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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第82話 砂漠のギャング

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 レオナが臨時的にインフィニティへ合流してから、一夜が明けた。

 今は朝食を終えてリビングのソファーに座り、皆でハチミツ入りのホットミルクを飲んでいる。


「さて、今日からデス砂漠に行って、巨大サソリのスタンピードについて原因となったであろう魔物を探す」


 全員が僕を見て頷く。

 皆、昨夜ぐっすり眠れたようで体調は良さそうだ。


 レオナだけは変な夢を見たらしく、夢の中で身動きが取れずに、ずっともがいていたらしい。

 エルは、レオナという抱き枕が最高だったらしく、『やっぱり妹が欲しいのだわ』と言っていた。


「じゃあ外に出て、新風力車に乗ってね」


 僕は平家から出ると、収納ボックスから新風力車を取り出した。

 そして、全員が平家から出たのを確認し、家を解体する。


「リゼ、結界と認識阻害を解除して」

「はい、お兄様」


 リゼが慣れた手つきで作業を終えた。


「リゼ、いつもありがとう。魔力は大丈夫かな? 体調に変化はない?」

「はい。お兄様と一緒だから、私は元気一杯ですよ」


 リゼが、キラキラ輝く笑みを零す。

 今日のリゼは若葉色の半袖ワンピースで、膝上10センチメートルくらいのスカート丈だ。

 透き通るような白く美しいリゼの生足がとても眩しい。

 いつもは膝下のスカート丈なので、何か心境に変化でもあったのだろうか。


「よし、行こうか」


 リゼが首を縦に振ると、僕の左腕にしがみついてきた。

 僕は空いている右手で、リゼの頭を優しくなでる。

 そして二人で一緒に、新風力車へ乗り込んだ。


「では、以前と同じように二人一組になって、30分交替でデス砂漠の調査を行う。左側の小窓をリゼとクラウ、右側の小窓をエルとカルラで、30分ごとに交替してね」

「「「「了解!」」」」


 リゼ、エル、クラウ、カルラの声が揃う。


「クリス、妾は何をしたらよいのじゃ?」


 レオナが微笑みながら、首を傾げて僕を見つめている。


「レオナは僕と一緒に運転席で、前方を探してくれる?」

「わかったのじゃ!」


 レオナが元気一杯に笑顔で返事をした。


「では、出発するよ。皆、所定の位置についてね」

「「「「「了解!」」」」」


 レオナを含めた女性陣全員の声がハモった。

 僕は運転席に座ると、右隣にレオナを座らせて後ろを確認する。

 全員が座っていたので、僕は新風力車を風魔法で浮上させて上空を進んだ。


「ふおおお、クリス! 飛んでる! これ、空を飛んでいるのじゃが!?」


 初めて新風力車に乗ったレオナが、驚嘆して叫んでいる。

 まあ、初めて空を飛んだら、そういうリアクションになるよね。


「レオナ、これは僕が作った新風力車という乗物で、僕の風魔法で動かしているんだ」

「ふえー、風魔法が使えると、皆空を飛べるのかや?」

「うーん、僕の風魔法はSだけど、他の風魔法Sの魔法使いが空を飛べるかは、確認してみないと分からないかな」

「なるほどのう。よし、妾頑張って魔物を探すのじゃ!」


 そう言ってレオナは、元気良く首を左右に振りながらデス砂漠の魔物を探していたが、30分くらい経つと予想どおり舟を漕ぎ始めた。

 リゼやエルでさえ、この眠気には勝てなかったのだ。レオナのせいではない。

 元々この依頼は、インフィニティへの指名依頼だから、レオナは自由にしてもらって大丈夫である。


 僕は1時間空を飛んだら地上に着陸して10分休憩し、また新風力車で空を飛ぶことを繰り返す。

 しかし、初日と2日目は何の手掛かりも得られず終了した。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 そして、デス砂漠の調査3日目を迎える。

 現在朝食を終えリビングで、ハチミツ入りのアイスミルクを飲みながら会議中だ。


「この2日間、デス砂漠で魔物を見ていない。いくらスタンピードの後だとしても、おかしくないだろうか。巨大蟻地獄すら居ないのは、異常な光景だと思う」

「私もクリス君に同感なのだわ。巨大蟻地獄の落とし穴だけが沢山ある状況を、予想していたのだけど」


 僕の意見に、エルも同じ考えのようである。


「うーん、となると巨大蟻地獄の落とし穴を苦にせず、捕食している魔物が存在する可能性が高いね」

「お兄様、その魔物が私たちの探している魔物かもしれませんね」

「うん。とにかく今日は、何でも良いから魔物を探そう。初日に首都ストークからデス砂漠を見て左側を探した。そして2日目は中央付近を探したが、初日2日目と魔物を見ていない。今日は、右側を探そうと思う」


