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桃太郎(現代)

作者: 純白米

 むかしむかし…いやいや、とっても最近のお話です。

あるところに、おじいさんとおばあさんが暮らしておりました。おじいさんは、庭で盆栽のお手入れを、おばあさんは、家で洗濯をしていました。

まったく、現代は何でも家で出来るようになり、このままでは桃太郎に出会えません。

なので、おばあさんは、買い物に出かけていきました。


おばあさんが買い物をしていると、スーパーでドでかい桃が売られていることに気が付きました。


「こんな不気味な桃は、要らないねえ……。」


すごく当然の反応です。ましてや、年の重ねた老夫婦。そんなにたくさん桃を食べることもないでしょう。でも、買わないと桃太郎に会えないので、おばあさんは珍しいからという理由で桃を買って帰りました。

桃を買って帰ると、おじいさんにすごい怒られました。こんなドでかい桃を、一体どうするつもりなんだ、と。

これも当然の反応です。でもとりあえず、中がどうなっているのか見てみようという話になり、桃を切ってみることにしました。


すると、なんと中から元気な男の子の赤ちゃんが生まれてきたではありませんか!


ちなみに今回は、中を見ようという意志のもと切ったので、中の子が切れる心配はありません。


「この子の名前はどうしようかねえ。」

「そうだなぁ……桃から生まれてきたことだ。桃は、英語でピーチ。飛一と書いて、ぴいちと呼ぶことにしよう。」

今時、桃太郎などという名前はつけません。その男の子の名前は飛一(ぴいち)となりました。


 それからだいぶ年月が経ち、ある日のことです。近所の鬼ヶ島さんという頑固爺が、近所迷惑になるほど暴れているという話を耳にしたのです。

学校ですっかり名前のことでいじめられ、ぐれてしまった飛一は、もう悪そうなやつは大体友達です。

「おれが、友達を連れてシメてやんよ。」

そういうと、飛一は友達を集めに行きました。


まずは、犬山歩知(いぬやまぽち)くんのところです。

「おい、歩知。ちょっと鬼ヶ島をシメに行こうぜ。」

「あ?なんかくれんのかよ。」

「ああ。宿題見せてやるよ。」


同じ手口で、猿岡門鬼(さるおかもんき)くんと雉谷馬亜努(きじたにばあど)くんも仲間にして、鬼ヶ島さんの家へ乗り込みました。


「テメー、舐めた口きいてんじゃねえぞオラー!!」

「何じゃてめえらは!!学校に連絡じゃー!!」


こうして、四人は先生から物凄い怒られました。

学校でも札付きの悪として、すっかり有名になってしまいました。

でも、四人の友情は今回の件でより一層深まりました。


おれらさ、これからも、ずっ友だよな。

ああ――。


めでたし、めでたし。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすい。改行が適切。テンポが良い。 [気になる点] 特にない。あえて言うなら、主人公の名前を読んで切なくなった。 [一言] アイデアが面白い。最後にはなんだかんだ言ってグッドエンドなと…
2013/10/05 11:08 退会済み
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