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雨だね。そこで雨宿りがてら 何か飲む?
「雨が降ってきたね」
「うん……」
「近くのバス停で雨宿りしようか?」
「うん……」
僕は彼女をバス停の椅子に座らせる。
「雨がひどいね」
「私の心みたい……」
「……そうかもね」
彼女の顔はビチョビチョに濡れている。
僕は持っていたハンカチで彼女の顔を拭ってあげる。
「何か飲み物を買ってきてあげるよ。泣いて喉が乾いただろ?」
「……うん」
僕が泣かしてしまった彼女。
少しでも失った水分を取り戻して欲しくて、
近くの自販機まで走っていった。
自分が濡れることなんて気にせずに。
買った飲み物はスポーツ飲料。
少しでも失った塩分を取り戻して欲しくて。
「ただいま」
僕が戻ってくる頃には彼女の涙は止まっていた。
彼女に飲み物を渡すとチビチビと飲んでくれた。
そんな彼女の横顔は愛おしい。
僕はこんなにも彼女の事が好きなのだろう。
だからもう泣かないで。
ずっとそばにいてあげるから。
ずっと愛しているから。