 皆が真剣な表情で頷いた。

 僕たちは、準備を整えて新風力車に乗り込み、3日目の調査を開始する。

 午前中は空振りだったが、昼食休憩後にリゼが魔物を発見した。


「お兄様、こっちです」


 リゼとクラウの居る左側の小窓から外を見ると、スラリとした体形の魔物が直立不動で何かを探している。

 ん? あの特徴のある姿勢は、前世で見たことがあるな……たしか動物園で見たような……


「ミーアキャット?」

「クリス、キャットってあれは猫なのか?」


 僕のつぶやきにクラウが反応した。


「いや、猫ではなくてマングースの仲間だったはず」


 すると、魔物が何かを見つけたようで動き出した。


「2本の足で直立不動になってましたけど、移動するときは4本足なのですね」


 リゼが驚いて魔物を見つめている。

 そして、魔物が移動中に『グワッグワッ』とアヒルのように鳴いた。


「うわっ、あの猫アヒルみたいに鳴いたぞ」

「だからクラウ、あれは猫じゃないってば」


 そんな会話をしていると、後ろにレオナ、エル、カルラが集まって来ていた。


「少し待ってね。皆が観察しやすいように、新風力車の向きを変えるから」


 僕は皆が見やすいように、運転席の窓から魔物が見える位置に向きを調整する。


「あの猫、何を見つけたんすかね?」


 突っ込むのも面倒になってきたので、カルラの発言は放置した。


「あっ、巨大蟻地獄の落とし穴に、自分から落ちていったのじゃ!」


 レオナがそう言い終わる頃には、落とし穴の底に到達する。

 そして、飛び出してきた巨大蟻地獄を、右手の鋭い爪を使い一撃で仕留めたのだ。

 その後、頭部だけを食べると落とし穴から這い出て、自分の足で落とし穴を埋めている。


「凄い強さなのだわ」


 エルが発見した魔物の強さに驚いていた。


「あっ、巨大サソリが近づいてきます」


 リゼがそう言い終わる頃には、発見した魔物が走り出す。


「あの猫、巨大サソリの尻尾を踏みつけたっすよ」

「ああ、巨大サソリが毒針で刺したのじゃ」

「勝負あったっすね。猫の負けっす」


 しかし、そこで僕たちは異常な光景を目にする。


「あれ? あの猫、しぶといっすね」

「カルラあれは、しぶといのではなくて毒が効いていないのだわ」

「あの魔物、巨大サソリの尻尾を食いちぎったのじゃ」


 毒針付きの尻尾が無い巨大サソリは、ただのエビだった。

 さっきの巨大蟻地獄とは違い、美味しそうにバリバリと殻ごと食べている。

 そして、あっという間に尻尾以外を完食したのだ。


 あまりの無敵ぶりに、女性陣が全員ドン引きしている。


「スタンピードの原因は、あの魔物で間違いなさそうだね」

「クリス君、鑑定してみて欲しいのだわ」

「皆、僕の手に触れてね」


 僕は、スタンピードの原因になったであろう魔物を鑑定した。


【巨大ミーアキャット】

 魔物 5歳 オス


 知力 25/30

 武力 85/90

 魅力 25/25

 特徴……名前にキャットとあるが、猫ではない。マングースの仲間であり、『グワッグワッ』とアヒルのように鳴く。巨大サソリの毒に免疫があり、まるで効かない。巨大サソリにとっては天敵であり、まさに砂漠のギャングである。滅多に巨大化して魔物になることはないが、魔物になってしまうとあまりの無敵ぶりに、巨大サソリがスタンピードを起こすことがあるので注意が必要。手の鋭い爪と何でも噛み砕く歯が武器。肉は美味とはいえず、食用には向かない。ただし、鋭い爪と歯は貴重な素材となる。


「キャットって名前なのに猫じゃないんすね」

「まったく紛らわしい名前だな。ニャーって鳴かないから、びっくりしたじゃないか」


 やっとカルラとクラウが、猫ではないと認識したようだ。

 しかし、僕にとってこの発見は嬉しい。

 僕がスタンピードの原因ではないと、証明できたのだから!


「お兄様、砂漠のギャングみたいですけど大丈夫ですか?」


 リゼが心配そうに僕を見つめている。

 僕は、巨大ミーアキャットを討伐する作戦を考えるのだった。


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