第35話 目標
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インフィニティの合宿二日目がスタートした。
現在は、カルラの作った朝食を皆で堪能している。
「お兄様、体調が悪そうに見えますが、大丈夫ですか?」
リゼが心配そうに僕を見ている。
「少し寝不足なだけだから問題ないよ」
「クリスっちは、枕が変わると眠れないタイプっすか?」
カルラがニヤリと笑う。
主な原因は、カルラのGカップと赤の三角ビキニだけどな!
「いや、そんなことはないけど……まあ、今日は眠れると思うから心配いらないよ」
カルラとそんな話をしていると、皆が朝食を食べ終わったようだ。
「さあ、朝食が終わったらミーティングをするので、ソファーへ移動してね」
僕たちはソファーへ移動し、ミーティングを始めた。
「では、今日は皆のステータスを確認したいと思う。お互いに得意なこと苦手なことを把握しておけば、フォローしやすいので」
「確かにそうなのだわ」
「でも、皆に自分のステータスを見られたくない人は、申し出て欲しい。別の方法を考えるから」
誰も申し出ないので、そのまま話を進めることにした。
「では、まずはカルラからいこうか」
「はいっす」
「皆、僕の手に触れてみて。カルラのステータスが見れるから」
皆が、僕の手に触れた。
【カルラ・ミュラー】
ファルケ帝国 平民 15歳 女
知力 60/80
武力 50/54
魅力 90/90
剣術 G/F
槍術 G/F
弓術 G/F
馬術 D/C
火魔法 G/D
水魔法 G/D
話術 B/A
算術 D/B
芸術 C/A
料理 C/S
「うわ、なんすかこれ!」
「カルラのステータスだよ」
「ステータス?」
「左が現在の実力、右が素質だよ」
カルラは、これを見るの初めてだったよね。
エルとクラウも復習のため、全員に女神パラスから聞いた話を説明した。
「なるほどっすね」
「ちなみにカルラの父である宮廷料理長は、料理Sの実力だぞ」
「マジっすか! 自分は、まだCなのに……ぐぬぬぬ、絶対負けないっすよ!」
カルラの瞳に炎が宿っている。本当に向上心が強いよな。
こういうところは、素直に尊敬できる。
「今後の目標を皆にも決めてもらうけど、カルラの目標はどうする?」
「自分っすか? 料理をSにすることっすね!」
カルラが迷いなく宣言した。
「じゃあ、そのためには何をすれば良いと思う?」
「う~ん、クリスっちに料理本を見せてもらって、新しいレシピを覚えながら、作ってみるとかっすかね」
「そうだね。それから火魔法と水魔法もDまで上げた方が良いと思う」
「自分も魔法が使えるようになるんすね!」
カルラが、嬉しそうに顔をほころばせている。
「あ~、最初は少し苦労するかもだけど、僕が教えるから一緒に頑張ろうね」
「了解っす」
「火魔法と水魔法は、通常冒険者として戦う術だけど、料理にも役立つと思うよ」
「本当すか?」
「うん、遠い異国で食材を直接火で炙ったり、蒸気で蒸したりする手法があるらしいから」
「興味深いっすね。自分、火魔法と水魔法も頑張るっすよ」
カルラの顔つきが、引き締まったように感じる。
自分の目標が定まり、しっかりと前を見据えているようだ。
「じゃあ次は、クラウね」
「よろしく頼む旦那様。優しくしてほしい……」
いや、ステータスを確認するだけなんだが?
