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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第71話 大聖女リーゼロッテが残してくれたもの

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 大聖女リーゼロッテの死因が、餓死である可能性が高まった。

 いったいオアシスの村で何があったのだろうか。


「リゼ、その手記には大聖女が、オアシスの村に到着してからのことを、書いているのかな?」

「はい。リーゼロッテ様は、Sランク冒険者パーティーの奮戦により、何とかオアシスの村に辿り着き、村人全員の疫病を治したそうです」


 リゼの瞳から涙が止まらない。

 それほど手記の内容が、悲惨なものだったのだろう。


 その後、3人が最初に選んだ手記を読み終えたタイミングで、手記のローテーションをした。僕はエルの、エルはリゼの、そしてリゼは僕が最初に選んだ手記を読んでいる。


 しばらくするとエルが、リゼ同様に涙を流しているようだ。

 大聖女が死の直前に書いた手記である。

 あの一冊を読むには、相当の覚悟が必要かもしれない。

 

 そして、もう一度手記のローテーションをして、3人が全部の手記に目を通した。 


「お兄様、私のハンカチを使ってください」

「うう、ありがとうリゼ……」


 死を直前にした大聖女があまりに不憫で、僕も最初にリゼが担当した手記を読みながら、涙が止まらなかったのだ。

 気を落ち着かせるために、一旦全員で休憩を取り、冷たいフルーツジュースを飲む。

 その後5人全員で、大聖女リーゼロッテの手記について、情報を共有することにした。


「では、残された3冊の手記から、分かったことを確認したいと思う」


 全員が頷いたので、僕は話を進める。


「まず、現在5つの独立国があるが、元はスワロー共和国という一つの国だったこと。そしてリーゼロッテは、スワロー共和国の大聖女として国内の民を癒していた」

「へー、この辺は昔、スワロー共和国という大国だったんすね」

「それが分裂し、抗争を繰り返して、現在ある5つの独立国に落ち着いたのだわ」


 僕の説明にカルラが納得し、エルの説明にクラウがうんうんと頷いている。


「そんなある日、オアシスの村で疫病が蔓延して国王に救援要請がある。国王は大聖女に協力を依頼すると、リーゼロッテは快く承諾し、Sランク冒険者パーティーを護衛に付けてデス砂漠を目指した」

「Sランク冒険者パーティーが護衛なら安心だな」


 クラウが僕の説明にホッと安堵しているようだ。


「でも、デス砂漠で20頭以上の巨大サソリに襲われて、Sランク冒険者パーティーは、リーゼロッテ様を守るために全滅してしまうの」

「リゼたん、マジっすか!?」

「うーむ、アタシでも20頭の巨大サソリを同時に相手するのは難しいな。しかも大聖女を守りながらだと、より困難だ」


 リゼの説明にカルラとクラウが反応する。


「そしてリーゼロッテ様は、何とかオアシスの村に辿り着いて、村人たちの疫病を治したの」

「よかったっす、村人たちは助かったんすね」


 リゼの説明にカルラがホッと胸をなでおろす。


「だが、Sランク冒険者パーティーを失ったのは、大きすぎる痛手だな。これでは、大聖女が元の場所へ帰るのが難しい」

「一大事じゃないっすか!」


 クラウの指摘に、カルラが驚愕した。


「そしてもともと、村の食料は不足していたけれど、リーゼロッテ様の魔法で畑の作物を一気に育てたりして、食料事情もギリギリ何とかなっていたの」

「なら安心っすね」

「ところが突然湧き水の量が減って、砂嵐が発生するようになると、食料事情が急激に悪化してしまったの」

「大変じゃないっすか! リゼたん、その後はどうなったんすか?」

「リーゼロッテ様の魔法でも畑の作物が育たなくなって、村は大飢饉になってしまうの」

「そんな……」


 リゼの説明にカルラが言葉を失う。


「それに大聖女は、自分のことを守るために結界等の魔法が自動発動していて、とてもお腹が空くんだよ。リゼだって皆の倍くらい食べるでしょ?」

「確かにクリスっちの言う通りっすね。リゼたんの食欲、半端ないっすもんね」

「つまり、大聖女にとって飢えは、通常の人の2倍以上の苦しみになる」


 全員の視線が僕に集まる。


「そんな中で病気になる村人が続出し、大聖女は気力を振り絞って魔法を使い病人を癒す。それこそ、自らの命を削るように……」

「……」


 あまりに悲惨な状況のため、僕の説明に皆が黙ってしまう。


「そしてついにリーゼロッテ様は、村人たちより先に亡くなってしまった。あの地下室は、村長の自宅のようですね。手記の最後に、村長がリーゼロッテ様へ、感謝の言葉を残しています」

「その後、あの石碑が建てられたのだわ」

「……」


 リゼとエルの説明に、クラウとカルラも言葉を失ってしまったようだ。


「最終的に村人たちは、どうなったんすかね?」

「この村で餓死したか、砂漠を通過しようとして魔物に襲われたか、運よく砂漠を通過できたかのいずれかだと思う」

「そうね、私もクリス君と同じ意見なのだわ。でも、運よく砂漠を通過するには、巨大蟻地獄の落とし穴を全て回避して、さらに巨大サソリにもなるべく遭遇しないという極めて困難なミッションをクリアする必要があるのよね」

「なるほど、エルの言う通りっすね。だとすると国王への救援要請も、命がけだったのかもしれないっすよ。いったい何人が犠牲になったのやら」


 あまりに悲惨な話のため、皆が無言になる。


「でもね、大聖女リーゼロッテが、次の大聖女のために残してくれたものがある」

「リーゼロッテ様が?」


 リゼが頬を涙で濡らしながら、首を傾げる。


「この手記にある植物を育てる光魔法。ブレス、ハイブレス、エクストラブレスの3つは、帝国の魔術書には、載っていない」


 リゼがハッと驚いて僕を見ている。


「確かに、お兄様の言う通りですね。リーゼロッテ様の死があまりに悲しくて、気が動転していたようです」


 こうして僕たちは、リゼが大聖女に至るために必要な、新しい光魔法の情報を得たのだった。


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