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オレンジ色の夕焼け空

 夕暮れの空。

 見ているとなんだか寂しくなる。

 朝日は太陽のおはようとするなら夕日は太陽のおやすみだろう。

 オレンジの夕焼け。

 見ていると暖かい気持ちになる。

 だけどすぐに暗くなってしまう。

 暖かい光がさようならしてしまう。

 そんな夕焼けを見ているとふと声をかけられた。

「ごきげんよう。今日も来ているのですね」

 声をかけてきたのは紳士だった。

 その顔は初めて見る顔だった。

「夕焼けを見ているのですか?風流ですね」

 そう言いながら男は夕日を見つめている。

「……沈んでしまいましたね。それでは私はこれで」

 男はそう言って立ち去っていった。


 次の日の夕暮れ。

 いつもと同じように夕暮れを見に行く。

 昨日と同じように後ろから声をかけられた。

「また会いましたね。そんなに好きなんですか?」

 男は私を見ないで夕日を見つめている。

「夕暮れって終わりを伝えている気がしませんか?」

 私は男の横顔を見ているとそう言っていた。

「そうですね。そういう考えもありますね」

 男は半分隠れた夕日を見ながらクスリと笑う。

「太陽は終わりですけど、月は始まりですよ?」

 夕日が全部隠れてから男は私を見てきた。

「それに私はアナタに会えた。夕暮れが終わったから、アナタと私の関係は始まった」

「……そうですね」

「またアナタに会いに来てよろしいでしょうか?」

 どういうことだろう。

 夕暮れを見に来ているなら私のことなんか気にしなければいいのに。

「実はだいぶ前からアナタのことを見ていたのです。アナタは気付きませんでしたけど」

「だいぶって……」

「一月前くらいですかね」

 そんなに前から見られたとは気付かなかった。

「いつもアナタは夕日を見ていましたから。私はそんなアナタに惹かれたのです」

 そう言って男は照れ隠しに頬を掻いた。

「では、私はこれで」

 帰ろうとする男の手を無意識に掴んでいた。

「どうかしました?」

「……私も帰るほうが同じだから一緒に行きませんか?」

 暗くてよくわからなかったけど男がクスリと笑った気がした。

「いいですよ。明日も明後日も次の日も」

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