就職戦線、出動致しますっ(`・ω・´)ゞ
結局寮を出てしまうと合コンのお呼びも少なくなり、幼馴染たちに私の行動をチェックされていて、彼氏を作る事も難しい。
まぁ、その代わりと言っちゃあなんだけど、彼らも彼女を作る事はない。
ただ、アイツらは作るのが難しいのではなく作らないと言うのが正しい。
なんかなぁ、イケメンとは言えなさそうなナルでさえモテモテなんだよねぇ。
解せぬ・・・・。
アッと言う間に大学での3年間の生活が終り、いよいよ就活に本腰を入れなければならない最終学年に突入し、私だけじゃなく同じ学部の人たちやナルたちも微妙にピリピリしている感じだ。
「僕はプログラミングを仕事にしたいから、それ系の会社に入社する心算なんだ。これと言う会社が無ければ、大学院に残ってもいいし、自分で起業するのもあるかもしれない」
いつも先読みをして動くガオにしてみたら何ともフワフワした話なんだけれど、本人は自信がある様で、私たちの中では一番落ち着いている。
「オレ、スポーツジムを開きたいんだよ。まぁ、最初に資金を貯めないといけないので、スポーツ用品なんかの会社に勤められたら、スポーツジムを開く時に役に立つんじゃないかと思うんだけど、どうかなぁ?」
プロのサッカーチームからお呼びがかかっているのに、あくまで会社勤めに拘るナル。
「サッカーのプロ選手で荒稼ぎして、それを資金に起業しないの?」と聞いたら、真剣に悩んでいたみたい。
「俺は弁護士の資格を取りたいからまずは司法試験を受けて、受かったら1年の修習があるから就職はまだまだ先だなぁ。司法試験も一発合格するのは結構難しいみたいだから浪人も覚悟の上なんだがな」
「と言う事はミソは弁護士になりたいの?」
「いや、まぁ、タマが言う様に弁護士になるのも一つの道なんだけれど、虐待を受ける子供たちを守るNGOで働きたいんだ。その為に弁護士の資格を持っていると大抵のNGOに就職できるんじゃないかと思うし、困っている子供たちを法的に支える道を探れると思うんだ」
ネグレクト。
ミソは幼い時から母親に放置されて育って来た。
弁護士である父親は愛人宅で家庭を構えていて、本妻であるミソの母親とは没交渉が続いていた。
だからミソは本来虐待された子になる。
自分が辛い目に遭って来たからこそ、同じ様な境遇の子供たちの気持ちが分かるのかもしれない。
そう言ったら、「いや境遇が同じでも、人それぞれだから同じ気持ちとは限らない。それに俺はお前たちやタマパパの手料理があったから、グレずにすんだからなぁ。俺は恵まれている」と普段は言いそうにない事を存外口からポロっと零した。
「で、タァ~マはどんな仕事にするの?やっぱりTV局?」
「う~ん」
「アナウンサーでなくてもニュース原稿を書く人とか、アシスタントとか、TV局には色々と職種があるから、何かやりたい事があるんじゃないか?」
ナルの言う事はもっともなんだけれど、私はTVがあまり好きじゃない。
唯一好きなのはドラマ。
それも映画には負ける。
「じゃあ、映画会社にでも勤める気か?伝手がなければ難しいのでは?お前ん所の放送協会の元会長はTV局の社長の息子じゃなかったか?TV局の方がまだ入りやすいのでは?」
ミソもエンターテイメント業界で仕事に就く難しさを心配してくれているみたい。
実は私、前にワル元会長に言われた事を考えているんだよね。
発声練習はやって来た。
場数もある程度踏んでいる。
声は良いと言われたんだけれど、私はTV映りが良い方ではない。
となると声を使う職業を探さないといけない。
声優・・・・声優なら映画のアテレコやアニメでも働けるよね。
ただ声優になるには専門学校へ行かなければ道が開けない。
高校だけじゃなく大学まで行かせてもらえた。
なのに卒業してから更に勉強する事でお金が必要になるのってお父さんに悪い。
でも声優には憧れるなぁ。
アニメよりも外国の映画の吹き替えに興味があるんだぁ。
「タァ~マ、悩む前にまずタァ~マパパに相談してみたら?」
ん?ガオはどうして私がお父さんに相談したいと分かったのだろう?
私、何にも言ってないよね?と、じっとガオの目を見つめる。
「タァ~マの考えている事、感じる事は大体だけど僕、分かるんだよね」と悪い笑みを浮かべたガオは、私の肩をポンポンと叩いた。
「タァ~マ、とりあえず夏休みには家に帰ろう。それでタァ~マパパに相談しよう。僕も一緒に話してあげるから。ただ、先に僕には将来何をしたいのかだけは教えておいてね」
「ん?ガオはタマが何の仕事をしたいのか知らないのか?」
ナルが不思議そうにガオを見た。
「大体は分かるよ。声優か何かを目指しているんじゃないかな?声優になるなら専門学校へ入らないといけないから、お金が掛かるのを気にしてるんじゃないかな?」
すごっ!?
ガオ、すごっ!
ほぼ、正確に私の事を理解しているよ。
うわぁぁぁ。




