器を使う力。不思議な空間からその武器は今コレってものが選ばれて出てくる。僕はその空間から選ぶなら話は違ってくる。常に選ばれるのは1つ。
魔法が適切ならスタッフやメイス。剣槍斧なども選択される。それらの武器そのものがユニークなのは分かりきった事だけど。一体誰が選んでるのか?ここに僕の力の不思議さがある。
真の意味で転生者の元の世界での感覚でマジックだと思うのは僕の力なんだ。外から見ると僕は数多くの武器がある空間で僕がチョイスしたと見えるだろう。ならそれは不思議でもなんでもない。でも僕は知っている。誰がコレ選んでくれてるんだろう?僕は武器を選んだ事は無い。
僕の関与は全く無いのか?と言うと僕の経験が武器の選択に関与はする。ただそれは僕が様々な武器を使った経験と様々な戦闘を行って武器を使うことを勉強したという事になる。この世界に生まれて最初の頃僕にとってチョイスそのものが僕の力だった。
他にもある。何故僕は様々な武器を最初から巧みに扱えるのか?経験はプラスされる。でも僕は最初からある程度どの武器を使うのも上手かった。それ自体が力だった。だからこそ僕は一つの武器に縛られない。
転生者にとって桁違いの強さを持つ事が重要ではない。転生者はユニークで非常識な力を持つ事が重要にナル。それが使えるか?使えないか?は実は結果次第。転生者は厳密に言えばすべてユニークな力を持つ。ただし厳密に言えばであるけど、僕の様にあまりに分かりやすい力はそうそう無い。
僕は前世(中村幸一)の記憶から自分では転生者だと分かっていた。だがどうやって認められたか?はシンプルじゃない。徐々に才覚を現していった。まず最初の事件はゴブリンと遭遇して襲われた子供の頃にナル。そんな事頻繁にある物じゃない。あったらその村の自警団は機能してない。それでも偶然出くわしてしまうのはどれだけ頑張ろうが0には出来ない。
居住区の村は厳重に警護されてるが、どうしても生活のための少しはなれたところに作る農地はそんなには厳重じゃない。警戒されて見回ってはいるけど、貧しい家などは離れた場所に作らざる得ないのでそういった農地はモンスターの被害に合いやすい。
その日は畑の水を汲みに川に向かっていた。その途中でゴブリンと出合った。まずは逃げようとした、戦うつもりは無かった。相手がそれを許してくれなかった。その時目の前に剣がにょきにょき現れた。僕は自分で転生者であるのを知っていたからこれがその力なのか?とすぐに気が付いた。
すぐに剣を取ってゴブリンに立ち向かった。僕は何故か素人のはずなのだが見事に剣を使いこなしてゴブリンを切ってしまった。何故それが出来たのか?自分でも良く分からない。無我夢中だったのもある。いつの間にかゴブリンは死体になっていた。
「・・の事があったんだよ」
そう村の自警団にゴブリンが出たことを伝えると
「今日からマインも自警団の一員だ。マインはひょっとしたら転生者かもしれないな」
(いやだから僕前から皆に言ってるんだけど…)
偽転生者の横行によって、前世の記憶は可愛い子供の嘘としてまともに扱われなくなっていた。
僕の力の凄さは初期の頃の方が強く感じれた。自警団に加わった僕はある時弓が出てきた。その後すぐにモンスターを発見して弓で射た。これは武器の力だけじゃなくて、索敵能力すら僕の力には入っている。もちろんずっと持ってることも可能。
そういった時も武器は出し入れして変更してくれる。この切り替えによって事前に初めてもモンスターでもある程度どんな戦い方をすれば良いか?想定できる。こうなってくると僕はこの力を使うための媒体でしかなくて戦う本体は別に居るみたいだ。どれだけ自分が規格外なのか?僕自身が良く分かってる。
他者は結果でしか見ないからそんなに僕はすごい転生者だと思われてない。僕自身は自分でなんかこの力滅茶苦茶だなと思ってる。さまざまな事に疑問が尽きない。でも考えたらあかんと思ってる。そうである事だけ受け止めないとこの力とは付き合えない。
「マインさその力あんまり話したがらないのはさそういう事だったんだな」
僕は自警団の仲間にたまには細かいことを話していた。それはなんと言うか大切な事として話してない雑談として話していた。
「説明できない力だと話すのが一番的確な説明だからね。考えても見てよ。何故槍がチョイスされたのか?で剣じゃ駄目だったのか?なら多分倒せるんだよ。その差って多分さすげー分かりにくいんだよ。多分答えはあるんだよ。誰がやってるか?知らないけどね」
ただ魔法を使用するときスタッフが選ばれたのは分かりやすい時があった。広範囲で攻撃する必要があったとき魔法が適切だと思ったから。でもそれを僕が後から振り返って考えただけで、最初にそれが選択されてる奇妙さには本当に困る。ただ魔法の時不思議なのはメイスになる。あれは選択に困るものだと思う。あれは近接の武器でもある。
2つの意味があるメイスを使う系統の魔法使いは血なまぐさいのを嫌って刃物を避けるなどの話。実際の所それは噂話程度のもので、殴り殺すようなメイスの使い方を見てるとどうなの?と思う部分があるから。あれは魔法の補助にあってスタッフの近接兼用の意味が大きい。良くこれメイスとスタッフって分けて選択できると感心する。
正直言えば結果的にはどっちでも良かったんじゃない?って思う戦いも何度も合った。だがこれは失敗だってのはほとんど無い。スタッフで殴るよりもメイスで殴ったほうが良いから。そういう場面がきちんとある。未来でも見えてるのか?それぐらいチョイスは良い。ただそれほど大きな結果の差が出ないだけで。
僕はこの力の凄さを戦闘経験すべてから誰よりも知っている。転生者と他のハンターなんかを一緒にされたくない。プライドと言うかここまですごいとすぐにああ特殊な力を持ってるから僕らは転生者なんだと分かるから。