「はいはい、とっとといくよ~」
「ああ、そんないきなり……」
僕はクラウの頭に、優しくチョップを落とした。
「あうう」
「もう、ふざけてないでマジメにやるよ」
「はあい」
【クラウディア・フォン・オルレアン】
ファルケ帝国 オルレアン伯爵家長女 15歳 女
知力 25/60
武力 97/99
魅力 95/95
剣術 S/S
槍術 B/A
弓術 G/B
馬術 B/A
風魔法 G/S
話術 D/D
算術 F/E
芸術 E/D
料理 F/D
「クラウの目標は、どうする?」
「やはり、風魔法をSにするべきだろうな」
「だね。クラウの特徴であるスピードに、さらに磨きがかかることで、父である剣聖様も驚くはず」
「うむ、まずは兄上に勝つことだな。クリス、アタシに風魔法を教えてくれ」
「わかった。ああ、それからクラウは、本を読んだり勉強して知力を上げよう」
あ、クラウが珍しく僕に、嫌そうな顔を向けている。
やっぱり、勉強が苦手なのだろうか。
「勉強するくらいなら、アタシは剣を振っていたいのだ」
「でもね、クラウの戦い方は素直すぎて、予測しやすいんだよ」
「なんだと」
「この前の戦いだって、一直線に僕へ突っ込んでくるって、簡単に予想できたからね」
「そうだったのか……」
クラウが、悔しそうに顔を歪めている。
「だからクラウも僕とリゼと一緒に、エルの授業を受けてみない?」
「わかった。クリスと一緒ならアタシは、どんな困難にも立ち向かえることを証明してみせよう」
クラウが、苦手な勉強にも挑戦することを、決意したようだ。
「はい、次はエルいってみよう」
「よろしくなのだわ」
【エルネスタ・フォン・リートベルク】
ファルケ帝国 リートベルク侯爵家長女 15歳 女
知力 95/99
武力 40/53
魅力 95/95
剣術 F/F
槍術 G/F
弓術 G/F
馬術 D/D
火魔法 D/D
水魔法 F/S
話術 A/S
算術 A/S
芸術 A/S
料理 F/D
「エルの目標は、どうする?」
「水魔法をSにする。これしかないのだわ」
「そうだね。僕が教えるから、一緒に頑張ろう」
「よろしくなのだわ、クリス先生」
クリス先生……いいな! エルに言われると、なんか高校教師になった気分だ。
放課後に二人きりの教室で、僕がエルに水魔法を教える。
ふとした瞬間にお互いの手が触れ、見つめあう二人……いかんいかん、妄想が止まらなくなってしまう。
しかしエルって、前世の制服とか着せたら滅茶苦茶似合いそうなんだよね。
「クリス君……クリス君!」
「へ? あああ、ゴメンゴメン考え事をしていたもので」
「体調が悪いなら、休んだ方が良いのだわ」
「平気平気、え~と次はリゼいってみよう」
「はい! お兄様、お願いします」
【リゼット・ブレイズ・ファルケ】
ファルケ帝国 第1皇女 11歳 女
知力 85/95
武力 29/29
魅力 100/100
剣術 G/F
槍術 G/F
弓術 G/F
馬術 G/F
光魔法 S/SS
話術 A/S
算術 A/S
芸術 A/S
料理 G/C
「リゼの目標は、どうする?」
「第一目標は、光魔法をSSにすることです」
「そうだね。この旅の目的でもあるよね」
「第二目標は、料理に挑戦してみたいです」
リゼが無邪気に微笑んでいる。
「カルラもいるので、この機会に料理を覚えて、お兄様に何か作ってあげたいです」
「それは楽しみだね」
リゼの手料理……いいね! 早く食べてみたいな。
「では、最後に僕」
【クリストハルト・ブレイズ・ファルケ】
ファルケ帝国 第3皇子 12歳 男
知力 95/100
武力 70/80
魅力 99/99
剣術 C/S
槍術 G/S
弓術 G/S
馬術 G/S
火魔法 S/S
水魔法 S/S
風魔法 S/S
土魔法 S/S
光魔法 A/S
闇魔法 G/S
話術 S/S
算術 S/S
芸術 B/S
料理 G/S
「僕の目標は、剣術をSにすることかな。クラウよろしくね」
「任せておけ、手取り足取り愛情込めて、我が秘技を伝授しよう」
クラウが顔を赤らめて、興奮気味に語っている。
ええと、その秘技って剣術のだよね?
「ああ、うん、お手柔らかにお願いします」
「クリスっちも、料理やってみたらどうっすか? 素質Sだし」
「そうだね、気分転換にはなるかな。そのときはよろしくね、カルラ」
「了解っす!」
こうして僕たちインフィニティは、各自の目標に向かって、能力上げに励むのだった。




