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9カフェ通い

光夫のカフェ通いは毎週になっていた。仕事の憂さを忘れて心から楽しめるからだ。しかも不思議なことにカオリちゃんは相変わらず指名もしないのにずっと光夫の席にだけついているのだ。

「ねえ、どんなピアスしてるのか見せてよ。髪に覆われてて見えないからね。それともつけていないとか?」


「もちろんピアスつけてるわよ。あなた自分の手で髪をかき分けて見てちょうだい。」

髪は女の命とよく言われ、普通は髪には触らせないものだが、なぜかカオリは光夫には触られてもいいと思っているようなので、光夫はそっと彼女の美しい髪を触って少し上に持ち上げてみた。


そこには薔薇の花をかたどった小さなピアスがあった。

「可愛いピアスだね。カオリちゃんにお似合いだね。」


「ありがとう。ネールもよく見てちょうだい。」

光夫はカオリの手を取るとネールをじっと見た。淡いピンク色だった。


「綺麗だし派手すぎなくていいね。ネイルサロンでやってもらったの?」

「そうよ。」


「2時間ぐらいかかるんでしょ。ネイルをやってもらいながらおしゃべりしているのかな?」

「そう、ネイルが段々完成していくのを見ているのも楽しいし、おしゃべりも楽しいのよ。」


光夫は正直言ってそのどこが楽しいのか分かりかねたが、もちろんそんなことは言わないで、それはよかったねといった表情をしながらさりげなくカオリの手を握ったまま下げた。


そこにはカオリの可愛い足があり、必然的にタイツ越しではあるが彼女の手を握ったまま彼の手がのっている状態になった。


会社で女の子の足に触れたりしたら平手打ちをくらってセクハラで訴えられるに決まっているが、光夫の手はしばらくそのままになり、たまにカオリがカクテルを飲んだり何かする時に手を離すのだが、そうすると彼女の手が戻ってくるまでは光夫の手だけがカオリの膝上あたりに存在する状態になり、光夫はドキドキするのだが、カオリはそれを意に介していない感じであり、現実にはあり得ないことなので光夫は更に現実を忘れて楽しむことができた。


また話題によっては一緒にスマホの画面を見るのだが、そんな時光夫はさりげなく彼女の肩を抱くのだが、彼女は気づかないかのようにそのままにされていた。

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