第97話 アルバトロス独立国首都アウル
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インフィニティの皆に沢山甘えて、リゼもすっかり元気になった。
一夜明けて現在、朝食後にリビングで、オレンジジュースを飲みながら会議中である。
「お兄様、このオレンジジュース凄く美味しいですね」
「そうだね。このみかんは、昨日リゼがハイブレスをかけた木から採れたんだよ」
「翌朝に、もう実がなっていたのですか!?」
予想していなかった出来事に、リゼが目を丸くしている。
「今朝カルラと外に出たら、実がなっていて驚いたよ」
「そうなんすよ、リゼたん。みかんの木に実が、びっしりとついてたんすよ!」
カルラが興奮気味にリゼへ説明している。
「ハイブレスは、ブレスよりもかなり強力な光魔法なのですね」
「うん。いつかリゼが大聖女になったら、エクストラブレスを試して欲しいな。僕の予想では、瞬時に実がなるのではないかと思うのだけど」
「確かに、私もお兄様と同じ予想です。いつか大聖女になれたら、一緒に実験してみましょう」
僕はリゼと約束の指切りをして、互いに笑みを零す。
「それはそうと、お兄様。昨日の光魔法の魔術書の続きが読みたいです。ハイブレス以外に新しい光魔法があるかもしれません」
リゼがやる気に満ちた目をして僕を見つめている。
「あー、それがね……あの後、僕とエルで続きを読んだところ、特に新しい情報は無かったんだよ」
「そうでしたか……」
ああ、リゼが落胆してしまった。
「念のため後で、リゼも目を通して欲しい。もしかしたら、見落としている部分があるかもしれないから」
「はい、お兄様」
リゼが微笑んで僕を見ている。
よかった、リゼに笑顔が戻ってきたようだ。
「さて今日の予定は、昨日回れなかった残り半分の地域で、古書店を探そうと思う」
皆が頷いて賛成したので、僕たちはアルバトロス独立国首都アウルの町へ探索に出る。
アウルの町は人で賑わい、様々な店が軒を並べていた。
もしかすると、今日回る方がメインストリートなのかもしれない。
昨日は、この半分くらいの人出だったし。
「お兄様、凄い人出ですね」
「リゼ、僕から離れないようにしてね」
「はい!」
リゼが笑顔で僕の左腕に抱きついた。
ブラ越しではあるが、リゼのAカップがフニフニと僕の左腕に当たっている。
ああ、僕は今日も幸せだ。
その後、全ての古書店に入り、未所持の本を買っていく。
そして、昨日よりも多くの本を手に入れることができた。
「この古書店で最後かな。規模も小さいし、あまり期待できそうにないけれど」
「お兄様! 隣のお店を見たいのですが、良いですか?」
ん? どうしたのだろうか?
あー、これは絶対にリゼが見たくなるお店だ。
香辛料の店なのだが、激辛多数有りと書かれている。
「良いけど、クラウから離れないようにね」
「はい! カルラ早く早く!」
「ちょ、リゼたん待って待って、そんなに急がなくても大丈夫っすよー」
リゼがクラウの左腕にしがみついて早足に店内へ入ると、カルラが慌てて後を追いかけた。
「クラウ、よろしくね」
「ああ、承知した」
クラウが右手を挙げて爽やかに答える。
「さて、小さな古書店だし探し物は見つからないだろうけど、念のため確認しようか」
「そうね。確認が終わったら私たちも隣のお店に行きましょう」
「分かった。エル、僕から離れないようにしてね」
「承知したのだわ」
エルが自然な動作で僕の左腕に抱きついた。
ふお! エルのHカップが僕の左腕にグニョンと当たっている。
ブラ越しなのに凄い存在感だ……さすがHカップ!
「エ、エル?」
「たまには良いのだわ。仲良し姉弟にしか、見えないでしょうけど」
エルが苦笑して僕を見つめている。
「それは、どうかな? きっと恋人同士に見えると思うけどね」
僕は、クールな感じでエルに反論した。
これでも沢山の魔物を討伐し、僕の男らしさもかなり上昇しているはずだ。
今こそエルに、僕の成長を認めさせてやる!
すると二人組の男が通りかかる。
「おい、見ろよあれ! すげー美人! でも、彼氏つきかー」
男の言葉に僕は、鼻を高くしてエルに微笑む。
「ん? 彼氏……じゃないだろ、どう見ても弟じゃねえか。でも、俺もあんな姉ちゃんが欲しかったなー」
「ああ、本当だな、こりゃあ弟だ。しかし羨ましいぜ、こんちきしょー」
ぐぬぬぬ、こんなはずでは……僕は諦めないぞ!
すると、続いて二人組の女性が通りかかる。
「見て見て! すっごい美人! 彼氏も可愛い感じねー」
ほら、ちゃんと彼氏に見えているぞ。
自信を取り戻した僕は、再びエルに爽やかに微笑む。
「え? 彼氏じゃないでしょ、弟君じゃーん。仲の良い姉弟ねー」
「あれ? 本当だ、どう見ても弟ね。でも、可愛いー! 私の弟になってくれないかなー」
うう、完敗だ……
まるで、逆転サヨナラホームランを打たれたような気分である。
「クリス君、元気出して。出会った頃より男らしく、頼もしくなっているのだわ」
エルが女神様のように、微笑んで僕を見つめている。
「本当に?」
「ええ、ほんとほんと」
むー、悔しいけど、いつかリベンジしてやる!
その後、僕とエルが古書店に入ると、予想通り未所持の本は見つからずに探索は終了した。
一方、リゼたちは沢山の激辛香辛料を手に入れたらしく、ご機嫌である。
こうして僕たちは、一旦アウルの町を出て平家に戻り、新しく仕入れた本を解読するのだった。




