第34話 明暗
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僕がカルラにノックアウトされ、リゼのヒールで復活すると、ようやくエルが浴場に姿を現した。
「お待たせしたのだわ」
エルの話だと、新作の水着で特注だったらしく、着替えに手間取ったそうだ。
特注というのは、おそらくHカップ用のものがなく、特別に作られた一品だからだろう。
そんなエルの水着は、クロスデザインのビキニだ。
色はブラックで、バストのフロント部分がクロスしたデザインになっている。
バストをしっかり包み込むタイプの水着らしく、まさにエルのためにある水着だろう。
「いらっしゃい、丁度エルの番だよ」
「よろしくね、クリス君」
クリス君……完全に年下扱いされているな。
まあ実際3歳も年下なわけだが、なんか悔しい。
一矢報いることは、できないだろうか……。
クラウのようにシャワー魔法でメロメロにするとか……いや、エルが新しい扉を開けたら大変だ。
う~ん……思いつかないな。
仕方ない、時間をかけて、男として認めてもらうしかないか。
「じゃあ、髪を洗うね」
エルの金髪は、とてもなめらかで、リゼの銀髪に負けないくらいツヤがある。
いつも時間をかけて、お手入れをしてるに違いない。
「ふ~、とても気持ちよかったのだわ」
「でしょう、エルにもお兄様の素晴らしさが伝わったかしら」
「そうね、こんなに洗髪が上手なクリス君にお世話してもらえるなんて、私もリゼも幸せ者なのだわ」
「えへへ~」
リゼが、嬉しそうに微笑んでいる。
これならエルとも、仲良くやれそうだ。
「エルも手足にシャワー魔法をかける?」
「マッサージ効果があるのなら、肩にかけて欲しいのだわ」
「了解、いくよ~」
僕は、左手でエルの美しい金髪を持ち上げると、肩にシャワーを当てた。
そうだ、ついでに絶景も拝んでおこうか。
僕は一歩前へ出て、エルの水着を上から見てみた。
嘘だろ……そこにはカルラのときのような、ワクワクする景色はない。
抑圧されたHカップが、身動きできずに佇んでいる。
胸の谷間は強調されているが、それだけだ。
さすが新作の特注品、クロスデザインが鉄壁の防御を誇っていた。
いつかエルが、三角ビキニを着る日がくるといいな……。
「ああ、これは肩コリにいいのだわ」
「それは、よかった。言ってくれれば、いつでもやってあげるからね」
「ありがとう、クリス君」
「どういたしまして」
こうして僕は、全員の髪を洗い終えた後、自分の洗髪を済ませ、体を洗い先に浴場を出た。
その後女性陣は、体を洗ってから順次浴場を出る。
僕は出てきた順に、ドライヤー魔法で髪を乾かした。
「皆どうかしら、お兄様のドライヤー魔法は」
「すごい、あっという間に髪が乾いたのだわ」
「これを毎日やってもらっていたリゼが羨ましいな」
「最高っすね。毎日お願いしたいっす」
リゼの質問に、エル、クラウ、カルラが答えた。
「今日は、いろいろお疲れさまでした。皆、疲れてるだろうから、各自部屋に戻って休んでね」
「「「「は~い」」」」
インフィニティの活動初日が無事終了した。
リゼも友達が三人も増えて、楽しそうにしていたな。
エル、クラウ、カルラの三人が旅についてきてくれて、本当に良かった。
「旦那様、提案があるのだが、よいだろうか」
突然クラウが言い出した。
「何かな?」
「護衛することを考えたら、全員同じ部屋で寝た方が、良いと思うのだがどうだろうか」
それなら女性陣全員で寝れば良いのでは?
ああ、リゼが僕と一緒じゃないとダメだからか。
僕は、構わないけど、女性陣は嫌じゃないのかな?
「僕は構わないけど、皆は男の僕が一緒じゃ嫌じゃない?」
「私は、お兄様と一緒じゃないと眠れないので」
「私も平気なのだわ。クラウと一緒に寝たいし……」
「アタシも平気だぞ。旦那様と一緒に寝たいからな……」
「自分も気にしないので、大丈夫っすよ」
僕の質問にリゼ、エル、クラウ、カルラが答える。
こうして僕の部屋で、全員一緒に寝ることになった。
僕は収納ボックスからベッドを出して、横一列に隙間なく4つ並べる。
この状態でギリギリなのだ、隙間を開けるとベッドが3つしか置けない。
まあ、僕とリゼが一緒のベッドで寝るから、4つあれば充分なのだけど。
「私は、お兄様の左隣じゃないと熟睡できません」
「私は、クラウの隣なら左右どちらでも良いのだわ」
「リゼが左隣なら、アタシは旦那様の右隣が良いけど、護衛上ムリなら諦める」
「自分は料理当番で朝早いっすから、皆を起こさないように、端っこでよろしくっす」
リゼ、エル、クラウ、カルラがそれぞれ寝る位置について、希望を出した。
いろいろ考えてみたが、全員の希望を叶えることは、不可能である。
護衛上の理由で僕が考えた配置はこうだ。
左から順にカルラ、クリス、リゼ、クラウ、エルの並びである。
手前に足がきて、奥に頭がある状態だ。
僕とクラウの両脇に護衛対象がいるため、防御力は一番高いと思われる。
クラウには申し訳ないが、今日はこれで行くことにした。
「じゃあ、おやすみ~」
「「「「おやすみ~」」」」
僕がおやすみというと、4人の美少女が返事をしてくれた。
何この夢のような空間!
皆、疲れていたのか、すぐに寝息をたて始める。
わずか数分で、起きているのは自分だけになってしまった。
リゼは、いつものように僕の左腕にしがみついて眠っている。
リゼの双丘が僕の左腕を優しく包み、可愛らしい寝顔に目が釘付けだ。
クラウとエルの方を見ると、エルがクラウを抱き枕にしていた。
エルが幸せそうな寝言をつぶやき、クラウが苦しそうに呻き声をあげている。
僕が首を右に向けると、丁度カルラが僕の方へ寝返りをしているところだった。
「う~ん、もう食べれないっす……」
夢の中で、バーベキューの続きをしているのだろうか?
すると次の瞬間、カルラは僕の右腕を抱き枕にしたのだ。
あっという間に僕の右腕は、カルラのGカップに挟まれてしまう。
すごい弾力だ。
この柔らかさ、おそらくブラはしていない。
これがGカップなのか……。
しかも、カルラの寝顔がドキっとするほど麗しい。
超絶美少女のリゼ、Gカップ美少女のカルラ、二人の間で僕は幸せをかみしめていた。
だが、すぐに僕はこの状況が、良いことばかりではないことに気付く。
眠れないのだ!
心を無にしようとすると、さっきの浴場での三角ビキニが出てきて邪魔をする。
そうだ、こういうときは、何かを数えれば良いのでは?
僕は、無意識に赤の三角ビキニを数えてみたが、余計に眠れなくなった。
結局僕は、カルラが朝食を作るために起きるまでの間、一睡もできなかったのだ。
どうしよう……合宿二日目がもうすぐ始まる……。




