第81話 レオナ育成計画
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レオナが臨時的に仲間になり、全員で水着を着て風呂に入ったときに悲劇が起きた。
AAカップのレオナが、エルのHカップ、カルラのGカップ、クラウのEカップに圧倒され、唯一仲間と思ったリゼのAカップでさえ自分より大きいと気付き、ひどく落胆したのだ。
「どうせ男なんて皆、大きいのが良いのじゃろ? 妾なんて……妾なんて……」
さっきまで自信満々で上機嫌だったレオナが、凄く落ち込んでいる。
「レオナ、お兄様は胸の大きさで、女性の優劣を決めたりしませんよ」
「ふえ、本当?」
リゼの言葉に反応したレオナが、縋るような目で僕を見つめた。
「うん、レオナには良いところが、たくさんあるじゃないか」
「例えば?」
「魔物が出れば王女なのに最前線で戦い民を守る、素晴らしい行動力。だから民に凄く慕われているし、王宮でも人気者。しかもトリック独立国で一番の美少女だ」
「そうじゃった。妾、人気者の美少女なのじゃ」
レオナに少し笑顔が戻ってくる。
「そんなレオナを僕は尊敬しているし、好ましく思っているよ」
「ふおおお、妾、完全復活! クリス、大好きなのじゃー!」
レオナが破顔して、僕に抱きついてきた。
まあ、嘘は言っていない。僕は、友達としてレオナが好きだ。
女性の胸に関しては、僕にとって好きになった人が、たまたま大きかったか、小さかったかだけの話であり、特にこだわりは無い。
でもエルのHカップとかは、自然と目で追ってしまうが、これは男の本能なので仕方がないのだ。
「レオナ、アタシもレオナの年の頃は、同じような感じだったぞ。成長期は、これからだ。3年経って15歳になった頃には、今よりも大きくなっているさ」
「おお、クラウ。妾、希望が見えてきたのじゃ」
レオナがクラウと、笑顔で握手している。
「レオナ、毎日牛乳を飲むと、胸の成長に効果があるらしいのだわ」
「おお、エル。妾、毎日牛乳を飲むようにするのじゃ」
レオナがエルと、にっこり笑って両手でハイタッチした。
「レオナたん、バストアップには鶏肉が良いらしいっすよ。特に、鶏のむね肉が最高らしいので、この後の夕食は鶏のむね肉にするっす」
「おお、カルラ。妾、鶏のむね肉たくさん食べるのじゃ」
レオナがカルラに抱きついて、Gカップに顔をうずめて喜んでいる。
う、ちょっと羨ましい。
「皆、ありがとう。インフィニティ最高なのじゃー!」
レオナが満面の笑みで叫んだ。
「さて、順番に髪を洗おうか。まずは、レオナからね」
「ん? クリスが洗ってくれるのか?」
「レオナ、お兄様は洗髪がとても上手なのですよ」
リゼがレオナに笑みを零す。
「それは楽しみなのじゃ!」
すっかり機嫌の戻ったレオナを椅子に座らせて、シャワー魔法で髪を濡らす。
僕の右手から丁度良い温度のお湯が噴き出している。
「ふあ、何これ気持ち良いのじゃ」
「レオナ、お兄様のシャワー魔法ですよ」
「ふえ、これ魔法なの?」
レオナが気持ち良さそうにしている。
僕は、シャンプーをつけて手早くレオナの黒髪を洗う。
滑らかでツヤのある美しい黒髪だ。
「はい、終わったよー」
「ふう、王宮で侍女に洗ってもらうより、気持ち良かったのじゃ」
レオナが大満足で、シャワー魔法を絶賛していた。
その後リゼ、エル、クラウ、カルラと洗髪を済ませ、女性陣が自分で体を洗うため、僕は浴場を後にする。
そして隣に作っておいた浴場で、自分の髪と体を手早く洗い、ドライヤー魔法で髪を乾かした。
僕が浴場を出て、リビングに戻ると誰も居ない。
しばらくすると、リゼとレオナが仲良く手を繋いで、浴場から出てきた。
「レオナ、おいでー」
「ん? クリス、どうしたのじゃ?」
僕はレオナを椅子に座らせて、ドライヤー魔法で髪を乾かす。
僕の右手から勢いよく温風が噴き出している。
「ふおお、あっという間に髪が乾いたのじゃ! いつも王宮では、大変じゃったのに。クリス、これも魔法かの?」
