第99話 パフィン独立国首都スターリング
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僕たちは、アルバトロス独立国の調査を終えて、西側にあるパフィン独立国首都スターリングを目指すことにした。
現在、朝食後にリビングで、出発前のミーティング中である。
「これより僕たちは、国境を越えてパフィン独立国首都スターリングを目指す。エル、アルバトロス独立国とパフィン独立国の関係は、問題ないのかな?」
「そうね。この20年間で、争った記録は残っていないのだわ」
エルの凛とした声が、リビングに響き渡る。
今日も麗しい金髪ロングウェーブに、バイオレットの半袖ワンピースを着用し、スカート丈は膝下10センチメートルくらいだ。
知らない人が今のエルを見たら、仕事ができるクールな女性と評するだろう。
だが、僕は知っている。彼女が男にとって、恐ろしい存在であることを。
今でも僕の脳内ハードディスクには、昨日の超エチエチなエルの絶対領域が保存されている。
しかも昨日初めてエルが、黒の三角ビキニを着用したのだ。
こんなチャンスは二度とないかもしれないので、僕は三角ビキニを着たエルに浴場での洗髪を提案したのだが、この水着は落ち着かないからと断られた。
まさに鉄壁の防御である。
「ふむ。じゃあ、新風力車で上空から国境を越えても大丈夫だね」
「ええ、問題ないと思うのだわ」
エルが頷きながら微笑んだ。
「お兄様、体調はいかがですか?」
リゼが僕のことを心配してくれているようだ。
今日のリゼは、キラキラ輝く美しい銀髪を、カルラとお揃いのサイドテールにまとめている。
おそらくカルラにセットしてもらったのだろう。
服装は、キャラメル色の半袖ワンピースを着用し、スカート丈は膝下10センチメートルくらいだ。
しかし昨日のファッションショーには、もの凄い衝撃を受けた。
またいつか、リゼの芸術的な絶対領域を拝みたいものである。
「問題ないよ。昨日、リゼとエルから元気をもらったので、新風力車での大移動も大丈夫」
「良かった。また機会があれば、ファッションショーを開きますね」
リゼが零れるような笑顔で僕を見つめている。
「うん、楽しみにしておくね。それでは皆、出発の準備をよろしく」
「「「「了解!」」」」
女性陣の声が揃い、僕たちは新風力車に乗り込んだ。
森の上空をひたすら西へ進み、1時間おきに2回ほど休憩を取り、昼前には国境付近と思われる山の手前へ到着した。
「エル、周囲の様子はどうかな?」
「誰もいないのだわ。このまま山を越えて、国境を通過しても問題ないかと」
「了解、国境を越えたら昼食にしよう」
「クリスっち、昼食はパスタで良いっすか?」
「うん。よろしくね、カルラ」
「はいっす」
国境を越えてから草原に着陸すると、カルラがキッチンへ向かう。
リゼもカルラを追いかけていったので、パスタを作るのかもしれない。
まあ最近は、リゼ用の激辛パスタと僕用である普通のパスタを分けて作ってくれるので安心だ。
しばらくすると、カルラとリゼがパスタを盛りつけた皿を持って登場した。
「はい、お兄様用の普通のパスタです。私が作りました!」
「ありがとう、リゼ」
インフィニティの皆が美味しそうにパスタを食べている。
リゼが作ってくれた僕のパスタは、ミートソースだ。
酸味のきいたトマトが良い味を出している。
「リゼ、凄く美味しいよ」
「良かったです。私の激辛パスタも美味しいですよ」
リゼがニコニコと笑みを零し、いつものように大盛りパスタをパクパクと平らげていく。
凄く美味しそうに食べているけど、この前アウルの町で買った激辛香辛料だろうか?
もしかしたら、僕でも大丈夫かもしれないな。
「リゼ、その激辛香辛料はアウルの町で買ったものかな?」
「そうですよ。お兄様も一口食べてみますか?」
「じゃあ、挑戦してみようかな」
「是非! はいどうぞ、あーん」
僕の隣に座るリゼが、あーんをしてくれている。
ん? このフォークって、リゼが使っているものだよね……こ、これは、間接キス!
「あ、ありがとう、リゼ」
僕はリゼのフォークで、あーんをしてもらい今日も幸せだ。
「か、辛ー。あれ? でも美味しいような不思議な味だね」
「でしょう!? お兄様も激辛の良さが、分かってきましたね」
リゼが僕と激辛を共有できて、楽しそうに微笑んでいる。
昼食後、僕は新風力車を再浮上させ、西方向へ進みパフィン独立国首都スターリングを目指す。
距離があるので、途中何度も休憩を挟み、スターリングの町に到着したのは夕方であった。
もう遅いので、町の探索は明日にする。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一夜明けて僕たちは、朝食を取り着替えると、パフィン独立国首都スターリングの町を探索した。
町の規模も人出もアルバトロス独立国首都アウルと同じくらいで、凄い人出だ。
古書店の数も同じくらい多いのだが、今までにかなり多くの本を見ているので、未所持の本を探すのは一苦労である。
結局、一日中歩き回って購入できたのは歴史書が8冊だけであったが、何とリゼが光魔法の魔術書を1冊発見した。
僕たちは期待を胸に町を出て、近くの草原に平家を作り本を読むことに没頭する。
そして3日が経過すると、調査の結果がでた。
現在は夕食前の時間で、リビングにて会議中だ。
「お兄様、光魔法の魔術書は、残念ながら新しい情報が見つかりませんでした」
「そうか、期待していただけに悔しいね」
「はい……お兄様とエルの歴史書はどうでしたか?」
リゼが祈るような気持ちで、僕とエルをじっと見つめている。
「リゼ、クレイン独立国に戦争で負けて統合された独立国が、探し求めていた情報だった」
「その統合された国『ターミガン独立国』の中に、シュトラウス伯爵家の名前を見つけたのだわ!」
こうして僕たちは、謎に包まれていたシュトラウス伯爵家の名前を、ついに発見したのだった。
簡略地図を作ってみたのですが、PCに詳しくないもので、見づらくてすみません……
網掛けになっているものが国名で、◎印は都市名です。
地図の右下「帝都」から旅が始まり、早いもので第99話まできました。
読者の皆さんが読んでくれることで、沢山の力を頂いております。




