第98話 領域
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アルバトロス独立国首都アウルに来て、僕たちは二日間で約20冊の本を購入した。
その後、一週間くらいかけて僕とリゼとエルの3人で読破し分析したが、シュトラウス伯爵家について有力な手掛かりは得られていない。
現在、午後のおやつ後に平家のリビングで会議中である。
「ふー……参ったね。これだけ時間をかけても、シュトラウス伯爵家の手掛かりすら掴めないなんて」
「お兄様、元気出してください。光魔法の魔術書は、限定的ですが見つかって、私はブレスとハイブレスを習得できました」
長く美麗な銀髪をツインテールにしたリゼが、僕に微笑んでいる。
どんな髪型にしても超絶可愛いのだけど、その中でも特にツインテールはリゼに凄く似合うと思う。
「そうだね。光魔法に関しては、進展があってよかったのだけど」
「でも、不思議なのだわ。ここまで手掛かりがないとは、さすがに私も予想していなかったのよね」
キラキラと輝く金髪をロングウェーブにしたエルが、首を傾げて困った顔のまま苦笑した。
「おそらくシュトラウス伯爵家があったのは、アイビス独立国とアルバトロス独立国以外の独立国なのだろうね」
「そうですね、私もお兄様と同じ考えに至りました」
「私も二人と同じなのだわ」
3人の考えが同じ結論になったようだ。
「よし、明日はアウルの町を出て西に進み、パフィン独立国首都スターリングを目指そう」
「賛成です」
「賛成なのだわ」
僕の意見にリゼとエルが賛同してくれた。
「うーん、何だか疲れたねえ。ずっと平家の中に、こもりきりだったし」
「お兄様は、食事以外ほとんど本を読んでいましたものね……そうだ! 先日アウルの町で見つけた物があるのです。きっとお兄様も元気になるはず……少し待っていてくださいね」
そう言ってリゼが、エルを連れてリビングから退出した。
しばらくすると、リゼとエルが帰ってきたようだ。
廊下の壁から顔だけ出して、リゼが僕に向けて笑顔で手を振っている。
よくわからないが、とりあえず僕も笑顔で手を振り返した。
「さあ、エル行きますよ」
「ちょっと待って、私も行かないとダメなのかしら?」
何だろうか? 何やらエルが嫌がっているようだけど……
「大丈夫ですよ。とても似合っています」
「本当に?」
「ええ、明日また新風力車で大移動するので、お兄様には元気が必要ですよね?」
「う、確かに……わかったのだわ」
ふむ、どうやらリゼがエルを説き伏せたようだ。
一体、何が始まるのだろうか?
「では、お兄様。お待たせしました。アウルの町で、人気のファッションスタイルだそうです」
そう言うとリゼが壁から姿を現した。
エルもリゼの後ろに隠れるように登場したが、エルよりもリゼの方が小さいので全然隠せていない。
僕は、まずリゼの姿から確認することにした。
「こ、これは!」
「お兄様、どうですか?」
リゼが黒のホットパンツをはき、両手を腰に当てて、仁王立ちしている。
注目すべきは、黒のニーソックスだ。膝上10センチメートル……いや15センチメートルくらいあるか。
そして、ホットパンツとニーソックスの間には、可愛い系美少女代表であるリゼの太ももが降臨していた。
そう、いわゆる『絶対領域』である!
「素晴らしいよ、リゼ!」
「えへへー、ドキドキしましたか?」
リゼが小首を傾げて、小悪魔的に微笑む。
一体どこでそんな仕草を覚えたのだろうか?
……カルラの仕業か! まったくもう! ……何て良い仕事をするんだ。
あ、絶対領域に圧倒されて、まだ上半身を見ていなかった。
えーと……グハッ! リゼが黒の三角ビキニをつけて、上に白い半袖シャツを羽織っている。
シャツのボタンを全部外して、一番下の方でリボン結びにしオシャレな感じだ。
これは、もう……満点で良いだろう。
「ドキドキした……100点満点」
「やったー! カルラ、お兄様から満点をもらいました!」
リゼが嬉しそうにピョンピョンと跳ねて、カルラに抱きついた。
「だから言ったじゃないっすか。クリスっちは、これが好きだって」
ぐぬぬぬ、カルラには全てお見通しのようだ。
「さあ、お兄様。次は、エルの番ですよ」
「へ?」
あー、そういえばリゼの後ろに隠れていたっけ。
僕は乾いた喉をアイスティーで潤して、リゼとカルラの方からエルに視線を移す。
「ブホッ!」
そこには、超エチエチなエルが降臨していた!
着ている物は色までもリゼと全く一緒だ。
だが問題は、その中身である。
エルの太ももはムッチムチで、リゼの可愛らしい絶対領域とは異なる物だった。
上半身もエルのHカップがダイナマイトすぎて、三角ビキニがはち切れそうである。
何という恐ろしいものを生み出してしまったのだろうか。
こんな格好で迫られたら、断れる男など一人もいないはずだ。
「参りました!」
僕は素直に負けを認める。
「ええ! 何? 参りましたって、どういうことかしら?」
エルが不思議そうに僕を見ている。
おそらく自分の魅力に気付いていないのだろう。
侯爵令嬢である彼女が、普段こんな格好をするはずがないのだから。
「ああ、えーと、エルが美しすぎるって話だよ」
「本当かしら?」
「うん、ほんとほんと」
何とか適当に誤魔化して、ファッションショーが終了した。
兎にも角にも僕は、リゼとエルから超元気をもらって、明日の新風力車での大移動も大丈夫そうである。
本当にご馳走様でした!
こうして僕たちは、アルバトロス独立国の調査を終えて、西側にあるパフィン独立国首都スターリングを目指すのだった。