「うん、ドライヤー魔法っていう、風魔法と火魔法の複合魔法だよ」
「ほえー、複合魔法ってスゴイのじゃな」
レオナの髪を乾かしている途中でエル、クラウ、カルラが浴場から出てきて、リビングに全員が揃った。
夕飯の準備があるので、僕はカルラの髪を先に乾かして、次にリゼ、エル、クラウの順にドライヤー魔法をかける。
「クリス、皆の髪を洗ったり、乾かしたりと大変ではないのか?」
レオナが首を傾げて僕を見つめた。
「5年前からずっとリゼのお世話をして慣れているから、全然苦にはならないよ」
「ほー、クリスとリゼは小さい頃からずっと、仲良しだったのじゃな」
「えへへー、お兄様と一緒だと、毎日がとても楽しいの」
ふむ、これは最高の褒め言葉かもしれない。
僕も毎日リゼが笑顔でいられるよう、これからも頑張りたいと思う。
「もう少しで夕食の準備が出来るっすから、レオナたんは牛乳飲んで待っててねー」
カルラがレオナにホットミルクを持ってきた。
「ほわあ、美味いのじゃ! こんな美味しいホットミルク、飲んだこと無いのじゃ」
「ホットミルクの中に、巨大蜂のハチミツが入ってるっすからね。そりゃあ美味いっすよ」
「巨大蜂のハチミツ! そんな高価なものが入っておったのか」
レオナの話だと、トリック独立国では入手が難しく、王室御用達の高級食材らしい。
まさかそんな高級品だったとは……クラウなんて体中に塗りたくっていたくらいだし。
この後夕食に、巨大鶏のむね肉を使ったコース料理をカルラが披露したのだが、巨大鶏の肉もかなりの高級食材だそうな。
インフィニティでは、事あるごとに焼肉大会を開いて、食べまくっていたのだが。
「ふうー。もうお腹一杯なのじゃー」
巨大鶏のコース料理を堪能したレオナが、幸せそうにお腹をさすっている。
「しかし、カルラの料理の腕前はスゴイのじゃ。我が国の王宮料理長とも良い勝負じゃろうて」
「嬉しいこと言ってくれるっすね」
レオナに褒められて、カルラが破顔した。
「しかし、今日は散財させて申し訳ないのじゃ。妾の歓迎会なのじゃろうけど、高級食材ばかり使わせてしまい恐縮なのじゃ」
「レオナたん、インフィニティでは毎日こんな感じっすよ」
「ええ! 毎日これなの!?」
レオナが驚いて、衝撃を受けたらしい。
まあ、僕たちにしてみたら討伐した魔物の肉なので、無料なのだけど。
この後、リビングで少し話をして、食休みをする。
そして僕たちは、明日のデス砂漠での調査に備えて、早く寝ることにした。
寝室に移動して、いつものようにカルラ、僕、リゼ、クラウ、エルの順に並んでベッドに入る。
ここでレオナには、クラウとエルの間に入ってもらう。
「ここで妾も一緒に寝るのか?」
「護衛することを考えると、皆が同じ部屋で寝た方が、守りやすいからね」
「ふむ、何か楽しそうじゃの! 妾、クリスの隣が良いのじゃが」
来た! ここは用心しておかないと、既成事実を作られそうで怖いのだ。
僕とレオナが隣で寝ると、後で国王陛下にレオナが同衾したとか言って、結婚して責任を取れという流れになるかもしれない。
「レオナ、ごめんね。レオナとリゼの護衛を一番に考えないといけないから、寝る順番は動かせない」
「ぐぬぬぬ、仕方ないのじゃ……エル、クラウよろしくなのじゃ」
エルとクラウが、レオナの頭をナデナデして歓迎している。
今日は皆、歩き疲れていたのか、すぐに寝息が聞こえてきた。
僕は、レオナを警戒して最後まで起きていたが、一番最初に寝たのはレオナだった。
可愛らしい寝顔でスヤスヤと眠っていたのだが、現在は寝ぼけたエルに抱きつかれて、苦しそうに呻いている。
どうやらエルは、何かを抱きしめて眠るクセがあるようだ。
いつも苦しそうに呻いているクラウは、レオナを身代わりにしたことにより、気持ち良さそうに熟睡している。
そして僕は、いつものようにリゼのAカップ、カルラのGカップに腕を挟まれて幸せに眠るのだった。




