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君の周りには、いつも誰かいる
「いつまでも君の傍にいて守ってあげるよ」
そう言ってくれた彼は死んでしまった。
交通事故で即死だった。
初めはとても泣いた。
喉が枯れ、涙が枯れるまで泣き続けた。
彼は私を優先してくれた。
私は彼を優先していた。
お互いに相手を優先していた。
片方がなくなってしまい自分の半身がなくなったようだった。
私も彼のところに行こうと何度も思った。
だけどだんだん慣れてきた。
だんだん思いが変わってきた。
彼が苦しまなくてよかった。
彼が苦しんでいると私も苦しい。
最近は天国の彼に向かって祈っている。
『彼が幸せに暮らせますように』
彼も天国で祈っているだろう。
『彼女が幸せに暮らせますように』
私はもう悲しくない。
いつでも私の傍には彼がいる。
彼の心がここにある。
いつでも彼の傍には私がいる。
私の心がそこにある。




