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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第52話 絶望

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 僕は、シアターの町郊外に作った平家で公演8日目以降の秘策を考えている。

 エルの試算で、千秋楽まで満員御礼が続いても、劇団メーベルトの借金は完済できないらしい。

 これ以上座席は増やせないので、それ以外の方法で、何か売り上げる必要がある。


 うーん、カルラのケーキを、お土産にして販売するのはどうだろうか?

 ケーキに包装が必要になって、手間とコストがヤバそうだ。


 コストを意識するなら、僕が土魔法でグッズを作って、販売するのが良さそう。

 となると、大聖女のステッキと杖が良いかもしれない。

 森で土魔法を使って作れば、僕の魔力量に問題がない限り、タダで大量生産が可能だ。


 後は、公演後キャストによる握手会を開くのも良いかもしれない。

 ただ、前世でも問題が多く発生したイベントなので、注意が必要だろう。

 不審者に攻撃されても困るので、自分の身を守れる武力の高い人が適任か。

 となると、クラウしかいないな。

 若い女性に大人気だから、ウケルかもしれない。


「クラウ、ちょっと森まで行ってくるから、皆の護衛をお願い」

「それは構わないが、何しに行くんだ?」


 クラウが不思議そうに僕を見ている。


「公演のグッズ販売用に、大聖女のステッキと杖を大量生産しようと思ってさ」

「それなら私が一緒に行って、品質を確かめないといけないですね」


 リゼがソファーから立ち上がり、出かける準備を始めた。

 カルラは、日替わりケーキのことで頭がいっぱいのようで、ずっとレシピとにらめっこしている。

 エルも公演8日目以降の売上問題で、悩んでいるようだ。


「エル、明日から公演終了後に、キャストによる握手会をやろうと思うのだけど」

「握手会?」


 僕はエルに握手会の内容、問題点、注意点などを説明した。


「なるほど、そうなると適任者はクラウディアしかいないのだわ。貴族学校でもファンクラブがあったくらいだし」

「本当に!? 握手1回で銅貨1枚の値段設定を考えているけど」


 ちなみに、銅貨1枚は前世でいうと千円くらいの価値がある。

 銅貨10枚で銀貨1枚になる計算だ。


「良いと思うのだわ。でも私なら女性限定で、ハグ1回銅貨2枚にするわね」

「クラウがやってくれるかな?」


 僕とエルがクラウに視線を向けると、微笑したクラウが僕を見ている。


「女性限定のハグなら構わないぞ。でも男はダメだ。アタシがハグをする男は、旦那様だけなんだからね!」


 クラウが片眼を閉じて、僕を指さしている。


「どうだ、アタシの魅力にキュンとしただろ? アメリアが教えてくれたんだ。ツンデレとかいう高度なテクニックらしい」


 へえ、すでにこの世界には、ツンデレが伝わっているのか。

 だが先ほどのクラウは、口調はツンデレっぽいけど、内容についてはもう少し練習が必要かもしれない。今後に期待しよう。


「クラウ、僕にハグして」

「おお! ついにアタシの魅力に気付いたか。ツンデレ最高だな! アメリアありがとう」


 クラウが僕をギュッと抱きしめてきた。

 まあ、ハグの感触を確かめておかないと、明日の握手会でケガ人が出たら大変だし。

 あ、今日は固くないな……中に防具をつけていないからか、Eカップがふにゅふにゅと僕の鎖骨にあたる。

 と思ったら、クラウが急に僕を力一杯抱きしめてきた。


「イテテテ! 折れる折れる!」

「ああ、すまない。つい、いとおしくなって力が入ってしまった」

「ハグでケガ人が出ると大変だから、この後エルと一緒に練習しておいて」

「承知した」


 僕は、エルにウインクして合図を送ると、エルも僕の意図を察してウインクを返してきた。

 後でご褒美に、エルにもハグをしてもらおうかな。


 そんなことをしていると、リゼの準備が整ったようなので、僕とリゼは森へ向かった。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 風力車で数分移動すると、森の入口に到着した。

 僕とリゼは、風力車を降りて少し歩く。

 夕方前で、まだ周囲は明るいが暗くなる前に帰りたい。


 するとリゼが、僕の左腕にギュッと抱きついてきた。

 だが、左腕にいつもの極上な感触がない……もしかしてブラを着用し始めたのか!?

 そう言えば、この前エルと一緒に何やら熱心に話をしていたような……

 僕は絶望し、心の中でガックリと膝をついた。 


「お兄様、二人きりになるのは、久しぶりですね」

「へ? ああ、最近賑やかになったよねえ」


 リゼの表情に笑みがこぼれている。


「賑やかなのも楽しくて好きですけど、たまには二人きりで甘えさせて欲しいです」


 ぐはっ! リゼが切ない表情で、僕をジッと見つめている。

 演技の指導を受けているせいか、一つ一つの仕草がとても魅力的なのだ。

 僕は、我慢できずにリゼをギュッと抱きしめた。


「お兄様?」

「たまには二人きりの時間を作って、一緒に出かけるのはどうかな?」

「はい! 約束ですよ」


 僕は抱擁を解くとリゼと約束の指切りをする。

 そして、大聖女のステッキと杖を魔法で大量に作り、収納ボックスへ入れて平家へ帰った。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 翌日になり、公演8日目を迎えた。

 今日も満員御礼で演劇も無事に終了すると、いよいよグッズ販売と握手会である。


「クラウ、握手会よろしくね」

「ああ、任せてくれ、クリス」


 今のクラウは、クールビューティーモードのようだ。

 大丈夫、いける!


「エルは、クラウの手綱をしっかり握っていてね」

「承知したのだわ」


 エルがクスクスと笑いながら僕を見ている。

 よし、後は僕とリゼで、大聖女のステッキと杖を販売するのだ。


「リゼは準備できているかな?」

「はい! いつでも大丈夫です」


 僕とリゼは、劇場内のグッズ販売所へ移動した。


「大聖女のステッキと杖はいかがですかー! 劇で使用したものと同じ物ですよー!」


 僕が大きな声で呼びかけると、4人家族が見に来てくれた。

 妹が6歳くらいで、姉が10歳くらいだろうか。


「大聖女のステッキと杖、それぞれ銅貨2枚です。両方購入すると、銅貨3枚に割引しますので、大変お得ですよ」


 姉妹が父親に、欲しいとねだっている。


「じゃあ、両方ください」

「ありがとうございます!」


 僕は、父親から銅貨3枚を受け取り、妹にステッキを姉には杖を渡した。

 二人とも満面の笑顔で、ステッキと杖を高々と掲げている。


「大聖女のステッキまたは杖を購入した人は、大聖女リーゼロッテの元に集まってください!」


 リゼが大きな声で姉妹を呼ぶ。

 そして、リゼ先生によるキメポーズの直接指導が始まった。

 姉妹は楽しそうにマネて、キメポーズを両親に披露している。


 それを見た他の子供たちが、親の手を引っ張りながら販売所の前にやってきた。

 中にはお年寄りが、孫の土産にと買ってくれたりして、グッズ販売は大成功となる。


 それから握手会は9割以上が女性ファンで、エルの予想どおり、ほぼ全員がハグを選択したそうだ。

 さらに一度ハグを終えた後に、再び最後尾に並び直す女性も居たりと、大盛況だったらしい。


 こうして8日目から千秋楽までの23日間、ずっと満員御礼が続き公演は大成功となる。

 劇団メーベルトの借金も完済のが付き、僕たちインフィニティは、ほっと胸をなでおろしたのだった。


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