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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第48話 メーベルトの書架

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 アメリアの演奏が終わり、人がまばらになってから、僕たちもバイオリンに挑戦してみた。

 結果は、エルがそこそこ弾ける以外全滅だった。

 エルは幼少期にレッスンを受けていたそうで、アメリアほどではないが、きちんと音が出ていた。

 幼少期に僕とリゼは魔法の訓練、クラウは剣術の稽古、カルラは料理の修行を中心にしていたので、弾けないのは仕方ない。


「実際にやってみると難しいものだね。アメリアはすごいよ」

「ありがとう。久々に弾いたけど、楽しかったわ。やっぱり私、バイオリンが好きかも」


 アメリアが屈託のない笑顔を見せていた。

 先ほど公園で泣いていたのが、噓のようにスッキリした表情をしている。

 彼女が毎日心から笑って過ごせる日が、来るといいな。


「アメリア、君には演技よりもバイオリンの才能があると思う」

「そうね、あなたに言われると、本当にそんな気がするから不思議よね。ああ、まだあなた達の名前を聞いていなかったわ。危ない所を助けてもらったのに、私ったら」


 僕たちとアメリアは、自己紹介をして打ち解けあった。

 そして、楽器屋を出て今は、メインストリートをメーベルト劇場方面へ歩いている。


「そう、全員が冒険者だったのね。その若さでAランクパーティーなんてすごいわ。やっぱりクラウディアがリーダーなのかしら?」

「いや、アタシじゃなくてクリスがリーダーだ。ちなみに、アタシよりクリスの方が強いぞ」

「嘘!? 本当に?」

「まあ、剣術勝負ならクラウディアが一番強いけどね。僕は、剣より魔法が得意だから」


 そんな話をしていると、メーベルト劇場の前に到着してしまった。


「事務所に寄っていかない? 父も居ると思うし、公園で助けてもらったお礼がしたいわ」

「お礼は、さっきのバイオリンの演奏で充分だよ」

「そうはいかないわ。きちんとお礼はしないとね」

「じゃあ、君の父上と話をさせて欲しいかな」

「父と? 一体何を話すのかしら?」


 アメリアが不思議そうに僕を見ている。


「君が演劇を辞めて、バイオリン奏者としての道を歩めるよう説得したい」

「ええ!? 私、女優を辞めるなんて、言ったかしら」

「では、明日からまた苦しくて楽しくない演技の勉強を、続けたいのかな? これからもあの舞台に、立ち続けたいのかな?」

「う、それは……でも、父が納得してくれるかしら」

「何事もやってみないと、分からないでしょ? アメリアが、余計なことをするなと言うなら、何も言わないけど」


 アメリアは、少し下を向いて考え込むと、やがて何かを決心したように僕を見た。


「私からも父に話してみるわ。もしダメだったときは、助けて欲しいかな」

「分かった」


 僕たちは建物の裏手から中に入り、事務所へ向かった。

 そしてアメリアがドアをノックすると、中から声がする。


「お父さん、ただいま」

「ああ、おかえり」


 アメリアがドアを開けて中に入ると、ソファーに座る父親が出迎えた。


「ん? そちらの方たちは?」

「実はね、さっき公園で二人組の男に絡まれてしまって。私を助けてくれた、Aランク冒険者パーティー『インフィニティ』の皆さんよ」

「アメリア、ケガはしていないか?」

「うん、私は平気」

「そうか、なら良かった」


 アメリアの父が、ほっと胸をなでおろしたように微笑む。

 これから説得するなら、相手のことを知っておかないとね。

 僕は、アメリアの父を鑑定してみた。


【フランク・メーベルト】

 ファルケ帝国 平民 40歳 男


 知力 68/68

 武力 70/70

 魅力 90/90


 剣術 C/B

 槍術 G/F

 弓術 G/F

 馬術 D/C


 話術 A/A

 算術 C/C

 芸術 S/S

 料理 D/C

 

 茶髪茶眼でショートヘア、身長170センチメートルくらいで、体型は少しやせ型のイケメンだ。

 芸術Sは、演技Sを意味していると予想する。


「インフィニティの皆さん、娘を救ってくれて、ありがとうございます。私は、アメリアの父でフランク・メーベルトと申します」


 フランクさんが、ペコリと頭を下げた。

 僕たちも5人がそれぞれ自己紹介を済ませて、全員がソファーに座る。


「お父さん、私の話を聞いて欲しいの」

「ん? どうしたのかな?」


 アメリアは、フランクさんをジッと見つめている。

 おそらく、最初の言葉がなかなか出てこないのだろう。

 そして、アメリアが大きく深呼吸をした。


「お父さん、私女優を辞めてバイオリン奏者になりたいの」


 いきなりの告白に、フランクさんが目を見開いている。


「そうか、もう限界だよな。アメリア、舞台に立つのが怖いのだろう?」


 予想していない返答だったのか、今度はアメリアが目を丸くした。


「なんでわかったの!?」

「俺も役者だからな。それくらい、見ていればわかるさ」

「私ね、やっぱりお母さんみたくは、なれないよ。似ているのは顔だけで、どんなに頑張っても、お母さんみたいな演技は、私にはできないの」


 アメリアの頬が涙で濡れている。


「私が無理を言ったばかりに、アメリアには辛い思いをさせてしまったな。すまなかった」

「お父さん……」

「わかった。アメリアは、自分の好きな道を行きなさい」

「いいの?」

「ああ、どうせ次の公演を最後に、劇団メーベルトも解散する予定だしな」


 フランクさんが、諦めたように苦笑した。


「解散!? どうして?」


 アメリアが驚愕している。


「劇団の借金が膨れ上がってしまい、2か月後に返済できなければ、先祖代々守ってきたこの劇場も手放すことになる」

「どうして言ってくれなかったの?」

「演技で苦しんでいるお前に、こんなこと言えないさ」

「う、それはそうかも……」


 アメリアとフランクさんが、黙り込んでしまった。


「え~と話をまとめると、フランクさんはアメリアが女優を辞めて、バイオリン奏者を目指すことに賛成で良いでしょうか?」

「ああ、これからは自分の好きなように生きて欲しい」

「ありがとう、お父さん」


 アメリアがフランクさんに抱きつく。


「いいんだ、今まで辛い思いをさせてごめんよ、アメリア」


 フランクさんが、アメリアをギュッと抱きしめ返す。


 とりあえず、偉大な母を持ち同じ道を強要され、苦悩していた不遇なアメリアを、救済できた。

 後は劇団の借金問題か……すると僕は、テーブルの上に置かれた、大聖女関連の本を複数見つける。

 どれも今までに見たことのない本ばかりだ。


「これは、大聖女の本ですよね?」

「ああ、今回の演目は、この本を参考にしたんだ」

「見せていただいても、よろしいですか?」

「いや、これはメーベルト家に代々伝わる物なので、そういうわけには……」

「見せてあげて、お父さん。私を助けてくれた人たちなのよ」


 アメリアの言葉にフランクさんは、しばし目を閉じて考えているようだ。


「わかった。では、決して口外しないと、約束してもらえるなら」

「勿論です。約束は守ります」


 僕は、本を手に取りパラパラとめくっていく。

 大聖女に関する絵本が2冊、文献が3冊で、役に立ちそうな記述がちらほら見受けられる。


「フランクさん、これらの本を書き写させてもらっても、良いでしょうか?」

「いや、見るだけならまだしも、さすがにな……」


 この旅の重要な手掛かりになりそうな気がする。

 どうしても本の内容を写させてほいしが、一体どうすれば……僕は何か名案がないか、思案するのだった。


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