表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/100

相思草

「それってもったいないよね」

 彼がタバコを吸っていると彼女がそう言ってきた。

「そう?」

「だって、お金をいっぱい払っているのにすぐに燃え尽きちゃう」

「それでも僕はいいのさ」

「自分の命を燃やしているみたい」

「そんなことないさ」

「そうかな」

「そうだよ」

 彼はそう言って煙を吐き出して煙の輪を作る。

 それを見て彼女は喜ぶ。

「僕は君の笑顔を見れれば長生きできるのさ」

「じゃあ私は笑ってる」

 彼女は彼を見つめてニコニコしている。

 彼は再び煙を吐き出す。

「私もアナタの笑顔で長生きできる」

「じゃあ僕も笑っていないとな」

 彼は彼女を見つめてニコニコしている。

 二人でニコニコしながら見つめている。

 煙の輪が消えるのを。

 タバコが燃え尽きていくのを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