第96話 甘えん坊
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先ほど、光魔法Sのハイブレスをリゼが習得した。
その結果リゼが大聖女に至ると、インフィニティ全員が期待する。
しかし、ステータスを確認すると何の変化も起きていなかった。
酷く落胆したリゼを僕がベッドに寝かせたけど、しばらくするとリゼが起きてきて、リビングに顔を出す。
「リゼ! 大丈夫かい?」
「はい、お兄様。皆にも心配かけてしまってゴメンなさい」
リゼが苦笑して皆を見ている。
「問題ないのだわ。早く元気になってね、リゼ」
「アタシに気を遣う必要はないぞ。リゼの笑顔が見られるなら、それだけで充分だ」
「自分にも遠慮はいらないっすよ。作って欲しい料理があったら、何でも言ってくださいっす」
エル、クラウ、カルラの順にリゼを気遣ってくれている。
「皆、ありがとう。ハイブレスを習得できて、また一歩大聖女に近づけました。私は諦めないので、大丈夫ですよ」
リゼが健気に振る舞い笑みを零す。
何とか気持ちを切り替えようと、必死なのかもしれない。
よし、そんなリゼが元気になれるよう、今日は沢山甘えさせてあげたいな。
「リゼ、早く元気になってね。今日は好きなだけ甘えて良いからさ」
「本当ですか、お兄様!?」
「うん」
僕の返事と同時にリゼが動き出し、ソファーに座る僕に抱きついてきた。
「えへへー、お兄様大好き」
リゼが僕の頬にキスをしてくる。
僕の頬にリゼの柔らかな唇の感触が伝わってきて、何だかムズムズしてきた。
そして、キスは終わることなく何度も続いている。
「えーと、リゼさんや。これはいつまで続くのかな?」
「えへへー、私が満足するまでですよ」
リゼが嬉しそうに微笑んでいる。
まあ、好きなだけ甘えて良いって言ったものね。
その後リゼは、しばらく続けていたが、さすがに飽きてきたのかキスが止まった。
「ふう、満足しました……お兄様、ありがとう」
リゼが満面の笑みで僕を見つめている。
「どういたしまして。リゼが元気になって良かった」
僕はリゼの頬にお返しのキスをする。
すると僕の唇に、リゼのプニプニと柔らかな頬の感触が伝わってきた。
そしてリゼは破顔すると、ようやく僕から離れる。
「よし、次はアタシの番だ」
クラウがリゼの前に来ると、片膝をついてジッとリゼを見つめた。
おお、さすがメーベルト劇場で、彼氏にしたいキャストナンバーワンに輝いただけはある。
その凛々しさは破壊力が半端ない。
普通の女性なら見つめられただけで、キュンキュンして気絶してしまうのではないだろうか。
「さあ、お姫様。何でもして欲しいことを言ってください」
「クラウ、ありがとう。じゃあ、私を持ち上げてクルクルと廻って欲しいの!」
リゼが笑顔でクラウにお願いした。
「承知いたしました、姫様」
そう言って立ち上がるとクラウは、リゼの脇の下に手を入れて抱き上げた。
そして自らがクルクルと廻り、まるで前世の遊園地にあったコーヒーカップやティーカップのようだ。
「あはは、クラウもっと廻してー」
「はい、姫様」
クラウがギアを一段階上げて、回転速度が上昇する。
おお、楽しそうだな……僕もやって欲しいかも。
「あははは、クラウもっともっとー」
「こ、これが……最高速だー!」
クラウが限界を超えて、魂の叫びがリビングにこだまする。
おお、凄いな……速すぎて目が回らないのだろうか? 僕は遠慮しておこう。
「うあああ、ストップ、ストップー!」
「しょ……承知ひた……」
クラウがヤバそうだ……ろれつが回っていない。
回転を止めたクラウは、何とかリゼを無事に床へ降ろす。
そして、床に大の字に寝転んだ。
リゼもフラフラして立っていられなくなり、床に座り込んでしまう。
「二人とも大丈夫!?」
「お、おにひはま……目が、ぐるぐるです……」
「ク……リス……気持ち……悪い……」
リゼが大変だ。クラウは、もっとヤバそうだ。
「もう……ダメ……ウプッ」
「ちょっ、クラウ! 待って、待って! あーもう! エリアヒール!」
クラウが吐きそうだったので、僕はリゼとクラウを同時に癒すため光魔法Aのエリアヒールを使った。
「……ふう、お兄様ありがとうございます」
リゼが苦笑して僕を見ている。
「……うう、クリスありがと~」
クラウが僕に抱きついてきた。
頑張り過ぎだよ……まったくもう!
僕は、クラウの頭を優しく撫でてあげる。
「クラウ、ごめんなさい。私が無理をさせてしまって……」
リゼが申し訳なさそうにシュンとしてクラウを見ている。
「いや、リゼは悪くないぞ。調子に乗ったアタシが悪いのだ。すまなかった」
クラウは困ったようにリゼを見て苦笑する。
「二人とも本当に大丈夫かな?」
僕が確認すると、二人仲良く揃って頷いた。
「さあ、次は自分の番すね。リゼたんは、夕食に何が食べたいっすか?」
カルラの質問にリゼが考え込んでいるようだ。
「うーん、ステーキとカルラ特製のスープが食べたい。あ、勿論大盛りで」
リゼが弾けるような笑顔でカルラにお願いした。
「了解っす! リゼたん萌え萌え、超大盛りっすよー」
カルラがノリノリでキッチンへ向かう。
「さあ、次は私の番なのだわ。リゼ、何か望みはないかしら?」
エルが微笑んでリゼを見つめている。
「うーん、思いっきり甘えてみたいかも」
リゼがいたずらっぽく笑ってエルを見つめ返した。
「分かった。さあ、好きなだけ甘えて良いのだわ」
エルが両腕を広げると、リゼが喜んで抱きついた。
リゼは、エルのHカップに顔をうずめてスリスリしている。
う、滅茶苦茶羨ましいのだけど!
僕と代わってくれないだろうか……
そしてリゼは、カルラの料理が出来るまでの間、エルに沢山甘えた。
「お待たせっすー!」
カルラがリゼに超大盛りステーキを焼いてくる。
あっという間に完食したリゼが、ステーキのおかわりを注文したようだ。
皆に沢山甘えて、リゼもすっかり元気になったように見える。
こうして僕たちは、気持ちを切り替えて、明日からまた頑張ろうと誓い合うのだった。




